■カエルの神隠し ~ オレンジヒキガエル (キンイロヒキガエル)■
■Golden toad (Bufo periglenes)■
~ 石川県でオタマジャクシの雨? ~
石川県の空からオタマジャクシが降ってきたといいます。
以前に、ベガスヒョウガエルの記事でカエルや魚が空から降ってくるという話をしたことがあるので、詳しくは書きませんが、そういった話は昔から数えられないほど伝えられています。
記事によると、「石川県七尾市中島町にある「中島市民センター」周辺約300平方メートルにわたって体長2-3センチのオタマジャクシ約100匹が突然降ってきた」とのこと。
これが2009年6月4日の話、なんと1日空けて6月5日にも、同じく石川県、今度は白山市徳丸町で「駐車中の車のボンネットや路上で30匹のオタマジャクシがつぶれているのを住民らが見つけた」とのことです。
今までに多くの動物が空から降ってきたことが記録に残っていますが、オタマジャクシが降ってきた事例は皆無に等しく非常に珍しい記録となります。
(魚が降ってきた様子の絵画)
空から動物が降ってくるものは、必ずといっていいほど、その原因を竜巻としますが、これは以前にも書いたとおり、あまり説得力がありません。
動物が降ってきた事例を見ると、いずれも降ってくる生物が単一の種類に限られるからです。
竜巻に意志はなく、1種類の生物だけを「選択的」に巻き上げる、ということは不可能で、竜巻が原因で生物が降るのであれば、その他の生物、動物だけではなく水草や土などあらゆるものがごっちゃになって降ってくるはずです。
「選択」は人間はもちろん、動物の得意技で、これら単一の生物が降ってきた事例を説明するのに、人間のいたずら、もしくは動物が絡んでいる可能性が示唆されます。
伝えられる話を鵜呑みにするなら、それは人間が絡んでいたとしても説明不可能のものがほとんどであることは認めなければいけませんが、「実際に降っているところを見ていない」とか「降ってきた生物の数がそれほど多くない」場合は人間のいたずら、もしくは鳥などがはき出した可能性も、加えるべきでしょう。
オカルト研究の第一人者、チャールズ・フォートは「大気圏藻海」なる一時的に動物を捕獲する領域がる大気圏に存在するという仮説を発表しましたが、これはファンタジーの域を出ません。
~ 黄金のカエル ~
さて、今回の主役はオレンジヒキガエル (Bufo periglenes)。
英名をゴールデン・トード (golden toad) といい、直訳すればキンイロヒキガエルですが、運悪く、和名にキンイロヒキガエルという別のカエルが存在するため、こちらはその名を譲りオレンジヒキガエルという和名です。ただし、ゴールデン・トードをそのまま直訳して、このカエルをキンイロヒキガエルと呼ばれていることも多々あります。 複雑ですね。
このカエル、オスはヒキガエルとは思えない鮮やかなオレンジ色をしており、ゴールデン・トードと呼ばれるのには誰もが賛成するでしょう。
メスはオスと比べるとちょっと地味で、淡いグリーンの体色をしています。
(地中性のインドハナガエル)
オレンジヒキガエルは中央アメリカ、コスタリカのほんのわずかな地域 (モンテヴェルデ森林保護区) にのみ生息していたたいへん希少なカエルです。
発見されたのは1966年、繁殖期になるとこの派手な体色のオレンジヒキガエルはどこからともなく一斉に現れ、陰鬱な熱帯雨林をひとときの間、鮮やかなオレンジ色に染め上げました。
しかしこのカエル、繁殖期以外に人の目に触れることはほとんどなく、おそらく地中性のカエルだったのではないかと考えられています。
~ 消えたカエル ~
1966年に発見されてから、毎年、彼らの繁殖期は熱帯雨林の奇跡ともいうべき、恒例の祭典となりました。
1966年から始まったその祭典はわずかな異変もなく続けられました。
1987年、事実上かれらの祭典の最後となった年も何千匹というオレンジヒキガエルがその場に居合わせました。去年、一昨年と見てきた光景と全く変わらない盛大なものでした。
しかし、1988年、その祭りに参加したカエルはわずかに11匹、翌年、1989年に至っては1匹のみの参加しか確認されませんでした。
フォートの仮説、「大気圏藻海」にかれらは吸い上げられ、祭典は続けられているのでしょうか?しかし、現実はそんな陳腐な表現で片づけられそうにもありません。
酸性雨や土壌汚染、人類の発展により、両生類には大変生きづらい世の中になっています。
オレンジヒキガエルが激減したことに多くの説がよせられました。先に挙げた酸性雨をはじめ、オゾン層破壊による紫外線量の増加、エルニーニョ現象、寄生虫、、、
しかし、その原因を特定することは出来ませんでしたし、原因を突き止めたところでそれはもはやオレンジヒキガエルにとっては何の役にも立たなかったことでしょう。
1990年、祭典に参加したオレンジヒキガエルは一匹もいなかったのですから。
<参考文献>
● フェノメナ 【現象博物館】
● 失われた動物たち
<この記事のURL>
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-732.html
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誇張されていないのであれば、なにか別の案を考えないといけませんが、ほとんどは説明がつくものではないかと思います。(自然発生説を信じていた、動物の吐き戻し、イタズラ) もし雨のように本当に降ってくる動画が撮影されたら考えてみます。見てみたいですよね。
お祭り蛙達はどこに行ってしまったんでしょう…。我々人間が原因ならば、申し訳ない気持ちでいっぱいですね(´ω`;)
どこかで生き延びていてくれたら良いんですが、それも人間の身勝手な意見ですね(´`)
大気圏藻界……素敵な仮説です。夢が広がります(^^)
でも起こるのはまぎれもなく真実で、なんらかの原因があるはずです。
ゴッサマーが蜘蛛の糸であるとか解明されればたいした事無いでしょうけど
よく竜巻説ありますが、なんで魚すべて生きたまま?ってのも不思議ですよね
空の上に海や大陸でもあるんでしょうか?
両生類絶滅の危機なんでしょうか?
カエル好きなので、心配です。。。
てゆーか落ちてきたにしては範囲が狭すぎる気がするなー。
子供時代特有の残虐な悪戯の痕跡かもなあ。
突然消えたんでしょうね・・・
動物が絶滅するにしても一年で何千匹
もいる蛙が11匹に減るなんて・・・
もしかしたら人間が環境を壊したり
汚したりして起こした
環境問題は人類が思ってるよりも
重いものなのかもしれません・・・
個人的には竜巻はほとんど考えられないと思っているんですけどね、実際はどうか分かりません。見たことないような気象現象とかあるかもしれませんからね。
カエルは土の中で全滅しちゃったんじゃないですかね。
カエル好きですか、よく見るととてもかわいい顔をしているのに、一部の人を除いて嫌われていますよね。
ちなみに、生物というのは、滅んでいくのがデフォルトであって、多様性を異常に守ろうとするのは、本当は「自然破壊」です。
私もすぐ近くに居て実際 、ルーフに当たる衝撃音を聞いています。
上空は完全に開けている場所です。魚の状態はついさっきまで水中にいたかのようなみずみずしさでしたね。
外傷もありませんでしたが死んでいました。
この事象の記述をされていたので思わず書き込んじゃいました(汗)