■巨大翼竜 ~ ケツァルコアトルス■
■Quetzalcoatlus northropi■
(ケツァルコアトルスのスライドショー
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
~ 羽毛の生えたサーペントの神 ~
ケツァルコアトルスは白亜紀の後期に棲息していた最後の翼竜のひとつで、翼竜にとどまらず、現在知られる史上もっとも大型の飛行生物です。UMAよりも神秘的です。
以前は翼の化石の一部のみしか発見されておらず、大きさ以外ほとんどなにも分かっていませんでしたが、ケツァルコアトルスの属するアズダルコ科の他の翼竜化石から現在のような復元に至っています。
翼開長7メートル以上あった鳥類最大のアルゲンタビスをも凌駕する翼竜ケツァルコアトルス、その大きさは小さく見積もっても翼開長10メートル以上、18メートルなどという復元も存在します。
さて、このケツァルコアトルス、英語表記で "Quetzalcoatlus" パスワード級に覚えにくい名前ですが、これはアステカに伝わる羽毛の生えたサーペント (ヘビ) の神、ケツァルコアトルにちなんで、というかそのまんまなんですが、命名されたものです。
さすがサーペントの神にあやかっただけあって (?) ケツァルコアトルスはヘビを彷彿とさせる非常に長い首を持っています。といっても、ケツァルコアトルスの首は長いものの、首の骨はたったの7個だか9個だかしかありません。首長竜、エラスモサウルスなどは70個以上の椎骨があり非常に柔軟に首を動かせた、というのとえらい違いです。
つまりひとつひとつが大きいわけで、一番大きいものだとひとつで60センチもあり、柔軟性には著しく欠けたようです。
実際、間接の具合からほとんど上下方向にしか可動しなかったのでは、ともいわれています。
~ 翼開長12メートル ~
上記の通り、18メートルなんて説もありますが、取り敢えず無難なところで10~12メートルと考えておきましょう。それでも、小型飛行機 (セスナ機) をもすっぽり包み込んでしまうほどの大きさです。
身近なところでは、標準的な学校の教室の端から端よりも長いといえば、その大きさも少しは実感できるでしょうか。
この翼竜の化石がもし発掘されていなければ、「翼開長10メートル以上の飛行生物が過去に存在したかもしれない」なる説を発表する人がいても一笑に付されるに違いありません。まさに人間の想像力を超えた生物です。
アルゲンタビスの記事でも書きましたが、空を飛ぶ生物が大きくなってくると問題になるのがその体重で、15キロを超えた辺りから自力飛行は困難になってくると考えられています。
実際、それを裏付けるように現世の鳥たちは12キロぐらいがマックスであり、それ以上の体重で空を飛べる生物は現在存在しません。
それではケツァルコアトルスの体重はどれぐらいあったのでしょう?
~ 重すぎる? ~
ケツァルコアトルスに限らず、翼竜は骨の内部の空洞、薄い骨膜など随所に軽量化が施されており、非常に軽かったと考えられています。
翼竜の中でもっとも有名なプテラノドンは翼開長が8メートルもありながら体重はたったの15キロほどしかなかったといわれているぐらいです。
この15キロという体重は、それぐらいじゃないと飛べるはずがない、という人間側の都合も加味されているため、確実なものではありませんが、見た目よりもずいぶん軽かったことは確かでしょう。
さてケツァルコアトルスですが、これほどの大きさでありながら50~60キロ程度しかなかった、といわれています。中には100キロはオーバーしていたのではないか、という説もあります。
教室の幅よりも大きな翼を持つ生物の体重が50~60キロぐらいしかない、というのは恐ろしく軽いのですが、仮により軽く見積もって50キロと考えても空を飛ぶ生物としてはずいぶん重たい体重です。
これで飛べるのでしょうか?
~ 空を舞えるのか? ~
からだの表面積に対して著しく体重が軽いですから、空に舞い上がってしまえばほとんど羽ばたくこと必要もなく、楽に浮いていられたのは間違いありません。ただし、飛び立つのが困難そうです。
翼竜の筋肉は同じ大きさの鳥と比較して筋肉量が半分ぐらいといわれています。つまり相対的に筋肉量が少ないということで、羽ばたくのは苦手ということになります。
というわけで、地面から飛び立つとしたら助走をつけたいところです。ケツァルコアトルスは地面を歩くときは翼をたたんで四肢をついた状態で歩いたと考えられています。
ケツァルコアトルスは首が長く、頭でっかちなので非常にアンバランスな (に見える) 体型をしています。その割には後肢が貧弱きわまりなく、あれで飛び立つことが出来るほどのスピードが出せたとは正直考えにくいところです。
そういうわけで、実際はどうか分かりませんが、ケツァルコアトルスが地面から助走をつけて飛び立つのはちょっと難しそうな気がします。
とはいえ、実際あんな立派な翼があったのですから問題なく飛んでいたはずです。
翼の表面積に対して体が軽いので、そこそこの向かい風に向かって翼を広げるだけで舞い上がれたとか、地面に降りず崖や木に着地し、そのままいつも飛び上がったとかいろいろいわれていますが、現時点ではまだ分からないようです。もう少し研究が進めばいろいろ分かってくるかもしれません。気長に待ちましょう。
まったくもって不思議な生物です。
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