■発見する前に絶滅 ネソフォンテス■
■Nesophontes■
~ 絶滅したホエジカの発見 ~
(密猟者の罠にかかっていたスマトラホエジカ)
インドネシアのスマトラ島で1930年頃絶滅したと考えられていた鹿が、78年ぶりに再発見されたとのニュースがありました。
この鹿がはじめて発見されたのは1914年、それからわずか16年たった1930年以降、人前に現れることはなく、おそらく絶滅したものと考えられていました。
この鹿の和名が分からないのですが、英名が "Sumatran muntjac (Muntiacus montanus)" ということなので、スマトラホエジカとか、国名でインドネシアホエジカあたりかと思います。ここではスマトラホエジカと呼ぶことにします。
このスマトラホエジカは、クリンチ・スブラット国立公園 (Kerinci-Seblat National Park) 内に密猟者が仕掛けた罠に引っかかっていたもので、この鹿を発見した反密猟団体 Fauna & Flora International (FFI) は同公園内で別の2匹の個体も目撃したということです。
密猟者はおそらく絶滅寸前のスマトラトラを狙って罠を仕掛けたものと思われ、この違法な罠が仕掛けられていなければ、おそらくスマトラホエジカを再発見することはなかったでしょう。皮肉なものです。
1900年代、発見からわずか16年で姿をくらましたスマトラホエジカですから、彼らについてほとんど何も分かっていません。
しかし、今回の再発見により、その謎の生態を解く手がかりをつかんだといえます。
絶滅種が発見されたというのは大変嬉しいニュースですが、国立公園内でも簡単に密猟が行えるうえ、違法伐採にも歯止めがかからず、この鹿の運命も風前の灯火でしょう。
~ ネソフォンテス ~
(2000年以降に発見されたElephant shrew (ゾウトガリネズミ)
その名前とは裏腹に、本物のトガリネズミの仲間には属しません)
今回のスマトラホエジカのように、絶滅したと思われた生物が再発見されることはしばしばあります。
キューバとイスパニョーラ島に棲息するモグラの仲間、珍獣ソレノドンもそういった生物です。
かれらの場合、政情不安定により調査自体があまり行われていなかったというのもありますが、いずれにしても数は少ないながら存在していることは確認されています。
(食虫目最大・珍獣ソレノドン)
一方、アンデスオオカミやマクファーレンズ・ベアなどのように、生きた姿を目撃されていないにもかかわらず、その存在が期待される野生動物たちがいます。
どちらも「謎の毛皮」が存在からです。しかし、その毛皮の持ち主がどういった生き物なのか、誰も見たことがありません。
毛皮ではありませんが、骨だけが見つかるケースがあります。化石のような極端に古いものではありません。つい最近まで生きていたことを証明する新鮮な骨です。
ソレノドンが棲息する西インド諸島には、ソレノドン、というよりトガリネズミによく似たネソフォンテスという食虫目 (モグラ目) の動物が、少なくともいくつかの島に棲息していたことが確認されています。
ネソフォンテスは、トガリネズミのように鼻先 (吻 - ふん) がとても長く、地中でミミズや昆虫などを捕まえていた小柄な動物です。
そのネソフォンテスの仲間のひとつ、ハイチに棲息したハイチネソフォンテスは、もっとも最近まで生存していたネソフォンテスのひとつです。
ハイチネソフォンテスは、洞窟の中でフクロウの糞に混じっていた骨からその存在が確認されました。
しかし、いくら探しても、生きたネソフォンテスに出会うことはありませんでした。骨が発見された当時、ネソフォンテスはすでに絶滅していたといわれています。
ハイチネソフォンテスの骨が発見されたのは、今回スマトラホエジカが姿をくらました1930年のことでした。
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僕ね、断然ニホンオオカミを見てみたいですよ、もちろんニホンカワウソだってまだまだ可能性があるんじゃないかって思ってます。
人間が入ってこれない隠れ里、野生動物の本当のユートピアが存在したらいいですよね。
「絶滅したと思われた生物が、再発見される」例は、多いですよ。
手前味噌で恐縮ですが、拙ブログで、そのような例を、いくつか取り上げております。
よろしければ、ここのブログと相互リンクさせていただいている『図鑑.netブログ』を御覧下さい。カテゴリ「新種発見、再発見ニュース」をクリックしますと、まとめて見られます。
鳥の例では、今年の五月に、「ダイトウウグイスが再発見された」ニュースがありました。
日本でも、こんな例が増えるといいですね。
確かに新種&絶滅種再発見のニュースはちょくちょくありますよね、僕はよくScience Daily で新種を見ているんですが、意外に多くてびっくりするものです。
ダイトウウグイスの再発見は知りませんでした~
松沢さんのブログはこちらです、きれいな写真と大量の動物が紹介されています。みなさんもどうぞ
http://blog.zukan.net/blog/