■ホムンクルス■
■Homunculus■
~ 500年前のクローン人間?ホムンクルス ~
~ コモドドラゴンの単為生殖 ~
少し前の話になりますが、コモドドラゴン (コモドオオトカゲ) が単為生殖 (たんいせいしょく) した、という話が話題になりました。
単為生殖とは、メスのみで子供を産むことで、つまりオスの力を必要としない生殖方法です。
確認されたのはイギリスのチェスター動物園 (Chester Zoo) で飼育されているメスのコモドドラゴン、フローラ (Flora) で、オスとは隔離されて飼育されており、赤ちゃんドラゴンの遺伝子からも単為生殖していることが確認されています。
(単為生殖で生まれたドラゴンの赤ちゃん
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
(ソース)
BBCニュース
~ パラケルススと錬金術 ~
16世紀半ば、単為生殖よりもずっと奇妙な方法で、「人間を精製」することができると主張した錬金術師パラケルスス (Paracelsus) がいます。その精製された人間を「ホムンクルス (Homunculus)」といいます。ホムンクルスという言葉は「小さな人」を意味します。
ホムンクルスを語る前に、まずはホムンクルスの生みの親であるパラケルススを見ていきましょう。
1493年、パラケルススは医者の子としてスイスに生まれました。親の意志を継ぎ、彼も医者になります。
医者として有能だったといいますが、本業そっちのけで魔術や占星術、錬金術に没頭し、ついには当時教授を務めていたバーゼル大学をクビになってしまいます。
教授職を失ってから、パラケルススはさらにオカルト方面にのめり込み、特に錬金術師として後世に名を残すことになります。
~ 錬金術 ~
錬金術とは文字通り、原意は鉄や亜鉛などの「卑金属」から「金」や「白金」などを精製することです。この「錬金術」、金の精製に限らず、「無 (無益なもの)」から「有 (有益なもの)」をつくり出そうとする技術、と言ったニュアンスがあります。
古代ギリシアのアリストテレスは「土」「水」「火」「空気」、それに加え「エーテル」の5つの元素の組み合わせで万物が出来ていると考えました。
つまり、こういった考えから、組み合わせ次第で、いかなるものも作り上げることが出来るはず、という考えに基づいているようです。
アリストテレスの考えは形を変えながらも、18~19世紀頃まで継承され、ラヴォアジェやドルトンが元素を発見するまで続くことになります。
鉄元素を金元素に変化させることは出来ませんから、もちろん錬金術は成功することはありません。錬金術師たちが挑戦していたことは、一種の核変換 (原子変換) の挑戦といえるかもしれません。
これだけきくと錬金術師たちはまったく無駄なことをしていたように感じるかもしれませんが、膨大な実験が繰り返されることにより、科学の発展に大いに貢献したといわれています。
~ ホムンクルスの精製 ~
さて、パラケルススですが、彼は金の精製よりも遙かに困難なものを作り上げたと自著で主張しています。それが人工的に作り上げられた人間、ホムンクルスです。
男性が妊娠するという意味ではなく、現在のクローンを彷彿させる実験室で誕生する生命ですが、それはまったくもって奇妙な方法です。
パラケルススの主張を要約するとこうです。
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精液を40日間蒸留させると、やがて精液は腐敗し、生命が宿る。この時点では透明で実体はないが、人間のような姿をした生命が現れる。
この透明な生命体を人間の血で養う。40週にわたり馬の体内と同じ温度に保つと、やがて小さな人間ができあがる。
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卵子ならともかく、残念ながら、精子を煮ようが焼こうが炒めようが、絶対に人間になることはありません。
そもそも、40日+40週、つまり320日もかかるわけで、人間の妊娠期間をも超えており、しかも生まれてくるのは小さな人間風の生き物、いったいホムンクルスになんのメリットが!?と感じる人も多いかもしれません。
