■ペルーで植物タイプ生物 (宇宙人?) 撮影される■
■Extraterrestrial Filmed in Peru (Quives Man)■
(ケベス・マンの動画
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
vさんからのリクエストネタです。
動画のもともとのタイトルが「ペルーで撮影された宇宙人 (Possible Extraterrestrial Filmed in Peru)」となっているので、記事にするのは躊躇したのですが、モスマンなんかも微妙な存在ですし、ビデオも面白かったのでアップします。
南米は現在でもUFO人気が凄まじいですから、未知のものはなんでも宇宙人とUFOになってしまいます。アルゼンチンの空港で目撃された謎の生物、 マカチン・クリチャー も記憶に新しいところです。
取り敢えず、地球上で目撃される生物ですから、宇宙人ではなくUMAとして考えてみましょう。
〜 ケベス・マン 〜
まずはビデオを見てください。
全身白ずくめのリュックを背負った生物が、画面左から中央へと歩いています。
安心してください、このどこからどう見ても人間に見える生物は宇宙人ではなく、人間です。プライバシー保護の観点から、顔にはぼかしが入っているだけです。
話題になっているのは、この人物の後ろのほうです。人物がほぼ画面中央に移動する寸前あたり、周囲の草木の色に紛れて大変見にくいですが、人物の後ろのほうに薄い黄緑色の細い棒状の「生物」が画面中央から右に移動していくのがわかります。
ビデオはペルーのカンタ郡 (Canta) にあるサンタ・ローザのケベス (Quives) で撮影されたことから、この生物はケベス・マン (Quives Man) と呼ばれています。
人物の大きさは分かりませんが、おそらく男性であるので170センチ前後と考えると、ケベス・マンは1メートル前後かと思います。
ほとんど棒状の細長い体ですが、腰の曲がった老人のようなシルエットで、二足歩行しているような動きをしています。
〜 何で今ごろ? 〜
まずは森の中を白ずくめの服装で歩いていることに不自然さを感じる人がいるかもしれません。
しかしこれについては、この地は神聖な地域で、毎年8月30日に巡礼が行われるので、おそらくそのときに撮影されたため (そのような服装をしているの) だろう、との憶測が立っています。
というわけで、2009年の8月はまだ先なので、2008年8月30日に撮影されたビデオだろうといわれていましたが、撮影されたのは2008年7月8日だそうです。
まぁ巡礼日じゃなくても巡礼する人はいると思いますから、取り敢えずこの人物は巡礼のためにこのような服装をしていたと考えればいいでしょう。
それでは、なぜ2009年になってから発表されたのか?
普通に考えれば、指摘されないと気付かないような生物ですから、今年に入るまで気付かなかったため、と考えられますが、撮影者は明らかに生物に気付いているのが分かります。
その証拠に、人物を中央において撮影していたのに、途中からケベス・マンにカメラを振っています。ということで、撮影後しばらくしてから気付いたわけではなかったようです。
良心的に考えて、撮影者および、ビデオに写っている人物は「宇宙人騒ぎ」に巻き込まれたくなかったので、発表を控えていたと考えられます。
実際、顔にぼかしを入れて発表していることから、その可能性も否定できません。
〜 あやしい? 〜
しかし、それでもおかしい点はあります。
まず、撮影者は明らかに撮影中にケベス・マンに気付いていますから、被写体の男性に「お前の後ろに何かいる!」等の声をかけ、ふたりでなんらかのやりとりがあるはずです。
ところが、顔にぼかしが入っていてはっきり分かりませんが、被写体の男性はちょっと後ろを気にするような素振りを見せるものの、動かずそのまま、撮影者も特に近づく風でもなく、冷静に撮影し続けています。
野ウサギや野ネズミなど見慣れた動物が後ろを通り過ぎただけならその程度かもしれませんが、明らかに「とんでもない生物」が後ろを通り過ぎているのに、この撮影風景は甚だ不自然といえます。
撮影ビデオを見た限り、こういった状況を考え合わせるとフェイクの可能性が極めて高いと考えざるを得ません。
〜 ケベス・マンを見てみよう 〜
(コントラストを調整してケベスマンをはっきりさせてもこの程度)
さて、そういった状況ではありますが、ケベス・マンにカメラを振ったのも偶然、二人は気付かなかった、もしくは気付いていたけど二人は全く興味がなかった、ということにして、ケベス・マンのみに焦点を当ててみましょう。
画像が荒すぎて検証不可なのですが、被写体の男性が画面左側から中央へ移動するときには、すでに画面中央に微動だにせずに待機 (?) しているように見えます。
CGであれば、動かないまま後ろに待機している必要はありませんから (必要なときにただ画面を通り過ぎれば良いので)、おそらくこれはCGではないと思われます。
ビデオに登場しているアンソニー・チョイ博士 (Dr. Anthony Choy) も (あんまり信用できませんが) CGではない、と言っています。ただ、このビデオに信憑性があるかどうかは判断できない、とも言っています。
ちなみに、チョイ博士はペルー空軍の航空異常現象調査局とかいう機関の創立メンバーでちょくちょくUFO現象のコメントしている方です。
一番簡単なのは、画面右側の草むらから長い棒のようなものでケベス・マンを歩いているように操作することですが、このビデオではそこまでは分かりません。
