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UMAファン ~ 未確認動物
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謎のカエル ~ ベガスヒョウガエル

■謎のカエル ~ ベガスヒョウガエル■
■Vegas valley leopard frog (Rana fisheri)■


(ヒョウガエル)

~ 蛙の雨 ~


(魚が降ってきた様子の絵画)

昔から「雨のように天から生き物が降ってくる」話があります。

降ってくる生物はさまざまですが、特に魚、そしてカエルが多いようです。

こういった話は本当でしょうか?

「生き物が降ってくる話」は、まだ自然発生説(注1) が信じられていた中世以前の記録が多いことに注目です。

雨が降ると、それまで見あたらなかったカエルが突然道ばたに大量に出現するのを見て、カエルが土から湧き出てきた (土から生まれた) なんて本気で信じられていた時代です。

実際は水辺に隠れていたカエルが出てきただけに過ぎません。

そういった素朴な時代ですから、「蛙の雨」の話もそのまま鵜呑みには出来ないでしょう。カエルが大量発生しているのを土から湧き出たのではなく、空から降ってきたと解釈した可能性もあります。


(イカナゴ)

とはいえ、それでは魚が降ってくる説明はつきません。さらに、生物が降ってきた記録はあまりに多く、実際のところ、もっと近年になって報告された例も少なくありません。1918年、イギリスのヘンドンにイカナゴが降ってきたことは当時、新聞の記事にもなっています。

すべてがすべて勘違い、と決めつけるのは少々乱暴かもしれません。

(注1) 生物が無生物から親なしで発生するという説

~ 竜巻説 ~

一説には、竜巻などによって上空にさらわれた生き物が、別の場所に落ちてきたのではないか、などといった説明もなされています。

竜巻説は一見もっともらしいのですが、カエルにしろ魚にしろ、降ってくる生物のほとんどが単一の種類であることが気がかりです。

「カエルだけを巻き上げよう」などと竜巻に意志があるわけではなく、竜巻説であればいろいろな生物 (草木なども含む) がごっちゃになって降ってくるのが自然なはずです。

「生物が降る話」が本当の話であれば、真実は竜巻説ではないような気がします。

~ 鳥取砂丘にオタマジャクシ ~


(鳥取砂丘のオアシス)

中世の「蛙の雨」を連想させるニュースがありました。鳥取砂丘のど真ん中にある「オアシス」でオタマジャクシが発見されたというのです。

いつの頃からかオアシスに棲みついたカエルが繁殖し続けているならともかく、このオアシスは夏期には干しあがって消失してしまうそうです。

砂漠を横断中にオアシスに到着し、繁殖したのでしょうか?ふつうに考えて、砂漠の外からオアシスにたどり着くのは難しそうです。砂漠に特化したカエルでしょうか。



オタマジャクシを調べたところ、これはふつうのアマガエルの仲間だそうで、特に砂漠に特化したカエルというわけではないようです。

いったいどうやってたどり着き、繁殖しているのでしょう、不思議な話です。

さて、今回は砂漠地帯に棲息する謎のカエル、ベガスヒョウガエルを見ていきます。

~ ベガスヒョウガエル ~

1893年、ネバダ砂漠にラスベガスのカジノ都市が建設される前、砂漠に囲まれたベガスバレーの湧き水で新種のカエルが発見されました。

大きさは5センチをちょっと超すぐらい、体色はグリーンで全体に黒っぽい斑点があります。

発見されたのがベガスバレー (Vegas valley) であることとヒョウ (leopard) のような斑点を持つことから、英名をベガス・バレー・レオパード・フロッグ (Vegas valley leopard frog)、和名をベガスヒョウガエルといいます。

ベガスヒョウガエルは他地域に棲息するヒョウガエルの仲間と取り立てて姿や模様が異なるわけではありません。

しかしこのカエル、生態に謎があります。不思議なことに卵がいっこうに見つからないのです。カエルが棲息している湧き水や小川に卵を産まないために見つからないのでしょうか?

たとえば、カメにそっくりで有名なタートル・フロッグ (カメガエル) のように砂地に穴を掘って卵を産んでいたとしたら、なかなか見つかるものではありません。


(タートルフロッグ)

タートル・フロッグの赤ちゃんはオタマジャクシのステージを卵の中で過ごすので、卵から出るときはカエルになっています。ですから土の中に卵を産んでも平気です。

ベガスヒョウガエルはどうでしょう?

