■6メートルの超巨大海鳥 ~ ペラゴルニシッド■
■pelagornithid■
~ 翼竜は空を飛べない? ~
「大型の翼竜は空を飛べなかったのではないか?」
以前よりこの説を唱える科学者は後を絶ちません。
まず第一に、これは体長というより「体重」が引っかかっているからです。
翼竜は鳥類ではなく、空を飛べる爬虫類ですが、現在空を飛べる爬虫類は存在しませんから (滑空する爬虫類は除く)、現世種の鳥類で比較していきましょう。
現在考えられている「自分の筋力のみで」空を舞える生物の限界は体重が15~20キロぐらいと考えられており、実際、そこまで重い現世種の鳥は存在しません。
第二に、翼の強度も指摘されています。体が大きくなると体重は体長の3乗に比例するため、その重い体重を支える翼の面積は相対的に大きくなる傾向があります。
翼竜の翼は羽毛ではなくコウモリと同様に皮膜ですが、コウモリは4本の指で皮膜を支えているのに対し、翼竜は異常に伸びた薬指一本で支えています。
そのため、大型の翼竜が翼を広げたときに突風が吹くと翼が折れたことだろう、などというバカげた説まで唱えられています。
おそらく思っている以上に強度、柔軟性があったため問題なかったと思われます。
さらに今回、日本の教授が大型翼竜は離陸も出来ず、もし舞い上がったとしても持続は出来ず墜落してしまっただろう、という研究結果を発表しました。
悲しき大型翼竜、大きな体をもてあまし、地上の捕食者から逃げ回るそんな惨めな生き物だったのでしょうか?
~ ケツァルコアトルス ~
(翼開長10m以上、ケツァルコアトルス)
ケツァルコアトルスは現在知られている翼竜の中でもずば抜けて巨大な体躯 (たいく) を誇り、翼開長は10メートルから最大で18メートルと考えている科学者もいるほどです。
18メートルというのはどうかと思いますが、それが本当だとすると教室2つ分ぐらいの長さがあるのですから、いくら中空の骨で体重を軽くする努力をしても最低でも40キロ、妥当なところでおそらく50~70キロぐらい、中には100キロ超 (250キロ) と考える専門家もいます。
いずれにしても現在考えられている「空を飛べる生物の限界」を遙か遙か突破しています。
本当に飛べなかったのでしょうか?飛べないとしたら、飛べないなりの一工夫があるはずです。
現在、翼竜 (空を飛ぶ爬虫類) は恐竜と一緒にすべて全滅してしまったので、現世種の鳥類と照らし合わせながらケツァルコアトルスを見ていきましょう。
~ 飛んだはず!!! ~
鳥類で飛べないものはたくさんいます。ダチョウやエミュー、ヒクイドリなど現世種の巨大なものから、ジャイアント・モアやエピオルニスなど絶滅種を含め、皆さんもご存じでしょう。
小型のものではペンギンを代表とする泳ぐ方への進化、また肉食哺乳類がいなかったことによりニュージーランドではキウイやタカヘなど小型のまますばしこくなり、飛べない鳥へと進化したものもいます。
(見かけによらず、俊足タカヘ)
空を飛ぶ鳥がそのままの姿で飛べなくなったとするとずいぶんひ弱になってしまいます。スズメやツバメなどがもしあの姿のままで飛べなくなってしまったとしたら、いくら小柄な体を利用してすばしこく狭いところを逃げ回ったとしてもやはり絶滅していまいそうです。
そういうわけで、飛べない鳥は体重を増やて大型化したりすばしこくなったり、ペンギンのように泳ぎに特化したりと一工夫しています。
ケツァルコアトルスはどうでしょう?
まずはプロポーション。空を確実に飛んだであろう小柄な翼竜とケツァルコアトルスの体型を比べると、ケツァルコアトルスは相対的に頭でっかち&翼が大きくなっています。
しかし、全体としてプロポーションに大きな差違はなく、飛べるスズメと飛べないダチョウを比べたときのような極端なプロポーションの違いは見られません。
そしてもう一つ、前述の通り、ケツァルコアトルスなど大型の翼竜は小型のものと比べ、相対的に翼の面積が大きくなります。逆にいうと、体や後肢などが相対的に小さくなる傾向があります。
つまり、体や後肢が体長に比して小さくなるということは地上での動きを制限されることになり、どんどん地上生活に向かない体つきに進化していったように感じます。
しかし、あれだけの巨大な体躯を誇り、さらに超頭でっかちになる巨大翼竜ですから、恐竜といえどなかなか手を出しづらく、地上でもそこそこやっていけたのでは?と推測することも出来ます。
確かに、翼竜は頭はでっかく首が長いものが多く、襲いかかる捕食者に対して強烈な一突きをお見舞いできたのでは?とも考えてしまいます。
(小型飛行機ぐらいあった巨大コンドル、アルゲンタビス)
しかし、翼竜の首の骨 (頸椎) はわずかに7個(~9個)程度しかなく、著しく柔軟性に欠けていたことが分かっています。
首長竜のように柔軟に首を動かすことは出来ず、頭部は上げたり下げたりの前後運動は問題ないにして、左右への動きはかなりぎこちなかった可能性があります。
いつも捕食者が正々堂々と真正面からのみ攻撃を仕掛けてきてくれれば問題ないですが、そんな頭の悪すぎる捕食者ばかりが存在したはずはありません。
捕食者が後ろに回り込んだ場合、首が回りませんから、体ごと振り向くしかありません。しかし、前述の通り、相対的に後肢が小型化していったことから機敏に振り向いたりするのは困難と思われます。
こういったことは巨大翼竜が地上生活に著しく向いていなかったことをと示唆する証拠ではないかと思います。
そしてケツァルコアトルスの骨は鳥類と同様、中空構造を成しています。ダチョウなど飛べない鳥は中空構造を捨てて頑丈な骨へとモデルチェンジしています。
地上性の場合、中空構造はむしろ欠点となってしまいますから、この中空構造を保持していたことも、空を舞うことを捨てていなかった証拠のひとつといえます。
まとめてみましょう。小柄な翼竜のままのプロポーション、柔軟性のない首、相対的に短い足、中空構造の骨格の保持、これらはケツァルコアトルスをはじめ巨大な翼竜が地上性に向いていない、つまり空を飛んでいた証拠といえるのではないでしょうか?