ケベス・マンが草むらに隠れる寸前、その右側の草むらが動いているように (つまりもう一人隠れて操作している) 見える人もいるかもしれませんが、画像の荒さでそう見えているだけの可能性もあります。
ということで、状況は怪しいけれども、完全に否定は出来ない生物、それが新UMA、ケベス・マンです。
<参照サイト>
● UFO Casebook Files
<この記事のURL>
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-711.html
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■頭部が透き通った深海魚 〜 デメニギス■
■Macropinna microstoma■
(デメニギスの動画
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
でぐりんさんからデメニギスの情報をいただきました、どうもありがとうございました。
仕事のある日は孵ってくるのが遅いのでほとんどネットが出来ません。なので、情報などは全然入ってきませんから、大変ありがたいです。何か興味深い生物のネタがありましたらみなさん教えてください。
〜 デメニギス 〜
これはデメニギス (Macropinna microstoma) という深海魚です。潜望鏡のような大きな眼が完全に上向きについています。
エソと総称される深海魚の中にも、シロデメエソやマダラヤリエソなどほぼ真上を向いた奇妙な眼を持っている仲間もいますが、デメニギスの場合、その眼を囲うように頭部の上部が透明のシールドで囲われている点がとてもユニークです。
デメニギスは数センチ程度の小さい魚ですが、今回動画撮影されたものは15センチもあるとてもビッグなものだということです。
見た目だけでなく名前も風変わりと感じる人も多いかと思いますが、デメニギスはニギスと呼ばれる魚の仲間で、眼が出ていることから、「出眼ニギス」という意味です。 (デメギニスではありません)
正面から見ても眼のような突起が確認できますが、ナショナル・ジオグラフィックによると、これは「鼻」に相当する器官 (感覚器) だということです。
知られているデメニギスは、眼球を囲うような半透明のシールドがありませんから、今まで捕獲されたものは半透明部分が崩れてしまうことが多かったのかもしれません。
やはり引き揚げたものではなく、生きたままの姿は不思議で、そして素晴らしいですね。
今日は時間がないのでこの辺で。
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■ノルウェー沖の謎のブロブ■
■Mysterious blob■
(ノルウェー沖の謎のブロブ)
〜 アトランティス大陸発見!? 〜
(これではわかりにくいので黄色い部分を拡大↓)
(アトランティス大陸の痕跡!?)
Google Earth の海洋版、Google Ocean でアフリカ大陸からほど近い大西洋沖合に アトランティス大陸の痕跡のようなものが発見 されたと話題になっています。
UMA好きの人には、超古代文明などの記事も好きな人が多いので、興味を惹かれた方も多かったのではないでしょうか。
知らない人のためにアトランティスを簡単に説明すると、アトランティス大陸とは、プラトンが著書に書き記した「幻の大陸」で、いわゆる「超古代文明」を築いていたと考えられている王国です。
著名なプラトンが書き記したことにより、信憑性が高いものと考えられていますが、その存在は伝聞に伝聞を重ねてプラトンに到達しており、思われているほど信憑性は高くありません。研究者によってアトランティス大陸の大きさや位置さえずいぶんと異なります。
一般的には大西洋上ですが、地中解説も根強く、Google Ocean で発見された「アトランティス大陸」の痕跡は、一般的にもっとも浸透している大西洋上説に一致します。
Google Ocean上に現れたその痕跡とは、直線的な四角形の組み合わせで、完全な直線ではなく、「ほぼ直線」というところがいかにも人工的な感じを漂わせます。
残念なことに、Google は即座にこの「アトランティス大陸痕跡説」を完全否定しており、海底のデータ収集のためにソナー測定している「船の航跡」が写りこんでしまったものだと発表しています。すぐに否定されてしまいましたが、なかなか楽しいですよね、こういう話は。
太平洋でこれが見つかっていたら「ムー大陸の痕跡発見」、インド洋で見つかっていたら「レムリア大陸発見」となっていたかもしれません。
さて、UMAと全然関係のないアトランティス大陸の話をしてしまいましたが、今回はここよりもうちょっと北側の海のお話です。
〜 謎の巨大シャボン玉 〜
ルドルフ・スベンセン (Rudolf Svensen) さんとアーリング・スベンセン (Erling Svensen) さんのスベンセン兄弟がノルウェー沖でダイビングをしている際、奇妙な物体に遭遇しました。
それは半透明状のほぼ球形したシャボン玉のような固まり (ブロブ) で、直径は50センチ〜70センチ程度となかなか大きなものです。
このブロブの中央部には、柔軟性のある太く赤い支柱のようなものが走っているのが確認できます。
さて、これはいったいなんでしょう?
〜 グロブスター 〜
ノルウェー沖といえばクラーケンやシーサーペントなど、海生UMAが多く報告されている地域です。
クラーケンは巨大な頭足類、シーサーペントは巨大な海生爬虫類の特徴を持っているUMAですが、かれら幻の生物たちの卵でしょうか?
