■海賊!アオミノウミウシ■
■Blue sea slug (Glaucus atlanticus)■
~ 宇宙人ですか? ~
さて、これはなんでしょう?ちょっと前に エイリアンプラネット を紹介したばかりですから、調子こいて宇宙人を紹介しているのでしょうか?
仮面ライダーとか戦隊ものの敵のような姿・配色をしています。「これは、アオイモムシ怪人のフィギュアです」とか言っても信じてもらえそうです。
しかし、これは怪人のフィギュアではありませんし宇宙人でもありません、正真正銘、地球上に実在する生物です。
写真だと大きさがよく分からないと思いますが、とても怪人になれそうな大きさではなく、2~3センチ、大きくても5~6センチほどしかない小柄な生物です。
というか、タイトルに書いてあるとおり、これはアオミノウミウシ、つまりウミウシの仲間です。
~ アオミノウミウシ ~
アオミノウミウシは浮遊性のウミウシの仲間で、クリオネ (ハダカカメガイ) と同じようなものです。
クリオネは天使に例えられますが、アオミノウミウシは、両手両足のような鰭 (ひれ) を全部広げると、どことなくトカゲのようなシルエットをしており、海外ではウミウシならぬウミトカゲ (sea lizard) などとも呼ばれることがあるようです。
アオミノウミウシは鰭が複雑に分岐しており鳥の翼を彷彿させますし、色もゴージャスなため、アップで見るとちょっと怪物っぽく見えてしまいます。
アップで見ると確かにそうなのですが、クリオネ程度の大きさしかありませんし、実際はきれいでかわいいものです。
(遊泳シーン)
さて、このアオミノウミウシ、海の水面すれすれのあたりをふわふわ泳いでおりますが、これはかれらの大好物が海の表面上を漂っているからです。
その大好物とは人間もおそれる、あの猛毒クラゲ、カツオノエボシです。
~ カツオノエボシ ~
(台風の後などには大量に岸に打ち上げられることも)
カツオノエボシは有名なので皆さんご存じかと思いますが、このウミウシに関して大して書くこともありませんから、簡単に紹介します。
カツオノエボシは青い風船みたいな部分が烏帽子 (えぼし) に似ており、カツオの季節に日本沿岸にやってくることからこう呼ばれます。
英名は「ポーチュギーズ・マンノウォー (Portuguese Man o' War)」といい、「ポルトガルの軍艦」を意味します。
さてこのカツオノエボシ、以前に紹介した 殺人クラゲ キロネックス ほどではないにしろ毒性はかなり強く、触れたときに感電したような痛みを感じることから、デンキクラゲの異名を持ちます。
純粋にカツオノエボシの毒性によって死ぬことは希 (まれ) なようですが、刺された後、呼吸困難になり溺死したりするため大変危険です。平和そうにプカプカ浮いていますが侮れないクラゲです。
触手をただ広げ浮いているだけで、キロネックスのように積極的な狩りをするわけではありませんが、その強力な毒のおかげでほぼ無敵を誇ります。まさにマンノウォー、「軍艦」の強さを感じます。
が、ほぼ無敵ですが、ハブとマングースの例を挙げるまでもなく、どんな生物にも天敵がいます。
カツオノエボシもウミガメや一部のタコ (ムラサキダコ) などには歯が立たず食べられてしまいます。
で、その天敵のひとつがよりによって、このちびっ子ウミウシ、アオミノウミウシです。
~ VS カツオノエボシ ~
(アオミノウミウシのカツオノエボシ捕食動画
アオミノウミウシの登場は最後の方です
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
アオミノウミウシはカツオノエボシを見つけるや、一目散に、といってもかなり遅いですが、近づいていきます。触手をうまくかわしながら、といったような工夫はまったく見られず、猪突猛進です。
魚などがカツオノエボシの触手に触れると、触手から毒針 (刺胞) が一斉に発射されてお陀仏となってしまいますが、このアオミノウミウシは平気です。
カツオノエボシはそのまま食われ放題です。しかも、刺胞にやられるどころか、刺胞をせっせせっせと体 (主に背中) に蓄えて、自分の防御用にしてしまいます。
ちなみに、カツオノエボシの親戚、カツオノカンムリやギンカクラゲなんかも食べます。
(ある意味すごいバケツの動画 上方にカツオノエボシ、
丸いのはギンカクラゲ、アオミノウミウシ大量
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
自分の何倍もあり、かつ猛毒の「ポルトガルの軍艦」を食べてしまい、さらに「軍艦」の武器まで略奪してしまうとは、海賊さながら手腕です。
そうはいってもアオミノウミウシはか弱い生き物、他のウミウシ同様、派手な体色で「食べるな危険」をアピールしてもやっぱり平気で食べてしまう魚もいます。そもそも共食いもしますし。
種族繁栄はやはり数で勝負です。
アオミノウミウシは一度にまとめて卵を産むわけではないらしく、断続的にだらだらと卵をまき散らしているようで、1日の産卵数は3000~9000個、「海賊」になれるのは、その中のほんの一握りのようです。
<参照サイト>
● Dive Training
● Sea Slug of Hawaii
<この記事のURL>
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-680.html
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アオミノウミウシ、超キレイですねー
紐つけてネックレスにしてもいいくらい
芸術的な形してるじゃないですかー
クリオネは形が人間っぽくてキモイけど
アオミノウミウシは全然キレイ
実物見てみたいなー
でしょでしょ、キレイに見える人はとことんキレイに見えるはずです、深い青色、藍色って言った方が良いのかな、色が上品ですよね。
パーティなどには是非ブローチとして胸に付けていくことをおすすめします。
>クリオネは形が人間っぽくてキモイけど
キモかったんだ(笑)
手足みたいに自由に動くんですよね。体全体でしがみつく、といった感じですね。