■バシリスク (キリストトカゲ)■
■Basilisk (Jesus Christ Lizard)■
(バシリスクの水上歩行動画
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~ バジリスク ~
(ソレノグリファ・ポリポディーダ 鶏の足を持つ蛇
「秘密の博物誌」より)
まずは幻獣バジリスク。
現リビア、キレナイカ地方には、古来より幻獣バジリスクが棲息しているといいます。
諸説がありますが、元来、その姿は蛇であり、その後、蛇とトカゲのハイブリッド、つまり足の生えた蛇のような姿に変化していったようです。
ただし、足の数は4本ではなく、6本であったり8本であったりします。
幻獣といえば巨大なものが多いですがバジリスクは非常に小柄という特徴があります。
しかし、体は小さくても決して侮れる怪物ではないようです。バジリスクは猛毒を有し、その吐く息がかかっただけでも、もしくは凝視されただけでも人間は死に至るといわれているからです。
このバジリスクという名前、ギリシア語で「小さな王」を意味します。これはバジリスクの頭部に王冠の形をした模様があることに由来するといいます。
~ バジリスクの原型 ~
神話に登場する幻獣はあくまで神話の中だけの生き物です。
バジリスクにしても、この吐く息や視線に含まれるという毒の話を聞くだけで、足が6本、8本という身体的な特徴を聞くまでもなく、実在する動物とは思えません。
ただし、この毒の表現が誇張されているものとしたら?あくまで個人的な見解ですが、このバジリスクはある生物が元になっているような気がします。
一般的に浸透しているバジリスクのイメージは、足の数が多いトカゲといった感じですが、もともと、バジリスクは蛇の姿をしていたといいます。
元になっているのは毒蛇と考えるのが妥当といえます。加えて、バシリスクの天敵にイタチが登場します。
ラーテル (ミツアナグマ) など毒蛇を瞬殺してしまうイタチの仲間が存在することからも、これらの特徴もまたバジリスクは毒蛇であることを連想させます。
頭部にある「王冠」の模様というのも、ある種のコブラのフードの模様を王冠に見立てたと考えられます。
吐く息や視線に毒があるのというのはどういうことでしょう?さすがにこれほどの生物は存在しません。
しかし、噛みついてくることなしに遠隔で、つまり距離を持ってしても攻撃できる生物と考えれば、それほど不思議ではないでしょう。
アフリカに棲息し、毒を持ち、しかも遠隔攻撃できる蛇、おそらくこれはドクハキコブラが元になっているのではないでしょうか?
(ドクハキコブラの動画
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ドクハキコブラは天敵の目に向けて毒を吐きかけることで有名です。最高で2メートルほどの射程距離があるといいます。
この毒は基本的に皮膚についても問題ないといいますが、目に入った場合、処置が遅れると失明する場合もあるといわれ、大変危険です。
襲われると、目から血を出すトカゲ、サバクツノトカゲなども候補に挙がりますが、生息地がアメリカであること、血に毒がないこと、もともとバジリスクは蛇だったことなどを考えると、ドクハキコブラのほうがバジリスクの原型に近いといえます。
(目から血を吹き飛ばすサバクツノトカゲの動画
ある意味グロ注意
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ちなみに「秘密の動物誌」に登場する ソレノグリファ・ポリポディーダ は、多かれ少なかれ、この幻獣バジリスクの影響を受けて考えられたものでしょう (この動物はフィクションです)。
~ イエス・キリスト・トカゲ ~
いろいろ見てきましたが、オリジナルはどうであれ、現在バジリスクの一般的なイメージはやはりトカゲの怪物です。
その名前の由来となった頭部の王冠模様は、いつしか王冠ではなくトサカへと変貌しました。つまり、鶏のトサカのようなものを持つ6本足(または8本足)のトカゲの怪物になっていきます。
そして、バジリスクという名は実在するトカゲの属名に与えられました。日本では基本的にトカゲの方はバジリスクではなくバシリスクと表記します。
本家バジリスクはアフリカですが、その名をもらったトカゲは中南米に棲息します。
オスは頭部に立派なトサカを有し、毒もなく足の数も違えど、幻獣バジリスクの名に恥じない姿をしています。
~ 水上を走る ~
(エリマキトカゲの二足歩行動画
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二足歩行するトカゲといえば、やはり日本ではオーストラリアに棲息するエリマキトカゲが圧倒的に有名です。
威嚇の時など、文字通り大きな襟巻きフリルを広げ、大きく口を開けて走る姿は彼らの本意とは裏腹にとてもかわいらしく見えます。
一方、バシリスクも二足歩行することが出来ます。走る姿のインパクトはエリマキトカゲには敵わないものの、かれらにもちょっとした特技があります。
このバシリスク属のトカゲたち、敵に襲われたりすると短い距離であれば水の上を走ることが出来ます。テレビなどで一度は目にしたことがあるでしょう。
バシリスク以外のトカゲも水上を走れるものがいるらしいですが、映像はまだ見たことがありません。
「水上を走り抜く」というその奇蹟の姿を、キリストの奇蹟と重ね合わせ、ジーザス・クライスト・リザード (Jesus Christ Lizard)、つまりイエス・キリスト・トカゲ (もしくは単にキリスト・トカゲ) とも呼ばれます。
<この記事のURL>
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本当は、毒をもつ蛇のような幻獣だったんですね。
その毒も、最初は単に吐くだけだったのが、後には、騎士が槍でバジリスクを刺したら、その柄を伝わって、騎士ばかりか乗っていた馬まで死んでしまったなどという伝承もあったりします。
またバシリスクは雄鶏が産んだ卵がヒキガエルに温められて孵ることによって誕生するともいわれ、ナムさんのおっしゃる翼のあるバシリスクはそこら辺りから出来たイメージらしいですね。
それにしてもキリストトカゲ・・・
テレビでバシリスクの水上走行の映像を見たことがあるのですが、イエス様がバシリスクのようにバタバタと足を動かして水の上を渡っている絵を想像して、笑ってしまいました(不敬至極)。
記事の最初の本(?)に載ってるバジリスク、なんかすごく不気味な感じがしますね。
あんなのがチョコチョコチョコチョコ歩いてたら、その・・・・なんというか(笑)
僕もね、いくつか本を持っていてバジリスクを読んでいるんですけど、やっぱり本によってバラバラですねー
ですが、基本的には虫類的なはずで、鳥(鶏)のトサカ、脚、翼などが付加されてきたのはバジリコックと混同されているからなのでは?と思うんですよね。バジリコックもバジリスクと同じ、という記述もあるし、ここら辺は派生した特徴なので判断は難しいですね。
幻獣はUMAとはまったく別物なので単独で紹介することはないのですが、おもしろいものは関連ネタで今後も紹介しようと思っています。
あの本ね、バジリスクじゃないんですけど、いわゆるバジリスクとそっくりなんですよね。蛇にトカゲの頭をくっつけ、鶏の脚が5対10本ついてます。
むかし、中身を知らずに写真だけ見たときはびっくりしたなー(笑)
一冊のヘンな雑誌だった。
二枚貝に脚が生えたような生き物とか、そういうありえない生き物?の写真がたくさん載っていた。
・・・・・あの雑誌。とっておけばよかったと思ってる。
でもメデューサだって広い意味では蛇の怪物ですしそれらと混ざって生まれた伝承だという可能性は無いでしょうか?