また、海のUMA系ミステリーといえばグロブスター、生きている姿は一度も目撃されたことのない、頭も手足も内臓も、いかなる部位も確認できない肉塊 (にくかい) です。
まれにグロブスターの縁に、頭足類 (イカやタコの仲間) の腕を思わせる触手のようなものを確認できる場合もあります。
大きさは直径が5メートル、10メートルと巨大なものも多く、色は白っぽく、表面はざらざらして見た目と異なり非常に固いのが特徴です。
ときおり海岸に打ち上げられ、地元住民をビックリさせますが、たいてい半球形状であり、おそらく海中では球形をしているものと推測されます。
しかし、漂着したサンプルを調べると、死んだクジラ (特にマッコウクジラ) から大量に溶け出た脂肪の塊と断定されてしまうことがほとんどです。
UMA本では、海中でグロブスターが襲ってきた、といったダイバーの話を見ることがあります。かなり嘘くさいのですが、スベンセン兄弟が目撃したのは、クジラの脂肪の塊ではない「本物のグロブスター」だったのでしょうか?
〜 専門家の鑑定 〜
スベンセン兄弟は、この不思議な物体を写真に納めましたが、サンプルを持ち帰っては来ませんでした。
それ故、この物体を特定するには写真で判断するしかありません。
スベンセン兄弟から連絡を受けたベルゲン大学のトールライフ・ブラッテガルド (Torleiv Brattegard) 教授は、有機体 (生命体) であることは確実だが、それがなにであるかは特定できない、という答えでした。
ブラッテガルド教授は、もしかするとノルウェーではまだ未確認の生物ではないかとも考えており、正体は分からずじまいで終わりそうな様相を示してきました。
が、思いもかけず、この「物体」の謎を解く手がかりが入ります。
かれの同僚であるスタヴァンゲル博物館 (Stavanger Museum) のアルネ・フェルハイム (Arne Fjellheim) さんが、この半透明の風船をニュージーランドで撮影された写真で見たことがあるというのです。
さっそくふたりはニュージーランドの動物学者および頭足類の専門家に問い合わせてみました。気付いていた方もきっとおられるでしょう、そうです、この風船状の物体はイカの卵塊だったのです。
(ニュージーランドスルメイカの卵塊)
イカの卵塊は種によってずいぶんと異なりますから、どのイカかはっきりしませんが、アルネ・フェルハイムさんが見た写真は、ニュージーランドスルメイカのものではないかと思います。
この種のイカはノルウェー沖でも大量に漁獲されているものの、卵塊はおろかその生態についてもほとんど分かっていなかったということです。
<参照サイト>
● Aftenposten
<この記事のURL>
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-709.html
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■ゴキブリを奴隷にする、エメラルドゴキブリバチ■
■Voodoo wasp (Ampulex compressa) & zombie roach■
〜 グロ注意 〜
ブードゥー・ワスプのPart2ですが、こちらはゴキブリが出演しておりますので、苦手な方は読まない方が良いです。動画も見ないことをお勧めします。
平気な方だけ読んでください。
〜 玉虫色の綺麗なハチ 〜
「宝石バチ」ことエメラルドゴキブリバチ
東南アジアやアフリカなど、熱帯地域に生息するジガバチ (セナガアナバチの一種) の仲間に、エメラルド・コックローチ・ワスプ (emerald cockroach wasp, Ampulex compressa) という凄い名前のハチがいます。
標準和名が分からないのですが、英名をそのまま直訳してエメラルドゴキブリバチで通っているようですから、ここでもそう呼ぶことにします。
名前の通り、体全体はメタリックでとても光沢のあるエメラルド色 (いわゆる玉虫色) をしており、足はオレンジ色、とても綺麗な配色のハチです。
タマムシのことを英語圏ではジュエル・ビートル (宝石甲虫, Jewel beetle) ともいいますが、エメラルドゴキブリバチも単純に「ジュエル・ワスプ」(宝石バチ, Jewel wasp) と呼ばれたりします。
〜 ゴキブリを狩る 〜
さて、「宝石バチ」という呼び名は良いとして、「エメラルドゴキブリバチ」という呼び名が気になります。
「エメラルドゴキブリバチ」が狩りをするジガバチの仲間ですから、この名前はもちろん、その狩りの対象が「ゴキブリ」であることを意味します。
狩りバチはイモムシなどを捕まえ地中などの巣に運び込み、卵を産み付けます。卵から孵った幼虫は母親が残してくれたイモムシをムシャムシャ食べて大きくなるというわけです。
しかし、このエメラルドゴキブリバチ、狙っている獲物がゴキブリの中でも大型になるワモンゴキブリ (Periplaneta americana)、 ハチの体に比べ少しばかり大きすぎるようです。
こんなでっかいものを巣に運びこむのはちょっと大変そうです。というわけで、考え出したのが「ゴキブリの脳外科手術」です。
〜 脳外科手術 〜
