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UMAファン ~ 未確認動物
世界中のUMA (未確認生物)、巨大生物、不思議な生物 (珍獣)を紹介しているブログです。
ジェヴォーダンの獣

■ベート (ジェヴォーダンの獣)■
■Beast of Gevaudan■



~ ジェヴォーダンの獣 ~

ベートとはフランスのジェヴォーダン (現ロゼール) 地方で1764年~67年にかけて人々を震え上がらせた、オオカミによく似た伝説のUMAです。

オオカミに似ているとはいっても、その大きさは牛ほどもあったといわれ、非常に大柄なものでした。

体毛は赤茶色、背に縞模様があり、非常に長い尾を持っているのが特徴です。

一説によると、ベートによる犠牲者は99人、狼男さながら、銀の弾丸を撃ち込まれ最期を遂げたといわれています。

~ 実在したUMA ~



さて、犠牲者99人、銀の弾丸に倒れた、などというのはあまりに創作めいており、信憑性がありません。このジェヴォーダンの獣は創作されたものではないか、と思ってしまいます。

犠牲者の数が100人の一歩手前のぞろ目であることや、銀の弾丸に関する逸話は確かに信頼できません。しかし、そういったことを抜きにすれば、「人をたくさん殺した野獣」であり、なんらおかしなことではありません。

実際、このジェヴォーダンの獣は実在したものと考えられています。

そして、驚いたことに犠牲者の数は、逸話の99人よりもさらに多い、113人というのが定説です。研究者の中には、犠牲者の数を130人以上と見積もる人もいます。

古い記録であり、正確な犠牲者の数を算出するのは不可能に近いと思いますが、いずれにしてもこのジェヴォーダンの獣が、伝説通り、血に飢えた怪物であったことは間違いありません。

しかし、このジェヴォーダンの住民を恐怖のどん底に陥れた獣にも最期のときがきます。

総勢300人にも及ぶ人々が、この野獣狩りに立ち上がったのです。被害を考えれば、それは遅すぎた決起ともいえます。

ジェヴォーダンの獣はある男の前に現れました、男の名はジャン・シャステル (Jean Chastel) 、おもむろに構えたライフルが野獣に向け火を噴きました。

それはジェヴォーダンの悪夢が終わりを告げた音でした。

~ ジェヴォーダンの獣の正体 ~



倒れたのは銀の弾ではありませんが、ジェヴォーダンの獣が射殺されたのは確かです。

オオカミに似ているとはいっても、その大柄な体躯 (たいく) や地に着くほど長い尾という特徴だけをみても、とてもふつうのオオカミとは思えません。

日本の絶滅したオオカミ、ニホンオオカミやエゾオオカミなどは特に小柄ですが、世界最大のオオカミ、ハイイロオオカミ (タイリクオオカミ) は体高 (肩まで) が1メートル近くあり、確かにかなりの大きさをしています。


(ハイイロオオカミ)

実際に剥製などを見ると驚くほど大きいのですが、「牛ほどの大きさ」と形容されるにはちょっと大げさな気がします。

とはいえ、相手は何十人もの人間を殺した野獣ですから、恐怖感により遭遇した人がそれぐらいの大きさに感じたとしても決して非難することは出来ません。

伝えられる特徴やイラストだけでなく、なにか本物の正体を知る手がかりは残っていないのでしょうか?

それほどの大殺戮 (だいさつりく) を繰り広げた獣です、当然ながら、当時の人々もジェヴォーダンの獣の正体に興味を抱いたに違いありません、この獣の正体はいったい何なのか?と。

射殺されたベートは、その正体を探るため解剖されました。そして、そして当時の詳しい解剖記録も残されています。その解剖記録を再調査したところ、やはり「野獣の歯は、非常にオオカミに似ている」というもので、ジェヴォーダンの獣はオオカミと野犬のミックス、混血種だったのではないかと推測されました

~ ジェヴォーダンの獣の行方 ~

それでは、解剖されたジェヴォーダンの獣はその後どうなったのでしょう?忌まわしきものとして灰になるまで焼かれてしまったのでしょうか?

しかし、人間は不思議なことに、こういった忌まわしきものを好みます。凶暴な生物に対し、恐怖を感じると共に恐ろしく魅力的に感じたりするものです。

そういったものは剥製にされることが多いのですが、もしジェヴォーダンの獣の死骸が解剖後に焼かれるなりなんなり、廃棄されなかったとしたら?

1997年、パリの自然史博物館に勤める、フランツ・ジュリアン (Franz Jullien) という剥製師は、ジェヴォーダンの獣らしき剥製を発見します。

1766年から1819年まで、この自然史博物館に展示されていたというその剥製には、「ジャン・シャステルにより射殺された」と記載されていました。

そうです、あのジェヴォーダンの獣をライフルで撃ち抜いたというジャンの名前がそこにありました



それはアフリカ、そしてアラビア半島などにも棲息するシマハイエナと特定されました。

シマハイエナは名前の通り体全体に縞模様があり、謎であったジェヴォーダンの獣の背中の縞模様をうまく説明できるともいえます。

しかし、ジャン・シャステル自体が疑わしい人物として挙がっているのもまた確かです。

~ ジェヴォーダンの獣も犠牲者か? ~

ジャン・シャステルの息子であるアントワーヌ・シャステル (Antoine Chastel) は風変わりな動物を多数飼っており、その中にはシマハイエナと思われる動物も入っていたといわれています。

ジャンがシマハイエナを連れ回し、シマハイエナに人間を襲わせていた、もしくは実際に人々を殺戮していたのはジャンで、後始末をシマハイエナにさせていた、という推測も成り立ちます。

ジャン・シャステルはこれ以上の凶行は無理と判断し、自ら飼っていたシマハイエナを撃ち殺した、つまり自作自演だった可能性があります。

もしそうだとすれば、ジェヴォーダンの獣がジャンの前に現れたのも説明が付きます。ジェヴォーダンの獣、その正体であるシマハイエナは飼い主であるジャンを見つけ喜び勇んでジャンに近づいて行っただけです。

しかし、それはいつもの主人ではありませんでした。もしかすると、射殺されたこのハイエナも、またジャンの犠牲者のひとりだったのかもしれません。

※ ジェヴォーダンの獣の解釈はたくさんあり、ここに挙げたのはほんの一例です

<参考文献>
Cryptozoology A to Z (Loren Coleman & Jerome Clark 著)

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