■Cyclocosmia ricketti■

~ クモ ~
クモの仲間は種類も多く、中にはとてもユニークな生活史を営む種や個性的な姿をした種類も少なくありません。
以前に紹介したピーコック・スパイダーなんかもそんな不思議なクモたちのひとつです。
今回のシリキレグモ、見た目そのまんま命名されたクモです。
~ シリキレグモ ~

シリキレグモは、通常よく目にするクモの腹部を真ん中あたりですっぱり切断したような円柱形の腹部をもつのが特徴です。切断面はほぼ平ら、左右対称のまるで「紋章」のような模様が刻まれています。
このクモの仲間はアメリカやメキシコ、アジア方面では中国やタイなどに生息しており、世界で10種近くいるようで、その種類によって「紋章」のパターンが異なります。体長は2~3センチ程度。
このクモのことを知らない人がはじめて見ると、人為的に腹部を切断もしくはCG?、などと思ってしまうほど奇妙な腹部です。切断面のフラットさがより人工的に感じさせる要因になっています。

地中性のトタテグモの仲間で、トタテグモはふつう、地面に穴を掘り巣穴の出入り口に自家製の扉を取り付け、獲物が来るのを待ち伏せするクモです。
扉に気付かずに昆虫などの獲物が巣穴付近を通ると、素早く扉を開けて飛び出し、獲物を巣穴に引きずり込んで食べてしまいます。
なのでトタテグモの仲間は英名トラップドア・スパイダー (Trapdoor spider, 「落とし戸グモ」) と呼ばれます。
で、同じトタテグモ仲間のシリキレグモはどうでしょう?
~ ディフェンス ~

このシリキレグモも地面に穴を掘り生活します。敵に襲われそうになると、頭を巣穴の奥に向け、つまりこの切断された切り口のようになっている平らな腹部を外に向け巣穴を塞いでしまいます。
ふつうのクモの腹部ですと巣穴の出入り口に隙間ができるか、隙間ができないようにすると巣穴から腹部が飛び出すかしてしまいますが、シリキレグモの腹部の後端は平らなので巣穴がぴったりと塞がります。
そうなのです、この突飛な形の腹部はこのディフェンス時に特化した形状なのです。

敵に体の一部を故意にさらすわけですから、切断面はかなり硬質なのではないでしょうか。それ以外の部分も硬そうですけど。
ちなみにシリキレグモもトタテグモの仲間なので、他のトタテグモ同様、ふだんは自分のお尻ではなく、自家製のフタを巣穴の出入り口にして獲物を待ち伏せているようです。
あくまでお尻のフタは緊急用のようです。
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