まずは逃げまどうゴキブリの上から被さり、大きな顎でかみついて身動きを取れないようにします。
手術をする前にはやはり麻酔、暴れ回っている患者を手術するのは大変です。まずは1度目の注射、麻酔をかけます。
(まずは胸部へ麻酔注射
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
患者であるゴキブリもさすがに麻酔を打たれれば動きも鈍くなります。こうしてからエメラルドバチは手術に取りかかります。
今度はゴキブリの頭部めがけてブスリと針を差し込みます。といっても頭だったらどこでもいい、と適当に刺しているわけではなく、非常に繊細な手術です。
頭部に差し込んだ針で、ゴキブリの脳内の「逃避反射」を制御する神経細胞の部位を探し当て、そこに2度目の毒液を注入するのです。 完全なピンポイント手術です。
(2度目の注射は頭部へ)
術後のゴキブリは瀕死状態です。こんなんなるなら、そんな繊細な手術などしている意味がなさそうに感じます。他の狩りバチのように一発で仮死状態にした方が楽なはずです。
が、ここからが術後マジック、麻酔が切れるとゴキブリは何事もなかったようにすっくと立ち上がります。
自分の足で歩くことも出来ますし、毛繕いなど自分の身の回りの世話もすることも出来ます。ただし変わったところもあります、動きが穏和、というか明らかに鈍くなっています。自らの意志で動き回らなくなるのです。
(術後は瀕死状態に陥ります)
術後、いったんゴキブリから離れていたエメラルドゴキブリバチですが、手術が成功すると見るや、またゴキブリの元に戻ってきます。
すっかり穏和になったゴキブリは、エメラルドゴキブリバチを見ても逃げようとも格闘しようともしません。「逃避反射」の制御が破壊されてしまっているからです。
ゴキブリは自分の判断でうまく行動できなくなっており、エメラルドゴキブリバチはそんな不憫なゴキブリに手を貸してあげるのです。
手術を終えたゴキブリは、エメラルドゴキブリバチの思うがままに行動させることが出来るからです。
〜 ゾンビゴキブリの運命 〜
(ゾンビゴキブリを自由に連れ回すことが出来ます)
その姿は、自分でわざと怪我をさせておいて、その相手を介抱しているようなものですが、ゴキブリにとってはどうでもいいようです。
エメラルドゴキブリバチは生まれたてのひな鳥が母親についていくように、手を引かれ (触角を引っ張られ)、母蜂の促すままにある場所へと導かれます。
もちろんそれはエメラルドゴキブリバチの母親が、子供のためにつくっておいた地中の巣穴です。重くて持ち運べないゴキブリを、ゾンビ化させてゴキブリ自らの足で巣穴まで歩かせるという逆転の発想です。
なんの疑いも持たずゴキブリは巣穴の奥深くへと連れてこられると、腹部に卵を産み付けられます。
ゴキブリは巣穴から逃げようなどという気はさらさらなく、卵を産み付けられてもいやな素振りひとつ見せることはありません。まるで母親から次の指示を待っているかのよう大人しくしています。
母蜂は卵を産み付けると自分だけ地中からはい出て、巣穴の入り口を砂で覆ってしまいます。これでもうゴキブリは2度と日の光を見ることはありません。
母蜂にぐずぐずしている暇はありません、次なる犠牲者 (ワモンゴキブリ) を探しに行く必要があるからです。1匹のエメラルドゴキブリバチの母親は、およそ1ダースものゴキブリに卵を産み付けます。
〜 再生 〜
卵を産み付けられて3日後、エメラルドゴキブリバチの幼虫が卵から孵るとゴキブリの外骨格に穴を開け体内に移動します。
ゴキブリは生きているにも関わらず、そして自由に動き回れるにも関わらず、なんの抵抗も見せることなく、ただ黙って幼虫に自分の体を提供し続けます。
生まれながらに食べ方を知っている幼虫は、ゴキブリを絶命させることなく、毎日毎日生きたままの新鮮なゴキブリの内臓を食べ続けることが出来ます。
生きたゴキブリを食べ続けて8日後、エメラルドゴキブリバチの幼虫はゴキブリの体内でサナギになります。
そして、1週間以上もの間、生きたまま食べられ続けるという過酷な使命を終えたとき、ゾンビゴキブリは静かに息を引き取ります。
ゴキブリが死して4週間後、エメラルドゴキブリバチはまるでゴキブリの生まれ変わりのように、ゴキブリの体を乱暴に突き破ると、その美しいエメラルド色の姿を現します。
<参照サイト>
● Boing Boing
● Animal Photo Album
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■寄生蜂ブードゥーワスプ (コマユバチ) とゾンビイモムシ■
■Voodoo wasp (Glyptapanteles) & zombie caterpiller■
(ブードゥー・ワスプとゾンビキャタピラの動画
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
ちょっと寄生生物系のネタの書き置きがたまりすぎているので、取り敢えずひとつだけアップします。
〜 ブードゥー教とゾンビ 〜
ホラー映画の定番、ゾンビ。
ゾンビ映画のゾンビは、もともと「実在」するゾンビが元になっています。
実際のゾンビは、映画に出てくるゾンビとちょっと違い、「生きる屍 (しかばね)」 ではなく、「死人のような人間」です。