ケツァルコアトルスは飛べなかった、と結論づけるのではなく、「ケツァルコアトルスはどうしてあの巨体で飛ぶことが出来たのか?」今後の研究に期待しましょう。
というわけで、当ブログではケツァルコアトルスは問題なく飛んでいたことにします。(笑)
~ 超巨大海鳥ペラゴルニシッド ~
さて、いつも通り前置きが長くなってしまいました。すでにほとんどの人が脱落して、ここまで辿り着いていないのではと推測しますが、気にせず書き続けます。
今回は翼竜のような爬虫類ではなく鳥類、ペラゴルニシッド (ペラゴルニシド) が主役です。
ペラゴルニシッドはなにも翼竜が空を舞う白亜紀ほど遡 (さかのぼ) ることもなく、1000万年前~300万年前の全世界の空を舞っていた巨大な海鳥です。
このほど、ほぼ完璧なペラゴルニシッドの頭骨が発見されたとのことです。
復元図を一見したところ、そのシルエットこそ現世のペリカン目のカツオドリやグンカンドリなどと大差ありませんが、その頭部だけで42センチ、体長2メートル、翼開長は6メートルと、とてつもない大きさをしていました。
また、その長いクチバシには鋭い歯が生えているという顕著な特徴もあります。
歯の大きさは均等ではなく、大中小の歯が一定間隔で並んでおり、上のクチバシよりも下のクチバシの方が平均して大きいようです。
さて、ペラゴルニシッドの体重はどれぐらいでしょう?
体型が近いカツオドリを使うと、大きなカツオドリの体長は約70センチ、翼開長2メートルぐらいということなのでペラゴルニシッドの1/3ぐらいということになります。
カツオドリの体重は2~3キロということなので、単純計算すると、その体長の3倍に当たるペラゴルニシッドの体重はカツオドリの3の3乗倍、つまり27倍になりますから、とてつもない重さになります。
おそらくさらなる軽量化などをはかり、そこまで重くはなかったものと推測されますが、それでもその重い体重でペラゴルニシッドも確実に、問題なく空を飛んでいたことでしょう。
<参照サイト>
● Technobahn
● Yahoo!ニュース
<この記事のURL>
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-721.html
↓気に入って頂いた方はクリックして頂けると嬉しいです
人気 blog ランキング でオカルト・ホラーサイトを探す
>> FC2 ブログランキング (オカルト・ホラー)
>> 面白サイトランキング
■ 巨大生物リスト
■ 誤認・絶滅動物リスト
■ 超巨大コンドル ~ アルゲンタビス
■ 超巨大翼竜 ~ ハツェゴプテリクス
■ 12メートルの超巨大翼竜 ケツァルコアトルス
■ 史上もっとも背の高い鳥 ジャイアント・モア
■ 史上もっとも重い鳥 エピオルニス
■ モアを狩った巨鳥、ハーストイーグル
■ 巨鳥サンダーバードの正体はアルゲンタビスか?
■ 極楽鳥がUMAだった頃 ~ 羽と肉のない鳥
■ ヒクイドリ
■ まるで現世の始祖鳥 ~ ツメバケイ
■ 人も殺せる毒を持つ ~ 毒鳥ピトフーイ
■ 超足の長い鳩 ~ ポウター
■ フジツボから鳥が生まれる? ~ フジツボガン
■ 悲劇のドードー
■ 絶滅寸前 ~ 生きている静止画像ハシビロコウ
■ 巨大蛇ティタノボアに対抗できるワニ発見か?
