■巨大ナナフシ サカダチコノハナナフシ■
■jungle nymph (Heteropteryx dilatata)■
(サカダチコノハナナフシの標本
多摩動物公園の昆虫館にて)
~ 精霊ニンフ ~
ギリシア神話には自然の女神 (もしくは精霊)、ニンフ (nymph) が登場します。
ニンフは森や海、川、泉、湖、そして雨や雲、地下まで、あらゆる自然に棲んでいます。
ニンフは若く美しい女性の姿をしており、その棲んでいる場所によって名前や特徴が異なります。
不思議なことに、このニンフという言葉、昆虫の世界でも使われています。
セミやバッタのように不完全変態 (サナギのステージがない昆虫) する昆虫 (特に水棲昆虫) の幼虫のことを英語でニンフといいます。
ニンフというのは、不完全変態する昆虫の幼虫時代の総称ですが、成虫なのにニンフを名乗るものがいます。
英名ジャングル・ニンフ (jungle nymph)、 サカダチコノハナナフシ (サカダチコノハムシ) です。
~ ジャングル・ニンフ ~
(管理人の手は20センチぐらいなので、おおよそどれぐらいの
大きさか分かるかと思います)
神話のニンフの中には森に入った旅人を驚かせたりするイタズラ好きのニンフもいるようですが、ジャングル・ニンフことサカダチコノハナナフシも、出会った人はびっくりすること請け合いです。
サカダチコノハナナフシは、マレーシアに棲息する、地球上でもっとも巨大に成長する昆虫のひとつです。名前の通りナナフシの仲間に属します。
ただし、ナナフシと聞いて一般的に思い描く、棒きれのような細長い体型ではなく、幅も厚みもあり、巨大なバッタのような姿をしています。
(サカダチコノハナナフシの動画1
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
昆虫にあまり興味のない人がこの昆虫に出くわしたなら、おそらく巨大なバッタを目撃した、と勘違いするに違いありません。
日本でも20センチほどの巨大バッタの目撃が語られるときがありますが、そんなバッタは存在しません。もしかすると輸入されたサカダチコノハナナフシが逃げ出したものかもしれません。
サカダチコノハナナフシは、いわゆる性的二形を示し、体色や羽根の有無などオスとメスで大きく異なる特徴を有しますが、特に顕著なのはその大きさです。
サカダチコノハナナフシは、メスだけが格段に大きくなり、最大で18センチを超えます。オスはせいぜい10センチ程度でからだもほっそりとして、色も地味な茶色です。
同じナナフシの仲間、体長30センチを超えるオオアシナガエダナナフシに体長はかないませんが、見た目のボリューム感、そして体重はサカダチコノハナナフシのほうが圧倒的です。もっとも重い昆虫のひとつといわれています。
なお、メスには羽根がなく、空を飛ぶことが出来ませんが、オスは体が小さい代わりに羽根があり空を飛ぶことが出来ます。
サカダチコノハナナフシなんてへんてこな名前をしています。これは、メスが名前の通り逆立ちするのが特徴で、危険を感じると逆立ちし、後肢を叩きつけるように交差させて威嚇するからです。
~ メスだけの世界 ~
(サカダチコノハナナフシの動画2
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
ギリシア生まれの女神、ニンフたちは若く美しいのが特徴ですが、同じ名前を持つジャングル・ニンフはどうでしょう?
