■エゾミカサリュウ■
■Ezomikasasaurus rex■
~ 悲しきT.REX ~
~ ティラノサウルス ~
恐竜はちびっ子から大人まで普遍的な人気がありますが、その中でも別格的な存在といえば、やはりティラノサウルスをおいてないでしょう。
最大体長14メートル、獣脚類の中でも有数の体躯 (たいく) を誇り、見るからに肉食を感じさせる巨大な頭部、そしてアゴは、数多い恐竜の中でも圧倒的な迫力を感じさせます。
日本でもティラノサウルスの化石が見つかればな~、なんて思ってる恐竜ファンもたくさんいるのではないでしょうか。
そんなティラノサウルスの化石は北米でのみ発掘されていますが、ティラノサウルスと極めて近縁と思われるタルボサウルスの化石がモンゴルで見つかっています。
となれば、日本でもティラノサウルスの亜種ぐらい見つかっても良さそうなものです。
そして、すでに北海道でティラノサウルスの頭骨化石が発掘されていた、と聞いたら驚く人も多いのではないでしょうか。
~ 和製ティラノサウルス・レックス ~
その頭骨が発掘されたのは1976年、北海道の三笠市 (みかさし)で、小畠郁生博士によって巨大肉食獣脚類、ティラノサウルス (の仲間) と鑑定されました。
そして発掘場所からこの日本のティラノサウルスは、エゾミカサリュウ (蝦夷[えぞ]=北海道) と名付けられ、この化石は国の天然記念物に指定されました。
しかし、このエゾミカサリュウの知名度の低さは、どういうことでしょう?
国の天然記念物にして和製ティラノサウルス・レックスなのですから、日本では知らない人がいないほど有名であってもいいはずです。紛失した、あまりにちっちゃすぎた等、何か裏事情でもあるのでしょうか?
~ エゾミカサリュウの正体 ~
(エゾミカサリュウ、頭骨スケッチ
T.Rexにしては奥の歯が大きすぎる上、不自然な断面から頭部先端が欠落していることが伺われます)
発掘当時、まだ完全なクリーニングをしていない時点で鑑定されたエゾミカサリュウ、初期の鑑定に疑問も持ち上がっていたことから、発掘から10数年の時を経て (1989年?)、再度鑑定されることになりました。
すると、、、どうでしょう、エゾミカサリュウはティラノサウルスではないと鑑定結果が下りました。
それどころか恐竜ですらなく、恐竜と時を同じくして棲息したモササウルス、もしくはそれの近縁の化石という鑑定結果が出たといいます。当時、マスコミ等で「エゾミカサリュウはただのトカゲだった」等、揶揄 (やゆ) されたといいます。
(モササウルス)
モササウルスは現生のワニの四肢をヒレに置き換えたような姿をしている大型の海棲爬虫類で、有鱗目に属し、水棲ですからもちろん恐竜ではありません (恐竜は竜盤目と鳥盤目のみ)。
モササウルスは最大で10メートルを超す、超特大の海棲ワニといった風情で、非常に魅力的な生物であることに変わりはないのですが、ティラノサウルスが相手ではあまりに分が悪すぎます。とはいえ、古生物の中では人気の高い生物ですし、「ただのトカゲ」なんかでは決してありません。
しかし、三笠市は、エゾミカサリュウを日本版T.REXとして町興しをしていたといい、非常に困った事態になってしまったようです。
(頭部はワニのように長く、T.REXとは大幅に異なります)
そういった町の事情に配慮しているためでしょうか、それ以後エゾミカサリュウの正式な鑑定は行われていません。
現在、エゾミカサリュウの詳細については一切触れられることはなく、恐竜とも海棲爬虫類とも記述されることもなく、単に「肉食爬虫類の化石」で押し通されており、知らない人がその化石を見てもいったいどのような生物だったのかまったく見当がつきません。
エゾミカサリュウは、こういった苦しい状況で今日に至っている、悲しき生物の化石だったのです。
(追記)
2008年、ついに避けられてきたエゾミカサリュウの調査が行われました。その結果、大型海棲爬虫類モササウルスの仲間であるタニファサウルスの新種ということが判明し、タニファサウルス・ミカサエンシス という学名が与えられました。 (情報・パンダさん)
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モササウルスだって恐竜っていっちゃえば
ほとんどの人が納得するからいいじゃん(適当)
だって「サウルス」って付けば「恐竜」って思ってる人がほとんどだろうしねー
個人的にはティラノよりモサちゃんの方が好きかな(ティラノは悪者っぽいイメージだし)
三笠市には
「ミカサリュウまんじゅう」とか「ミカサリュウストラップ」とか売ってるのかなー
エゾミカサリュウ、出ましたね。
三笠市としては、このような事態は、確かに気まずいでしょう。
しかし、こういう場合は、開き直ったほうが、いい結果が出そうです。
正直に、「ごめんなさい、間違いでした」と謝って、「でも、モササウルスも格好いいでしょう?」と宣伝したほうが、好感が持たれるのではないでしょうか。
フタバスズキリュウのおかげで、福島県いわき市が、あれだけ有名になりました。「海生爬虫類で町おこし」は、行けます(^_^)
どなたか、三笠市関係者の方が、この案を採用してくれることを希望します。
って、ここに書くのは場違いですね。失礼しました。
姫さんの予想通り、エゾミカサリュウブランドのおみやげ物は当時、たくさんつくられていたらしく、予想以上の痛手だったのかもしれません。
ってか、そんな状況でも天然記念物のままってのもどうかと思ってますが、、、
ここはむしろ再鑑定でモササウルスなのか、それとも近縁かも調査して、さらに新種だったりすればそれこそフタバスズキリュウ並みのブランドが期待できることからも、そうする方が得策だと思います。ま、新種の可能性は著しく低いかもしれませんが、「海のティラノ」路線での宣伝は、現在の状況よりも改善されることが期待できます。
だいたい恐竜と呼ばれないだけで、モササウルス系は人気のある古生物ですし、ネッシーのおかげでプレシオサウルスが人気があるように、全然卑屈になることないのに。
と、僕が力説してもしょうもないですけど(笑)
エゾミカサリュウの正体がモササウルスだったということは、エゾミカサリュウは存在しないということになるんですね。このモササウルス、ワニの祖先なんですよね?なんで今は海ワニいないんでしょう?
Dinocrisis、昔やったなー、ゲーム音痴の僕でもクリアできたから、たぶん簡単なゲームっすよね。
モササウルスはワニの祖先ではないですねぇ。でも、現在、海棲のワニはいないですが、イリエワニなんて汽水域に入り込めるし、大きさ的にも現代のモササウルス、って感じがあると思いません?
タニファサウルスの新種ですかぁ、せめて新種だっただけでも良かったですよね。モササウルスの仲間でも十分かっこいいじゃないですかね。