■ 空を舞うヘビ ~ フライング・スネーク
■ ニュージーランドライオン!?撮影される
■ UMA サンダーバード
■ UMA ピアサ・バード
UMA一覧へ
トップページへ
多分羽ばたいてはいなかったと思います。鳥に近い始祖鳥でさえ滑空していたんですから・・・・
爬虫類なら尚更(笑)
まぁ空は飛んでたんでしょうけど
「事実をまず受け止めてから原因を探ってみて」という台詞がぴったりですね(笑)
飛べない翼竜が生き残れるほど生易しい環境じゃなかったでしょうに。
鉄の塊が飛べるんだから翼竜が飛べないわけが無い?
自分も飛んでいたと信じています!
あの大きさで飛んでいるからこそ
かっこいい
翼竜には空の支配者でいてほしいです><
そうですよね。飛べてたんだ...
これからは胸を張っていえますww
私は、科学者の考えでは現在が生き物の一番進化した状態?という間違った考えがあるのではないかとおも思えます
翼竜は爬虫類なので現代の鳥類より劣ると。人間は地球上でもっとも進化した生物と誤解するのと同じです。生物の進化の優劣を時代の新しさで語るのは馬鹿げています。生物は時代ごとその環境にとって最高の進化をとげていると思います
飛べなかったという場合、どうやって捕食者から身を守り、エサを見つけ、また、翼がどうして退化せずに大きくなり続け、骨も中空構造を維持し続けたのか、これらの合理的な説明も聞いてみたいですね。
自力で飛び上がることは
できなかったんだと私も考えていますが、
重力が今と違ったり、浮力でも働いていたとか、
風力も今とはぜんぜん違ったのでは?
と、環境がぜんぜん違ったと私も考えてしまいます。
そういうようにでも考えないと
「空に浮かんでいる」ことはきっとできないでしょうから。
いうなれば巨大な凧のような印象なので
空を悠々と旋回はしてたと思いますよ!!
ただ着地地点が常に垂直な崖ではないか?という推測がありますが、これだと捕食者からも身が守れますし、崖からの落下速度をうまく利用して舞い上がることもできるので、意外に気軽に離陸できたかも?とも思います。さらに、現在と異なる環境、強い上昇気流などが吹き荒れていたりすればさらに良しですね。さらなる前向きな(都合の良い?(笑))研究に期待です。
ケツァルコアトルスは首が柔軟じゃなかったのですか…。昔のギャオスみたいでかわいいですね。
飛べなかったという証拠は何処にもなかったわけですから、僕は雄大に空を飛んでいたと信じてます。
飛べなかったとしたら、例えば肉食生物を寄せ付けない(あるいはショック死させる)ような強烈な臭いを放っていたとか…。
NZに住んでいるので、
KIWIもTAKAHEも見たことがあります。
この写真は、PUKEKOではないでしょうか?
あれ?と思ったので、投稿しました。
これからもUMAの記事、楽しみに読み続けます!
こんなトンデモさんでも飛んでたと思うと夢もふくらみますね
あの首の長さで骨は7個、キリンとほぼ同じと考えて頂ければ良いかと思います。なので、おそらくあんまり柔軟性はなかったと思います。
ピトフーイ (ズグロモリモズ) のように毒持ってますよ~、襲わないで~ってのは無くはないと思いますよ。おもしろいアイデアですね^^
> 地球の重力が今より軽かったのでは?
その説は結構言われているんですけどどうですかね、僕は取り敢えず、それを考慮しないで飛ぶアイデアを考えたいですね。
動画から抜いたワンショットなのでセイケイ(pukeko)っぽくも見えるかもしれませんが、これでも、タカヘなんですよ~ かなりずんぐりして首も足も太く短いんです。同じ仲間なので動いてないとちょっと分かりにくいですよね。
これはケツァルコアトルスですね。これが飛んでいると思うと楽しいですよね。
いつも楽しみに見てます、管理人さんの人柄がにじみ出た暖かい文章が好きです
応援してますね
「飛べない翼竜はただのトカゲだ(笑)」
普通に生活していたなんて信じられないですね。。。
個人的にはいまでもいてほしい・・
なんか夢がありますよね。。
また拝見させて頂きます。
だから現在の重力を元に飛翔能力の可不可を考えるのは・・・
ちなみに、自分は「年代測定法」にも大いに疑問を持っています
重力や空気組成等現在とは大きく異なると思われるのにも関らず現在を元に考えられているからです
あ、ナムさんにケチ付けてる訳ではありませんよ^^;
これからも面白い記事、興味深い記事をお願いします
飛んでなくてもあの体高、目立って目立って仕方がないはずなのに発見されず、現代になって発見。その有り得なさがUMA的な楽しみ方です。
そういったことを全部考えだして、やっぱ無理、となってから環境を考えても遅くはないのでは?と思うんですね。とはいえ、現代の環境そのものでは飛べそうもないですから、なにかしらを受け入れないとケツァルコアトルスは四肢で歩くだけの翼竜になってしまいますね(笑)さてその必要最低限のエッセンスは何か?
地球の自転は年々少しずつ遅くなってるそうです
自転が遅くなる>遠心力が減る>重力が増える
ということではないですか?
1億年前には地球の自転周期は21時間だったとの研究もあります
そこの辺りに何やら美味しそうな臭いがしませんか?