諸説はありますが、基本的にゾンビとはブードゥー (ヴードゥー) 教に伝わる秘伝の粉、「ゾンビパウダー」なるものを人間に飲ませることによって、「つくる」ことができます。
ゾンビパウダーを飲まされゾンビ化した人間は、まるで死人のように生気のない顔色をしており、知らない人が見れば死人が歩いているように見えるといいます。また、ゾンビ化した人間は自我を持たないため、意のままに操ることが出来るといいます。
なお、ゾンビパウダーはフグ毒、テトロドトキシンを主成分とし、絶妙な配合により人間を死に至らしめず、ゾンビ化させることが出来る魔法の粉だといわれています。
と、これが「現実世界のゾンビ」なのですが、テトロドトキシンにそのような効果はなく、ふつう死ぬか昏睡状態に陥るかで、自我を忘れてさまよい歩く、意のままに操ることが出来る、などというのはあまり信憑性はありません。
しかし、ネイティブなどに古くから伝わる薬草の調合は、経験則から来る現代科学でも解き明かされていない不思議なものも存在するほどですから、存在しないとは言い切れません。
さて、本題のブードゥー・ワスプの話に移りましょう。
ブードゥー・ワスプの「ブードゥー」はもちろん、ブードゥー教のブードゥーで、ワスプとはスズメバチとかアシナガバチなどの狩りバチ (狩人バチ) ことです。
ブードゥー・ワスプと呼ばれているのは、コマユバチの一種 (Glyptapanteles) で、当然、「ブードゥー・ワスプ」という呼び方は俗称です。
一方、ブードゥー・ワスプにゾンビにされるほうは、「ゾンビ・キャタピラ (「キャタピラ」とは英語でイモムシのことです)」と呼ばれていますが、こちらはシャクガという蛾の幼虫です。
〜 ブードゥー・ワスプの寄生 〜
(卵を産み付けられるシャクガの幼虫)
寄生する生物は、宿主 (寄生される生物) に多かれ少なかれ、宿主の意志に関係なく寄生側に都合のいい行動をさせる場合が少なくなくありません。
そういったことから宿主側は「ゾンビ化させられる」と表現される場合が多々あります。
ブードゥー・ワスプはシャクガの幼虫 (イモムシ) の体内に直接卵を産み付けます。一匹のイモムシに産み付ける卵の数は80個ほどだといいます。
ここまでは珍しいことではありません。多くの寄生蜂が行っているありふれた行動です。
イモムシの体内で孵化した幼虫たちはムシャムシャと生きているイモムシの新鮮な肉を食べ、サナギになるころにはイモムシは死亡してしまいます。
と、これは普通の寄生蜂の話。ブードゥー・ワスプの幼虫はちょっと違います。
生きたままイモムシの体内を貪 (むさぼ) り食うのは同じですが、イモムシの生命を奪ったりはしません。
サナギになるころには礼儀正しくイモムシの体から次から次へとぞろぞろと兄弟姉妹が出てきます。
「体をちょっと食べちゃったけど、もうご迷惑はおかけしません、それではさようなら〜」と。
しかし、さよならはしないのです。
〜 ゾンビイモムシ 〜
(ブードゥー・ワスプのサナギと共に居座り、
サナギの用心棒を買って出るイモムシ)
さよならしないのは、ブードゥー・ワスプの幼虫たちの方ではなく、シャクガの幼虫、つまり体を食べられていたイモムシのほうなのです。
ブードゥー・ワスプの幼虫たちは、イモムシの体から這い出ると、すぐその場でサナギに変態します。
イモムシのほうはどっかに行けばいいのですが、その場にとどまります。エサも摂らず、かといって自分を食べていたブードゥー・ワスプの幼虫 (サナギ) に攻撃を仕掛ける、というわけでもありません。
なんのために?
イモムシは移動するどころか、死んでしまったかのように動きません。80匹に体内を食べられているのですから、体内はかなりスカスカになっているはずですし、さすがに死んでしまったのでしょうか?というか、死んで当然です。
しかし、イモムシはどういうわけか死んでいません。その証拠に、イモムシのそばにあるブードゥー・ワスプのサナギを狙って昆虫たちが近づいてくると、機敏に反応し激しく追い払うからです。
そうなのです、ブードゥー・ワスプの幼虫はサナギから成虫になるまでの一番無防備な時期を、イモムシに用心棒をさせているのです。つまり、イモムシはいつの間にかブードゥーのゾンビと化していたのです。
イモムシは、ブードゥー・ワスプに自分の肉を提供するだけでなく、さらにかれらがサナギから孵るまで用心棒を買って出ているのです。
〜 ゾンビ化のシステム 〜
(すっかり人が変わってしまった凶暴イモムシ)
イモムシは結果的にサナギを守っていますが、厳密に言えば、サナギを守るというより、イモムシに近づいてきたすべての生物に攻撃を仕掛けているだけのようです。
しかし、不思議なことに、寄生されていないイモムシは温厚で、体の上にムシが乗っかってこようとも追い払う素振りさえ見せません。(1番上の画像)
寄生され、ブードゥー・ワスプのサナギの近くに陣取っているイモムシだけがこのように攻撃的な素振りを見せるといいます。
この動きを止めたイモムシは、まるで今からサナギにでもなろうとしているようです。
スカスカの体でとてもサナギになどなれるはずもありませんが、ブードゥー・ワスプの寄生により、サナギになる行動を促されているのでしょうか?