実は卵は見つかっていませんが、オタマジャクシは発見されています。ということはやはり土の中に卵を産むということはあり得ません。


(ヒョウガエルのオタマジャクシ)

卵胎生でオタマジャクシを直接産むのでしょうか?こうなったら、ベガスヒョウガエルに密着して生態を探るほかないでしょう。

しかし、その願いは叶いません。

このベガスヒョウガエル、ラスベガスの発展に伴い、棲息地域を木っ端みじんに破壊され、発見からわずか50年、地球上から姿を消してしまいました。

(参考文献)
●フェノメナ【幻象博物館】(J.ミッチェル、R.リカード)
●失われた動物たち(プロジェクトチーム)

<この記事のURL>
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コメント
この記事へのコメント
卵の謎が解明される前に絶滅なんて・・・
悲しいことですね。
2008/07/20(日) 11:38:17 | URL | ダメツナ #-[ 編集]
魚は何処から?
単一種で構成された小魚の大群(イワシなど)だったら、竜巻で巻き上げられたというのは有りかもしれませんね。
外洋だったら、魚以外の草木などあまり浮いていないでしょうし。
でも、竜巻に巻き込まれて生きていられるんでしょうかね。
目が回るくらいでは済まないような気がします。

鳥取砂丘のアマガエル、卵が発見されたということは、オスメスが必要ですね。
夫婦で砂丘を旅してたんでしょうか?
それとも、川か池に生みつけられた卵が水鳥の体に付着して、このオアシスまで運ばれたのかな?

一番自然なのは、「ラピュタからこぼれ落ちた」かなwww

余談ですが、今も昔も私はカエルが大嫌いです。
子供の頃、「空からカエルが!」の奇談を読んだときは、本気で怖かったデス。
2008/07/20(日) 18:14:52 | URL | かつお節 #-[ 編集]
信じようと信じまいと
空から奇妙なものが降ってくるというのは、昔から神秘現象の定番の一つでしたね。
お書きのように、多くの場合、単一の種類の生物が降ってくるとされているのですが、残念なことに、現在のように厳密な裏づけを取れるような情報がなく、本当に単一種だったのか、また、振ってくるところを目撃した人がいるのかそれとも地面に魚などが多量に散乱してるのを見て、降ってきたと判断したのか、確認が取れないのが残念です。
現在そのような現象が発生すれば、遺伝子調査などから、その生物の出身がどこかも特定できると思うのですが。

ところで鳥取砂丘のオタマジャクシですが、普通の種類だとすると、あるいは水鳥の足に卵などが付着して運ばれた可能性も有りますね。藻などと一緒に付いていれば、ある程度乾燥を防げるかもしれません。

砂漠の中の池というと思い出すのは、ブラジルのレンソイス・マラニャンセス国立公園です。純白の砂漠の中に、雨季の間だけたくさんの池が生まれるのですが、そこにたくさんの魚や亀、カエルが発生します。
それらの池は乾季になるとほとんどが消滅してしまうのですが、魚はその前に卵を産んで湖底の湿った砂に託し、カエルは水のある間に成体になり、砂中にもぐって乾季をやりすごすそうです。
残念ながらベガスヒョウガエルの場合は謎のままで終わってしまいましたが、生物というのは十分な時間さえあれば、かなりの環境に適応できるものだと感心してしまいます。
2008/07/21(月) 00:53:59 | URL | ジェレミー #nLnvUwLc[ 編集]
>ダメツナさん
経済優先の人類が招いた一例に過ぎませんがとても残念ですよね。

もっと国がらみで自然に興味を持たないと。
2008/07/21(月) 04:14:26 | URL | ナム #-[ 編集]
>かつお節さん
かつお節さん、カエル嫌いなんだー

僕はカエルみたいな顔しているのでカエル大好き、とまではいきませんが好きですよ。よく見ると結構かわいい顔しています。

鳥取砂丘のカエルについてはそのうち続報が入るんじゃないですかね。
2008/07/21(月) 04:16:21 | URL | ナム #-[ 編集]
>ジェレミーさん
アフリカの乾期に干しあがってしまう川に棲息しているアフリカメダカとかアメリカのブラウンシュリンプなんかは卵が雨期が来るまで耐えるじゃないですか、あんな感じの新種のカエルかと思ったんですよ。

そしたらふつうのアマガエル。不思議ですよねぇ。

もしかしてアマガエル (の卵) には知られざる乾期に対する耐性能力があったのかも?なんて思ってしまいます。

いずれにしても興味を惹く記事ですよね。
2008/07/21(月) 04:24:54 | URL | ナム #-[ 編集]
おひさしぶりで~す
覚えていますか?

開設3周年おめでとうございます!
これからも無理をしない程度にガンガン更新してくださいね。楽しみにしてま~す
2008/07/26(土) 23:29:43 | URL | かずき #-[ 編集]
>かずきさん
こんにちは、かずきさん

そうですねー、忙しいと土日に1日更新できればいい方、って感じで、かなり更新ペースが落ちています。

まぁ時間があればまた週2以上の更新にしたいと思ってます。これからもよろしくです。
2008/07/27(日) 13:59:49 | URL | ナム #-[ 編集]
ジョジョの奇妙な冒険でもウェザーリポートがカエルの雨を降らせてますね。
2014/08/24(日) 12:43:29 | URL | 勇者イロレス #OrLyzHSE[ 編集]
肺魚の仲間には乾季になると地中に潜り泥と自分の体の粘液で繭的な物を作って乾季をやり過ごす種類がいると言う。
2014/09/11(木) 02:42:27 | URL | ゼン #-[ 編集]
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