■Peacock spider (Maratus volans)■
最近、また更新間隔がやばくなってきたの書き置きで更新しておきます。

今回はピーコック・スパイダー、和名が分からないクモなので英名そのままピーコック・スパイダー (Peacock spider) と呼ぶことにします。
ピーコックとはあの雄が飾り羽を広げると、とっても綺麗なクジャク (孔雀) のことで、直訳すると「孔雀蜘蛛」という意味になります。
ちなみにこのクモ、英名ではピーコック・スパイダーの他にグライディング・スパイダー (Gliding spider) とも呼ばれるようですが実際に滑空飛行するわけではなく、後述するオスについている幕から連想してつけられた名前のようです。
このクモが生息しているのはオーストラリアのクイーンズランド州とニュー・サウス・ウェールズ州、大きさは生体で5ミリ程度の小柄なクモです。
家の中でもよくみかけるハエトリグモ (ジャンピング・スパイダー) の仲間で、正面に2対の大きな目を持ちクモとしてはあまり足も長くなく、単純にシルエットだけみると典型的なハエトリグモといった感じです。

メスに至ってはまったくクジャクらしいところはなにもなく、体色も地味でそこら辺のハエトリグモと大差ありません。
が、クジャクを例に挙げるまでもなく、多くの生物でオスがメスよりも格段にカラフルで派手なことからも想像できるように、ピーコック・スパイダーもオスだけがとても美しい色をしています。
そのままでも綺麗ですがなんといっても交尾の際の求愛ダンスが見せ場です。

(使用前)

(使用後)
腹部のイエロー、レッド (オレンジ)、ブルー、グリーンの派手な色は実は薄い幕に描かれた模様で、ふだんは腹部を包み込むように閉じているために腹部の色が派手なように見えます。
が、求愛時にはこの腹部と幕を船の帆を開くように体に対して垂直に立て、さらにたたんでいた幕を広げます。
幕は広げると横にちょっと長めの楕円形をしており、腹部側面にたたまれていて見えなかった淡いイエロー部分が露出して美しさに拍車がかかります。

(地味な体色のメス)
さらに4対ある脚の前から3番目の脚も同時に垂直に持ち上げ求愛ダンスの準備は整いました。
ワイパーのように激しく脚を振りながら左右に動いて女子の気を引きつけようと必死に踊ります。体が小さいだけにその姿はとても健気 (けなげ) でかわいらしくうつります。
気に入ってもらえればめでたくカップル誕生、気に入ってもらえななかった場合、帆をたたんで一目散に逃げるしかありません。
恥ずかしいから?いえいえ、とんでもない。気に入られなかったオスは交尾どころかメスに食べられてしまうこともあるからです。

(気に入ってもらえず、メスの餌に、、、)
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