サナギになるときは無防備になりますから、イモムシはそれで凶暴化しているのかもしれません。
つまり、ブードゥー・ワスプのサナギを守るイモムシの行動は、決してサナギになることが出来ないイモムシに、「これからサナギになりますよ情報」を、ブードゥー・ワスプが流しているから、とも考えられます。
〜 着ぐるみ制御? 〜
とはいえ、どうやってイモムシの行動を制御しているのか、それはまだ分かっていません。しかし、とても興味深い事実があります。
イモムシの体からぞろぞろ出てきた兄弟姉妹、しかし、その数は産み付けられた80個には遠く及びません。
もちろん、どんな昆虫であっても産み付けられた卵がすべてサナギまで育つなどということはなく、途中で死んでいくのがほとんどだからです。
しかし、ブードゥー・ワスプのサナギを守るゾンビ化したイモムシを解剖してみると、その中にはイモムシの体外に脱出せずにゾンビイモムシと運命を共にするブードゥー・ワスプの兄弟たちが何匹か見つかるのです。
そのため、命を張ってイモムシの体内にとどまるかれらこそ、イモムシの行動を制御している可能性がある、との見解があります。
いずれにしてもイモムシはこのサナギを守り続けますが、それもサナギからブードゥー・ワスプが孵るときまで。イモムシは、シャクガになることは決してありません。
ちょうど「用心棒」としての役目を終える頃、体内を食べられていることと絶食がたたり、イモムシは息を引き取ります。
その亡骸を尻目に、サナギから出てきたブードゥー・ワスプは空に向かって飛び立っていきます。
<参照サイト>
● New Scientist
<この記事のURL>
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■アルゼンチン、マカチン空港に現れた謎の飛行生物■
■Unidentified flying creature■
〜 マカチン・クリチャー 〜
これはアルゼンチンのファビアン・ロマーノ (Fabian Romano) さんが、ラパンパのマカチン空港 (Macachin) で撮影した画像です。マカチン・クリチャーとでも呼んでおきましょう。
ロマーノさんによれば、この生物は高速で飛び回り、飛び去る前に写真撮影に成功したのはこのただ1枚だけだということです。
この謎の生物を特定してもらおうと、ロマーノさんは、CEUFO (Center for Studies UFO) というUFO調査機関に送りました。送り先を間違えているような気もしますが、取り敢えずそれはいいとしましょう。
CEUFOは、ロマーノさんから受け取った写真を分析し、それが「実体」をもつもの、つまり「霊的」なものではなく「実在するなにか」であると判断を下しました。
さらなる調査を進めるため、CEUFOは州立博物館にこの「物体」の鑑定を依頼します。
同博物館館長、グスターヴォ・ シーゲンターレ (Gustavo Siegentale) さんは、「大変奇妙である」と前置きした上で「これは翼を持つ肉食哺乳類であり、明らかに未知種である」と独自の見解を述べました。
CEUFOは調査の手をゆるめません。続いて警察の特別犯罪捜査局に画像分析を依頼します。
同局にて刑事事件の際に使用されるというハイテク画像分析器で綿密な調査を行い「眼窩 (がんか) やクチバシ」を確認、またこの「生物の体長が80センチ」であるというところまで突き止めました。
CEUFOはこの種の生物が、空港の近郊で幾人もの人々によって目撃されていることを付け加え、今回の目撃事件がただの一度きりのことではないことを強調しており、広く情報提供を求めています。
〜 恐るべし館長 〜
(ダービシャーの妖精)
ノームが現れるアルゼンチン ですから、こちらだって妖精かもしれません。シルエットなんてダービシャーの妖精 風ですし、空港の精かもしれません。
各調査機関による見解をまとめると、この写真に写っている「物体」はなんらかの「生命体」であり、「体長は80センチ、頭部に目とクチバシ」を有する「翼を持つ肉食哺乳類」である、ということになります。
特別犯罪捜査局の画像分析は取り敢えずおいといて、州立博物館の館長さんが主張する「翼を持つ肉食哺乳類」説は驚愕の洞察力と言わざるを得ません。
この大きさも細部も分からない、ほぼシルエットのみのピンぼけ写真から、脊椎動物であることを見抜き、さらに脊椎動物の中の哺乳類というところまで特定しています。
さらに驚くべきは肉食哺乳類という食性までも見抜いている点です。
肉食というのは語弊がありますが、「翼を持つ肉食哺乳類」は、既知生物ではコウモリしか当てはまりません。しかし、長い後肢と触角の存在から絶対コウモリではありません。
ですから、館長さんは「新種 (未知種)」と述べているのでしょう。
この説に「クチバシ」と「体長80センチ」という調査結果を加えると既知生物からはどんどん離れていくことになります。
マカチン・クリチャー、そのフランス洋菓子を彷彿とさせるひ弱そうな名前とは裏腹に、UMAとしての素質を多分に秘めています。
〜 正体はなんでしょう? 〜
(拡大して見てみると?)
撮影者のロマーノさんの直感では宇宙生物、館長さんは「未知の肉食哺乳類」、本当に既知生物ではないのでしょうか?
