■Andrew Crosse acarus■

~ クロスの不思議なダニ ~
今回は世界一小さなUMA、「クロスの不思議なダニ」です。
「クロスの不思議なダニ」を見ていく前に、話を分かりやすくするため、原始の地球における生命の誕生をすんごく簡単に見ていきましょう。
~ 原始地球 ~

地球が出来て間もない頃、地球には生命の源となる有機物は存在していませんでした。生物の体を構成する有機物がないのでは生命は誕生できません。
当初、有機物は生物しかつくれない化合物と考えられていましたが、1955年、シカゴ大学のユーリーとミラーによる実験で、自然下でも無機物から有機物がつくられることが実証されました。
これと同じように、原始地球でも、雷や隕石、海底の熱水噴出などの莫大なエネルギーによって分子間の化学反応が促進され、複雑な分子、有機物がつくられたものと考えられています。
この生命の源ともいえる有機物から、地球最初の生命、単細胞生物が生まれます。ここまでで地球誕生から5億年ほどの年月を費やすことになります。
この単細胞生物だけの時代は、この後、延々と約25億年続きます。

(ストロマトライト)
~ 多細胞生物の誕生 ~
はじめて多細胞生物が現れるのは、地球が生まれて30億年目のことです。
多細胞生物が誕生したといっても、まだまだ原始的で単純な構造の生物ばかりです。今回の主役、ダニが含まれる節足動物が現れるのはまだまだ先の話です。
節足動物が現れるのは、アノマロカリスやオパビニアなどでおなじみの、いわゆる「カンブリア大爆発」と呼ばれる時代まで待たなければいけません。
カンブリア大爆発が起きたのは今から5億7千万年前、地球が誕生してから約40億年目、生命が誕生してから約35億年目、ここにいたってはじめて節足動物の先祖が誕生しました。
その後、あんななったりこんななったりして恐竜、そして人類が誕生しますが、今回の話とは関係ないので割愛させて頂きます。
~ アンドリュー・クロス ~

(端整な顔立ちのアンドリュー・クロス)
アンドリュー・クロス (Andrew Crosse) は、1784年、イングランドのサマセットに生まれました。幼少より好奇心が強く、幾多の科学実験をして少年時代を過ごします。
一方、かれは正式に科学を学んだ経験はなく、化学実験は彼の生業 (なりわい) ではありません、いわゆるアマチュア科学者でした。
マッド・サイエンティストとして描かれる傾向のあるクロスですが、それは後世、オカルト系の雑誌や本などで勝手につくられたイメージといえるでしょう。
~ クロスの実験 ~
彼の運命を変えた実験は、1836年、クロス52歳の時に行われました。
クロスはそのとき、燬焼 (きしょう) フリントと炭酸カリウムでつくったガラスを、塩酸で溶かした液体に電気を流し、人工ガラスの結晶を得ようとする実験をしていたといいます。
実験を開始して14日目、電気を通している石に白くとても小さな突起物を数個発見しました。
その白い突起物は日に日に成長しているようで、実験を開始して26日目、ついに完全な「虫」の形を形成し、その数日後、この「虫」たちは自由に動き回り始めました。
すなわちそれはダニ (コナダニ) だったというのです。クロスはガラスの結晶を得る実験は成功しませんでしたが、思いもかけず「ダニの創造」に成功しました。
~ ダニはどこから来たのか ~

(コナダニの一種)
ダニは節足動物であり、いうまでもなく、単細胞生物よりもずっと複雑な体の構造を持つ多細胞生物です。
最初に書いたとおり、単細胞生物から始まり、地球誕生から40億年という長い進化の旅をを経て、節足動物が誕生しました。
ユーリーらの実験で、原始大気から「生命の源となる有機物」をつくるのに成功したことはすでに書きましたが、「生命」を誕生させる実験は成功していません。
もし、実験で生命が誕生するとすれば、やはり単細胞生物の中でも原始的な細胞を持つ生命体 (原核生物) であり、節足動物が突如出現するということはあり得ません。
しかし、クロスの場合、有機物どころか、単細胞生物のステージもすっ飛ばし、一気に「節足動物の創造」に成功したことになります。
これは無茶な話ですが、自然発生説もまだ信じられていた時代で、かつダーウィンの「種の起源」が発表されるのはもう少し先ですから、クロスを責めるのは酷というものです。
ふつうに考えて、実験に使った器具に最初からダニの卵が付着していたか、もしくは実験途中でダニが紛れ込んだかのどちらかしかありません。
もちろんクロスもそう考えなかったわけではありません。ダニが紛れ込まないよう細心の注意を払い、再度の実験を試みました。
しかし、幸か不幸かまたもダニが創造されたことにより、この「事実」をレポートにまとめ「電気学会」に送付しました。

