■死んでも死なない!? フッカツソウ (復活草)■
■Rose of Jericho (Anastatica hierochuntica)■
~ 不死の細菌 ~
誇張されている節はあるものの、クマムシがずば抜けた生命力を秘めているのは確かです。
クマムシよりももっと体の構造が単純な細菌に目を向けてみると、クマムシなど足元にも及ばないとんでもないものがいます。
バチルス菌 (枯草菌 - こそうきん, Bacillus subtilis) という空気中にもふつうに漂っている特に珍しくもない細菌がありますが、このバチルス菌は不死ではないかとさえ思われます。
バチルス菌などと聞くとなじみ内存在に感じますが、大豆を発酵させて納豆を作る納豆菌もバチルス菌の仲間ときけば、少しは親近感が沸くのではないでしょうか。
クマムシは環境が生存に適さない状況になると、クリプトビオシス (クリプトバイオーシス) という頭部や手足を引っ込めた独特の姿になり、その悪環境を乗り越えようとします。
バチルス菌の場合、胞子 (芽胞 - がほう) になってそのときをやり過ごし、環境が整うと発芽して復活します。
そしてこの芽胞の生命力がとんでもなく、4000万年前に琥珀に閉じこめられたと考えられる昆虫 (ハチの一種) の体内から分離されたバチルス菌の芽胞が発芽した、などという信じられない実験結果があります。
これは一例で、他にも何千万年前と思われる芽胞が発芽したケースが報告されていますが、なにせそこら辺に漂っている細菌ですから、現代のバチルス菌が紛れ込んだに過ぎないのではないか?という批判もあり、議論の余地があるのは確かです。(アンドリュー・クロスの不思議なダニ (クロスのダニ) をご参照ください)
~ ジェリコのバラ ~
<フッカツソウの復活早回し動画>
(※ 下の画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
さて、植物の世界を見ていきましょう。植物の耐久能力はやはり種子にあると考えられ、オオガハス (大賀ハス) やツタンカーメンエンドウ (ツタンカーメンノエンドウマメ) が有名です。
オオガハスはともかく、ツタンカーメンエンドウはちょっと眉唾ですが、これらについてはのちのち紹介するとしましょう。
今回紹介するのはフッカツソウ (テマリカタヒバ) です。ジェリコのバラ (ジェリコの薔薇, エリコの薔薇, Rose of Jericho)、海外では "Resurrection flower (復活の花)" とも呼ばれます。
フッカツソウは中東や北アフリカの砂漠地帯に自生するシダの仲間です。
雨期には青々とした葉を広げていますが、乾期に突入すると枯れ葉と花は落ちてしまいます。カラカラに乾いた茎の部分はくるくると内側に巻き込み、ほとんど球形になります。
さらに根は縮んで切れてしまい、ボール状になったフッカツソウは風に吹かれて当てもなく転がっていくといいます。
~ 死から復活 ~
(日本でもふつうに通販で売っています ジェリコの薔薇01
ジェリコの薔薇02)
どこからどう見ても干からびた草にしか見えませんが、ここからがフッカツソウの腕の見せ所です。
枯れ枝が複雑に絡まったようなこのフッカツソウ、十分な水を与えると、瞬く間に「復活」し始めます。
枯れていくときの逆回しのビデオを見ているように、内側に丸まっていた茎が外に向かってまっすぐに伸び始め、青々とした葉を茎いっぱいにつけます。
まるで手品を見ているような見事な復活劇ですが、この間、わずかに1日~2日というのですから驚きです。
枯れている状態のフッカツソウはまんまるになって、いかにも転がるのに適していそうです。そのため、生存に適した環境を求め、風任せの行き当たりばったりの旅をするともいわれますが、これは本当かどうか分かりません。
というのも、フッカツソウの乾燥耐性はとてつもなく、あの枯れたような状態で50年、100年は耐えられるといわれているからです。
乾季雨季のある土地であれば、最低1年も待たずに雨期が訪れるのですから、危険な放浪の旅をせずともじっとその場で待つ方が安全なような気がします。
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