一見するとピンぼけ感がフェイク写真ぽい雰囲気を漂わせているのですが、おそらく加工はされていないものと思われます。CEUFOのいうとおり、これは実在するものとして考えて問題ないでしょう。
特別犯罪捜査局が発表したように、本当に80センチもあるとしたら間違いなく未確認生物、もしくは地球外生命体でも何でも良いかと思います。
が、比較する対象物の存在しない一方向からの写真だけで、物体の大きさを正確に計ることは出来ませんから、取り敢えず大きさは「分からない」ということでいいかと思います。
ただし、写真の翼の大きさから、この生物はあまり大きくないことが推測されます。
生物全体がピンぼけですし、激しく動いていると思われる翼部分はさらにぼけていますから、大きさや形などははっきり分かりませんが、翼の長さはせいぜい体長と同じかそれ以下、翼の面積もとても小さい印象です。
自分の体長ほどの小さい翼で飛翔できるのは体が小さい (体重が軽い) 生物の特徴ですから、もし翼の大きさも見た目通りだとすれば、この生物は80センチという大きさはないでしょう。もっとずっと小さいはずです。
その他のプロポーションをよく見てみましょう。頭部と胴体の区別がつきます。つまり、頭部と胴体の間にくびれが存在します。頭部からは触角らしきものが生えているのも確認できます。
長い後肢が1対、だらりと垂れ下がっており、後肢ほどはっきりしませんが、腕 (前肢) のような部分も確認できます。ということは前肢が翼に進化した鳥やコウモリではない、ということになります。
また、飛んでいる姿のワンショットですから、この飛行姿勢がこの生物の飛行姿勢とは言い切れませんが、地面に対して体を垂直気味に立てて飛ぶのは昆虫類に多い特徴です。
といった点を考慮すると、これはおそらくレンズ付近をかすめ飛んだ昆虫ではないかと思われます。
ピンぼけなのでそれ以上は分かりませんが、ハチ (アシナガバチ) とかバッタの仲間、頭部と胴体の判別が出来ることからハチのような印象を受けます。
とはいってもこの写真で断定するのはちょっと無理がありますから、UMAの可能性も十分考えられます。CEUFOの主張通り、マカチン・クリチャーがよく目撃される、というのを信じれば、まだまだこのUMA、いけるはずです。
<参照サイト>
● Phantoms and Monsters
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■史上最大の巨大蛇の化石発見される■
■Extinct largest snake (Titanoboa cerrejonensis)■
南米コロンビアの6500〜5500万年前 (6000〜5800万年前とも) の地層から、史上最大のヘビの化石が発見されました。
これは古生物ファンや巨大生物ファンにはもちろんのこと、UMAファンにとってもとても魅力的なニュースです。
UMAとしてもっとも有名な大蛇の目撃は、1906年、軍人にして冒険家のパーシー・フォーセット (or ファーセット, Percy H. Fawcett) 大佐が南米調査に派遣された際に目撃した巨大アナコンダです。
巨大アナコンダは、水上から見えた部分が13.5メートル、水中に没していた部分が5メートル超、全長18メートルを超えるまさに「大蛇」でした。
科学者にはまったく信用されていませんが、あまりの大きさに少々大げさに伝えてしまったのかもしれません。パーシー大佐はこの目撃から20年後、再度アマゾンに趣き、消息を絶っています。
さて、さすがに18メートルは少々大きすぎるような気がしますが、今回発見された巨大ヘビはそれを彷彿させるものです。
発見されたヘビの化石には、ティタノボア・セレジョネンシス (ティタノボア・ケレジョネンシス, Titanoboa cerrejonensis) という学名が与えられました。これは「Cerrejon (化石を発掘した地名) の巨大なボア」という意味です。
絶滅爬虫類専門家ジェイソン・ヘッド (Jason Head) と古生物学者デビッド・ポリー (David Polly) は、発見された巨大蛇の脊椎骨から生前の姿を検討しました。
そしてかれらのはじき出したティタノボア・セレジョネンシスの全長は約13メートル (42.7フィート)、体重は現世最重量のオオアナコンダ (グリーン・アナコンダ) の4〜5倍以上、1134キロと見積もりました。
ちなみに、1134キロという恐ろしく細かい数字をはじき出しているように見えますが、ポンドで表すと2.500ポンドとなり、実は大雑把な数字です。
「ヘビは10〜12メートル以上に成長することは不可能なハズ」という「定説」を覆す大きさだけに、今後、今回見積もられた体長に反発の声が上がるかもしれません。
また、大型化したヘビのプロポーションを推測するのが難しいため、体重を推測するのも困難なようです。それにしても推定体重が重すぎるのでは?と思う人もいるかもしれません。
ティタノボア・ケレジョネンシスとプロポーションが似ていると思われる歴代の捕獲された巨大アナコンダを元に体重を推測してみるとします。
たとえば、8.5メートル、200キロと7.3メートル、158キロの個体のデータ (巨大動物図鑑 さん参照) を使って、単純にティタノボア・セレジョネンシスの体重を推測してみると、それぞれ716キロ (1.533x200)、891キロ (1.783x158) となり、1134キロには及びません。
これはあくまで、同じプロポーションのまま大きくなった場合の数字ですから、正確なものではありません。大型化すると重い体重を支えるために寸胴になっていく傾向がありますから、その辺の細かな修正を加えたものが1134キロということでしょう。
仮に体長、体重が多少上下したとしても「史上最大」ということに影響はないと思われ、このような巨大蛇が実在したことは疑いがなく、UMAとして報告される10メートル超の大蛇の話も夢物語ではないともいえます。
それどころか、この発見された個体がこの種の標準的な大きさ、もしくは大きめの個体ならともかく、「小さめの個体」という可能性も否定できません。その場合、13メートルという体長を遙かに超えるティタノボアが存在したことになり、絶滅していなければパーシー大佐が目撃したというアナコンダもあながち、、、