(クロスの実験が掲載された「ノードの電気学講義」の表紙)
~ ダニ発生装置 ~
この時代といえども、いぶかしく思われたであろうクロスのレポートですが、即座に却下されることはなく、建築家ウィリアム・ヘンリー・ウィークス (William Henry Weeks) によってクロスの実験を検証されることになりました。
当然、ダニが創造されるはずはないのですが、悲しいかな、
またもダニが発生しました。
また、当時は少ないながらもクロスの実験結果を支持する科学者もおり、その中には「ファラデーの法則」で著名な科学者、マイケル・ファラデーもいました。
ファラデーなら大丈夫でしょう。しかし、ファラデーもクロスの実験を行い、クロスの偉大なる発見を確認したといいます。
すなわち、またもダニが発生したということです。
クロスが偶発的に考案したこの「生命創造装置」、とにかくダニばっかり発生するため「ダニ発生装置」というべきかもしれません。
ダニを発生させるのに特化しているこの不思議な装置、今では誰も神秘的とは思わないでしょう。
しかし、ダニが紛れ込まないよういくら細心の注意を払っても、この実験を行うと必ず侵入する恐るべき「クロスのダニ」、装置よりもむしろこのダニが神秘的であるといえるでしょう。
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仏の顔も3度まで←これは違うな
ってか、ダニ発生装置なんか何の役にも立たない・・・というか、逆のほうが(ダニ駆除)
きっと喜ばれるであろうと言うのはいわないほうがいい・・・よね?
3度もダニに侵入されるクロスの実験って
どんだけ~
でも逆に3回ともダニが侵入するのもある意味すごいですよねー
生きてる頃は神の領域を汚したとかいわれ、死んでからはマッドサイエンティストとして扱われ、しかし、どう考えても実験装置にダニの卵が入っていただけです。
つーことで、オカルト色を一切排除して彼を紹介してみました。こういう運の悪い人もいるんです。
ブログサーフィンからきました。
ネットで楽に簡単にお小遣いを稼ぐ方法をうちのサイトで紹介しています。
もしすこしでも興味があれば一度サイトにきてください。
よろしくおねがいします(o ̄∀ ̄)ノ
ってことわ~
その実験器具がダニの成育に適した環境だってことなのでしょうか?
その時代に生きてたら信じてしまいそうですよ^^;
アクセスありがとうございます
今度遊びに行ってみま~す
詳しく書きませんでしたが、実はクロスは少なくとも3回以上は実験しています。
この時代の科学の常識から考えると、これほどまでに立て続けにダニが発生したら、やっぱ信用しちゃっても仕方ないですよね~
細心の注意をはらったわけですから、それなりにダニの発生や侵入させない手をしていたはずです。
やはり本当にダニが発生したんでしょうか?
誕生したのだとしても、侵入したのだとしても、人間を翻弄するダニ…すごいです。
今の時代、実験を再現してやってみたら、ダニが発生した、ってなったらかなり受けるんですけどね(笑)
>当初、有機物は生物しかつくれない化合物と考えられていましたが、1955年、シカゴ大学のユーリーとミラーによる実験で、無機物から人工的に有機物がつくられることが実証されました。
とありますが、最初に有機化合物を人工的に合成したのはヴェーラー(1828年)です。
「自然化でも」と修正しておきました~
つまり、当時の実験環境で微生物の混入を防ぐのは非常に困難で、クロスの場合も、細心の注意を払ってみたがやはり混入してしまったということでしょうか。
かなり注意したことは想像に難くないですが、クロスに続いて、ウィークス、ファラデー、ともに実験に失敗しているのを見てもそれが分かりますよね。
この時代、これらの実験結果から、ダニが自然発生すると考えても、それは決して愚かなことではないと思ってます。ただ、読んでてちょっと笑っちゃったのは本当ですけど。
まじめに信じちゃうでしょう
こんなにダニが発生すると・・・
偶然ではなく必然な気すらしてくるよ。
これは現代でも追試験して欲しいです。
もちろん、熱とか薬品、顕微鏡などを駆使して
外からの混入を一切排除してね。
常温核融合みたいに『今までは何かに気付かなかっただけ』
なんて結果が出るかも知れません。