昆虫が苦手な人たちとって、これだけの大きさを誇るサカダチコノハナナフシは、まさにとんでもなく気持ち悪い生き物かもしれません。
しかし、昆虫の好き嫌いを抜きにすれば、ライトグリーンのきれいな体色に、立体的なデザインは、「美しい」と形容するに値する昆虫です。
また、呼吸や脱皮の問題により、成長できる大きさに限界がある昆虫にとって、サカダチコノハナナフシは究極的な姿といえます。
さて、このサカダチコノハナナフシ、精霊のニンフと異なり雌雄が存在しますが、場合によっては単為生殖、つまりオスなしで卵を産むことができます。
つまりこのジャングルに棲むニンフ、サカダチコノハナナフシは、ギリシア神話のニンフ同様、女性だけの世界を実現することも出来るのです。
<この記事のURL>
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このナナフシ君とは2度目の対面ですが、
やはり驚愕しますね~。迫力すら感じますよね。昆虫は苦手なほうなので、もし目の前に現れたら多分パニくると思います(笑)
でもほんと、昆虫界ではこのナナフシは完全体って感じですね。あと不思議に思うのが、カブトムシやクワガタなんかは違いますが、よくメスの方が体が大きかったりしますよね。あれはどうしてなんでしょうか??卵を体内に持つため?人間界とは逆ですね。
それでも昆虫としてはかなり大きな方ですね
それにしてもメスのボリュームはすごい。手乗りナナフシといった感じです。
動画のおじさんみたいに手の上這わせてみたいです。
しかしオスの体格がメスより貧弱というのは昆虫界の宿命なんですね・・・
バッタって足が長く横に張り出したりしているとかなり大きく見えるじゃないですか。羽を広げたりするとさらに大きく見えますよね。
このサカダチコノハナナフシも体長15センチ以上はあると思いますが、ぱっと見は25センチぐらいあるように見えませんか?
子供なんかの感覚だと「30センチぐらい!」と思っても不思議ではありません。なので、子供の頃見た昆虫って、実際の大きさよりも大きく感じる可能性はけっこうあると思うんですよ。
ぼくも子供の頃、自分の持っているオニヤンマが20センチ以上、クワガタムシも10数センチあると信じていたんですが、実際はその半分ぐらいですよね。
とはいえ、ゆうさんのように巨大バッタの目撃は絶えませんから、存在しないとは言い切れませんけどね。僕もむしろいて欲しいと思ってます(笑)
昆虫は雌が大きいのが多いですよね。理由はいろいろあるみたいですから、一概にいえないと思いますが、やっぱり質より量で卵をたくさん産む昆虫は、メスのほうが体が大きい方がお得ですよね。
上のコメントにも書きましたが、やっぱ昆虫は雌が大きいのが多いですね。昆虫じゃないですが、チョウチンアンコウのオスなんて悲惨すぎますけどね。
さすがに泣く、これに出くわした日には。
もしかして、メスのショウリョウバッタの誤認かもしれませんね。
ワタクシ、20cmくらいと思っていたのですが、改めて確認したら、メスで最大8cm程度なんですね。
そんなに小さかったの???と驚きました。
この巨大ナナフシは現地では食の対象になっているのでしょうか。
う~ん・・・。虫の大きさもさることながら
管理人さんの手もなかなか大きいです
ね(笑)
でも、ちっちゃくてモゾモゾしてる虫より
かはよっぽど大きい虫の方がマシな気
がします。
それにナナフシくらいなら許容範囲です。
これがもし毛虫とかだったら・・・。
せん。
↑のレスは右翼手です。
失礼しました。
それにしてもメスだけで卵を産んでしまうなんてすごいですね。オスがいる意味あるんですか?
日本はあまり昆虫を食べませんが東南アジアや台湾とか食虫文化の発達しているところではいろいろ食べられていますよね。
昆虫としては圧倒的に食いがいがありそうなサカダチさんですが、やはり先入観により僕も食べられませんねぇ
ジャイアント・アイソポッド、甲殻類ですから姿はやっぱエビ系なので味もエビ系ですかね?意外に美味しいかも。
jungle nymph eggs
で画像検索すればサカダチコノハナナフシの卵が見られますよ。ここのコメント欄、URLが長いと、ブログ記事が表示できなくなる仕様なので、貼り付けられないんです。なので、検索してみてください。他のナナフシと大差ないです。でっかいですけど。
でもなんか・・・・・ちっちゃいですね。