ホムンクルスは、当時の男性至上主義の時代背景を色濃く反映した「産物」と言えます。パラケルススは、男性のみの力で人間は生まれる、ということを証明したかったのでしょう。
そのように考える人々にとって、母胎は「精子を生育するためだけの環境」と信じられており、精子を母胎と同じような環境に保存しておけば、人間が生まれてくるはず、とパラケルススたちは信じていたのです。
彼らがそう考えていたのは、パラケルススが行った実験内容でも分かります。
この考え (母体は精子を生育するためだけの環境) は紀元前より長い間、一部の人々 (科学者含む) には信じられてきた説で、パラケルススと同様の実験も数え切れないほどの人が挑戦したのではないでしょうか。
パラケルススが死してしばらく経っている18世紀以降になっても、ホムンクルス説は形を変え根強く残っていました。
スイスの生物学者、シャルル・ボネは、精子ではなく卵子ですが、卵子の中には「小さな人間」、つまりホムンクルスが入っており、それが成長するものと主張しました。
精子至上主義派、卵子至上主義派は顕微鏡が発明された以後も論争を続け、顕微鏡で精子を観察したところホムンクルスが入っていることを確認した、とまで主張する科学者も存在したほどです。
精子の中にも卵子の中にもホムンクルスなど入っていないことが分かったのは、20世紀以降というつい最近のことです。
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脳みそのワタクシ・・・。
男だけで子供ができるかー!
女だけならあってもおかしく無い気はするけど・・・。
雌雄同体?っていうんでしたっけ?
それと同じ原理?
ミミズとかは聞いたことあったけど
トカゲにもいるとは・・・びっくりです。
ふつう、そうですよね(笑) 錬金術と聞いて、パラケルススやフルカネルリを思いつく方がどうかと、、、
雌雄同体、って機能的には雄にも雌にもなれるけど、結局2つの個体 (雄と雌) が交配して赤ちゃんが生まれるじゃないですか、単為生殖の場合、雌一匹だけで、他の個体と接触 (交配) なしで生まれて来ちゃうから、ヘンないい方すると細胞分裂で増えていくアメーバみたいな雰囲気ですね。
ニュートンやロジャー・ベーコンも趣味が錬金術だったらしいですね。彼等は必殺実験野郎だったので「こんな理論があるのか。よし、やってみよう」な勢いだったのでしょう。
それにしても、日本では錬金術の資(史)料は微妙です。翻訳本は直訳で読みにくいのが多いし、作者or訳者が背景のイスラーム経由のギリシア哲学やその他諸々の要素をしっかり理解してるのか疑わしいのも多いです。
学術的価値はさておき、『ハガレン』は中々面白いですね。
ところで、某聖母様の受胎はまさか単性生殖……聖書を「誤訳」しただけか。どっかの宗教右派に暗殺されそうな予感。(笑)
昔は多かれ少なかれ錬金術に関わっていた人たちは多いですよね。この名称自体、現在ではオカルト用語といえますから、ちょっと不思議な感じがしますが、元素変換の研究をしていた、といった方が適切かもしれませんね。
>学術的価値はさておき、『ハガレン』は中々面白いですね。
実は、鋼の錬金術師、名前しか知らないのです、、、(笑)
ホムンクルスが出てきます
え?年がばれる??
「ホムンクルス」って言葉自体は「小人」とか「小さい人」とかいった意味だったかな~
UMA関連の記事や情報は、幼少時代から興味がありましたが、こういうものも含むんですね。
男性至上主義で、精子があればそれだけで生命ができると。現在から見れば実にトンデモな考えですが、私としては、頭ごなしにバカだと一蹴するのではなく、むしろ何故当時の人々がそういう理論を掲げていたのか、深く考えてみたいです。
人の腸の中に寄生して隣の節どうしで受精すると言う・・・
「ホームクルス」というものが出てくるのですが、「ホムンクルス」と関連があるのでしょうか?
ホムンクルスとして出ている。
そのホムンクルスはお父様を含めない7人で構成されている。
それ7人はお父様と呼ばれるホムンクルスの7つの大罪から作られたものなんです。