■Last thylacine "Benjamin" (Thylacinus cynocephalus)■

~ タスマニアタイガー ~

英名はサイラシン (thylacine)、正式な和名はフクロオオカミ、けれど海外でも日本でも「タスマニアタイガー」のほうが通りがいいかもしれません。
今回は、このブログにもたびたび登場しているタスマニアタイガーです。
姿こそ違えどタスマニアタイガーはコアラやカンガルーなどと同じ有袋類です。
背中からお尻にかけて虎のような縞が入っているため「タイガー」の名で呼ばれますが、実際のところ、和名の通り、模様を除けばその姿は犬 (やオオカミ) に似ています。。
とっくに絶滅したものと考えられていますが、今でも目撃情報が絶えることはありません。
オーストラリアのローンセストン (Launceston) にある博物館「クイーン・ヴィクトリア・ミュージアム・アンド・アート・ギャラリー (Queen Victoria Museum and Art Gallery)」の館長、デビッド・メイナード (David Maynard) さんはいいます。
「いまだにわれわれは最低でも月に一件以上、タスマニアタイガーの目撃情報を受け取っているんですよ。ですけど、かれらが生き残っているという決定的なな証拠はないんです」
この博物館こそ、現在「最後のタスマニアタイガー」が展示されている場所です。
~ 撮影秘話 ~

今となってはとても貴重な資料となっている、最後のタスマニアタイガーの動画を撮影したのは生物学者のデビッド・フレイ (David Fleay) さんです。
フレイさんは最後のタスマニアタイガー、「ベンジャミン」の撮影のためホバート動物園 (Hobart zoo) を訪れましたが、撮影の際、実は災難に見舞われていたといいます。
撮影中、ベンジャミンはフレイさんに向かって警告の「あくび」を2度したといいます。しかし、フレイさんはそのまま撮影を続けたため、ベンジャミンは警告を無視されたと思い、フレイさんの隙をついて後ろに回り込むと、彼のお尻にかみついたというのです。

それはフレイさんの娘であるローズマリーさんの記憶だそうです。
人間のことは滅多に襲わないといわれているタスマニアタイガー、最後の意地でしょうか。フレイさんは気の毒でしたが、その光景を想像するとちょっとばかり滑稽な気がします。
幸い、怪我は大事には至らなかったものの、最後のタスマニアタイガー、ベンジャミンはその撮影からわずか3年後に亡くなってしまいました。これ以後、現在に至るまで、生きたタスマニアタイガーを見た人はいません。
家畜や人を襲うという理由でタスマニアタイガーは移民たちに憎まれ、虐殺され続けましたが、実のところ家畜を殺したのは野犬の方が多く、また、タスマニアタイガーに殺された人など存在しなかったといいます。
それでは現在でも続くタスマニアタイガーの目撃情報ですが、メイナード館長の見解はどうなのでしょう。
仕方のないことですが、館長はタスマニアタイガーの生存説には否定的な立場をとっています。 それはこんな理由からです。
「野生の個体が生き残っていたとしてもそれはせいぜい1950年ごろまでだったでしょう。最後のタスマニアタイガーは野生の中で人知れずひっそりと息を引き取ったんではないでしょうか。
タスマニアでは膨大な数の野生動物が車に轢 (ひ) かれ死んでいるんです。年間293,000匹ほどにもなるんです。
ですが、ここ50年、その中にタスマニアタイガーはただの一匹も含まれていないんですよ」

<参照サイト>
●News.com.au
<この記事のURL>
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-907.html
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地球という自然を保全するためには自然淘汰が働きますが、私達人類によって絶滅させられた種の多いこと。
生きるためとはいえ、他の生物の命を喰らい、住処である自然を破壊する人類。
弱肉強食が自然の摂理と言ってしまえそれで終わりですが、我々人間は業の深い生き物だと考えさせられます。
このタスマニアタイガーの動画を見るたびに何ともやるせない気持ちになりますね。
この動画を見ると、ベンジャミンのいらいらした様子しか伝わってきませんし、実際そうだったんでしょうが、お尻をかじった裏話を聞くと、ちょっとだけベンジャミンのユーモラスな姿を想像できて今までとはまた違った風に見えました。