6500万年前と言えば恐竜が絶滅して間もない時代、巨大肉食恐竜のぽっかり空いたニッチを埋めるようにティタノボア・セレジョネンシスは、当時の温暖な気候を利用して巨大化していったのかもしれません。
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■巨大ベレムナイト 〜 メガテウシス・ギガンティア■
■Giant belemnites (Megateuthis gigantea)■
〜 サンダーボルト 〜
雷に撃たれて亡くなる人がいますが、もちろんそれは感電によるものです。
そうではなく、雷に撃たれて死ぬのは、雷と共に空から槍のようなものが降ってくるからだとしたら?中世のヨーロッパでは、そのように考える人たちもいました。
証拠はありました。空から降ってくる「サンダーボルト (落雷, thunderbolt)」とか「サンダーアロー (雷の矢, thunder-arrow)」と呼ばれる槍は地中に埋まっているからです。
雷に撃たれた人は空から降ってきたサンダーボルトに体を貫かれ、体を貫いたサンダーボルトは勢い余って地中深く深くに埋没してしまいます。
それらの槍は、その場所に雷が落ちた証拠でもありました。そして雷が落ちやすい場所も分かりました。サンダーボルトがたくさん埋まっている場所があるからです。
しかし、サンダーボルトは雷と共に空から降ってきた槍ではけっしてありません、その槍はベレムナイトの化石だったのです。
〜 ベレムナイト 〜
(軟体部やかぎ爪まで化石化したベレムナイト、
ベレムノテウシス, belemnotheutis)
"Fossils" Cyril Walker and David Ward より
ベレムナイトは恐竜と共に絶滅した現世のイカ (特にツツイカの仲間) によく似た姿の頭足類です。
現世のイカよりも先端がとんがった外套 (がいとう - 体の部分) をしていますが、その生態はほとんど現世のイカと変わりなかったと考えられています。大きな目、オウムのようなクチバシを持ち、墨を吐きました。腕には多数のかぎ爪がついていたことも分かっています。
イカやタコといった頭足類は化石になることが希です。外套の外側に殻を持たないため、死ぬと軟体部は腐敗してしまい、滅多なことでは化石にならないからです。
ベレムナイトも現世のイカと同様、体の外側に殻は持ちませんでしたが化石はたくさん残っています。どうしてでしょう?
現世のイカにもコウイカやアオリイカの仲間は外套の中に比較的立派な殻 (軟甲) を持っていますが、ベレムナイトと姿の似ているツツイカの仲間の殻は透明で薄っぺらい棒状のものでとても貧弱です。
(ネオヒボリテスの化石 ,neohibolites)
"Fossils" Cyril Walker and David Ward より
しかし、ベレムナイトの外套の中にはグラディウス (gladius)、つまり「短剣」などとも呼ばれることのある、とても立派な殻が入っていました。
この殻が化石化しやすいため、ベレムナイトの化石はイカと違い多数発掘されているのです。
前述の通り、ベレムナイトの化石は、その槍のような、もしくは短剣のような形状が人々の想像力をかき立て、雷と関連づけられました。
その他にも、中世の人々は、「ゴーストのキャンドル (ghostly candles)」とか「ワイトのキャンドル (wight candles)」、「悪魔の指 (Devil's finger)」、「聖ペテロの指 (St Peter's fingers)」などと呼ぶことがありました。
ワイトとは、妖精もしくはそれに準ずる架空の生物で、ベレムナイトの化石が密集している場所は、ワイトが宴 (うたげ) を開いた跡だと考えたのです。
また、スコットランドでは民間療法として、ベレムナイトの化石を煎じて飲めば腹痛が治る、毒ヘビの解毒剤になる (snakestone)、馬の寄生虫に効くなどといわれていた時期もありました。
〜 メガテウシス・ギガンティア 〜
(巨大直角貝 カメロケラス [cameroceras]
体長10〜11メートル)
今まで知られている最大のべレムナイトは、ヨーロッパのジュラ紀の地層から発見されたメガテウシス・ギガンティア (Megateuthis gigantea) の化石です。
発見された化石の大きさは18インチ (≒46センチ) で、腕を含めた体長は3〜4メートルと推測されています。
ちなみに、メガテウシスとは、メガ (mega) は「巨大」、テウシス (teuthis) は「イカ」という意味ですから、属名は「巨大なイカ」を意味します。
直角貝やアンモナイトの大きさを考えると、もっと大きなべレムナイトが存在しても不思議ではありませんが、現時点ではこの種が最大と考えられています。
体長3〜4メートルとはかなり大きなイカ (現世のイカとは異なりますが) といえますが、この時代には巨大海生爬虫類がてんこ盛りの海ですから、べレムナイトもイクチオサウルスをはじめ、食べられまくっていたようです。
ベレムナイトの殻は大きく3つに分けることが出来ます。先端の尖っている部分から順に「鞘 (guard or rostram)」、「房錘 (phragmocone)」、「前甲 (proostracum)」と呼ばれ、化石になりやすいのは圧倒的に「鞘」の部分です。
メガテウシス・ギガンティアは特別大きなベレムナイトで、ふつうのベレムナイトは体長が数十センチ程度です。ですから、通常発見される鞘の大きさは数センチ程度にとどまります。
その程度の大きさでも雷や悪魔、妖精などに関連づけられて考えられたベレムナイトの化石、もし中世にメガテウシス・ギガンティアの化石が発見されていたら当時の人々はいったい何を想像したことでしょう。
<参考文献>
● "Aquagenesis, The Origin and Evolution of Life in the Sea" by Richard Ellis
● "Fossils" by Cyril Walker and David Ward
<この記事のURL>
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