■Gastric-brooding frog (Rheobatrachus silus)■

~ ダーウィンハナガエル ~

(ダーウィンハナガエル)
かのチャールズ・ダーウィンの名前を冠した南米に生息するダーウィンハナガエル (Rhinoderma darwinii)。鼻先がとんがった茶色もしくは緑色、体長3センチ程度の小さなカエルです。
落ち葉に擬態しているともいわれるその姿で獲物を待ち伏せします、またその擬態はディフェンスにも役立っているといわれ、襲われると死んだふりをし落ち葉に紛れてしまいます。
ダーウィンハナガエルのもっとも興味を引く特徴は子育てにあります。
魚類などではたまに目にしますが、口の中で子供たちを育てます。

(子ガエルを吐き出す瞬間)
育てるのは卵を産んだメスではなくオスガエルが行います。というのもカエルが鳴くときに膨らませる部分、つまり鳴嚢 (めいのう) の中で育てるため、鳴嚢のあるオスにしかこの芸当ができないからです。
メスの産んだ卵がオタマジャクシに孵化するとオスはそのうち最大20匹を飲み込で鳴嚢 (めいのう) に取り込みます。
ここで子ガエルになるまで保護するというわけです。
ちなみにダーウィンハナガエルはもう一種 (Rheobatrachus rufum) いますが、1980年台以降、人類は誰も目にしておらず既に絶滅している可能性が示唆されています。
~ カモノハシガエル ~

(カモノハシガエル)
さて今回の主役、ダーウィンハナガエルよりも更に変わっているのがカモノハシガエル (イブクロコモリガエル) です。
ダーウィンハナガエルと比べて、というか一般的なカエルと比べても姿は地味で冴えないカエルにみえてしまいますが、ダーウィンハナガエル以上に実はとっても興味深いカエルです。
まずは和名ですが、カモノハシガエルもしくはイブクロコモリガエルと呼ばれます。これはそれぞれ英名の "Platypus frog" を "Gastric-brooding frog" を直訳したものです。"Platypus" とはカモノハシのことです。
カモノハシガエルという名前は、このカエルがカモノハシと同じオーストラリア大陸が生息地であること、そして、カモノハシ同様、滅多なことでは陸上にあがってこないことから命名されたといわれています。
上記のカモノハシガエルの命名理由には今ひとつピンときませんが、もう一つの名前であるイブクロコモリガエルはこのカエルの特徴を端的に表現しています。
カモノハシガエルもダーウィンハナガエルと同様、産んだ卵を飲み込んで育てますが、育てるのはオスではなくメスです。
メスには鳴嚢がありませんから、ダーウィンハナガエルのように物理的に鳴嚢で育てることはできません、その代わり胃袋内で育てます。これがイブクロコモリガエルの名前の由来です。

(口から出たてのダーウィンハナガエルの仔蛙(注:カモノハシガエルじゃないです))
多くの生物にとって脅威となる胃袋の中でどうして子育てができるのでしょう?その理由はオタマジャクシにあります。
オタマジャクシは母親の胃液で溶かされてはなるまいと、母親の胃の中で化学物質を分泌します。すると母ガエルはそれを境に絶食、更に胃酸の分泌をストップさせてしまいます。
無事に胃の中で育った子ガエルは、まるでマトリョーシカのように (といっても一段階だけですが、、、) 母ガエルの口から飛び出してきます。ミニチュアのようで本当にかわいい。
現代のストレス社会で問題となっている胃酸の出過ぎ、その胃酸の分泌を調整できるカエルですから科学者がこのカエルたちに注目したのは想像に難くありません。
しかし、現在カモノハシガエルを使った研究はまったく進んでいません。どうしたのでしょう?
この不思議なカエル、科学者たちから注目を集め始めた1980年代初頭、突如地球上から姿を消してしまったのです。
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