■生きた化石 シーラカンス■
■Coelacanth■
(インドネシアのスラウェシ島沖で撮影された
シーラカンスの動画
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
~ シーラカンス発見史 ~
6500万年前に絶滅したと考えられていたシーラカンス、1938年に発見されてから、現在まで数百匹も捕獲されており、最近では生きている自然の姿も見ることが出来るようになりました。
今ではみなさん知っておりますし、特にこれといって付け加えることもありませんから、今回は発見当時の関係者の苦労を見ていこうかと思います。
~ ラティマーさん奮闘する ~
さて、このシーラカンスを発見したのは、現生シーラカンスの属名 (ラティメニア, Latimeria) にもなっている マージョリー・コートニー・ラティマー (Marjorie Courtenay-Latimer) さんです。
(シーラカンスの解剖風景 動画
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
現在の海洋調査の進展を見れば、いずれ見つかる運命にあったシーラカンスといえど、この女性の奮闘がなければ、シーラカンスの発見は大幅に遅れ、調査も進んでいなかったことは間違いありません。
ラティマーさんは、トロール船ネリーン号の船長に、珍しい魚が揚がったら連絡をくれるよう頼んでいましたが、約束通り、奇妙な魚が揚がったことを彼女に連絡してきました。
ラティマーさんは、さっそく漁港に向かいましたが、そこには誰もいませんでした。もうじきクリスマス (1938年12月22日) ということで町は浮かれ気分、連絡してくれた船長さんもどこか飲みにでも行っていたようです。
(シーラカンスのウロコ)
(シーラカンスの尾びれ)
連絡はくれたものの、船長さんにしてみれば、どうでも良かったんですね。そういうわけで目当ての魚がどんな魚なのか、どこにいるのか、さっぱり分かりません、ラティマーさんはひとりで魚をあさっていました。
しばらく探しても見つからなかったので、諦めかけて帰ろうとしたとき、運命の「青く光る魚」が目に入ったといいます。
ラティマーさんにとっては、ちょっと早めのクリスマスプレゼントといったところだったでしょう。
~ シーラカンス腐る ~
さて、珍しい魚が手に入ったものの、この魚がいったいなんなのか、皆目見当がつきません。博物館にある文献を片っ端から調べても、結局この魚の正体を突き止めることは出来ませんでした。
(立ち泳ぎをするシーラカンス)
ラティマーさんは焦りました。12月といっても南半球にある南アフリカですから、季節は夏真っ盛り、炎天下では生の魚なんてあっというまに腐ってしまいます。
体長が4フィート半 (≒135センチ)、体重が60キロもある「巨大な」魚です。博物館には、こんな大きな魚を保存できる冷蔵庫はなく、みるみる腐敗していきました。
そこで、頭部と皮だけを残し、内臓は全部棄てホルマリン漬けにし、専門家の鑑定を仰ごうと思いました。
そして、知人にして魚類学者 J.L.B.スミス (James Leonard Brierley Smith) さんに、この魚のスケッチを添えて手紙を送りました。スミスさんは現生の魚類はもちろんのこと、絶滅した魚類についても知識を持ち合わせた魚のスペシャリストです。
で、スミス氏にして「爆弾が頭の中で炸裂した」といわしめる、歴史的大発見を伝えるスケッチがこれです。
(ラティマーさん、渾身のスケッチ)
現物を見ずして、このスケッチのみでスミス氏は「シーラカンス」と断定しました。すごいです。このスケッチでですよ。ちなみに、スミスさんは、この手紙を受け取った1ヶ月後に現物を見て感激の言葉を残しています。
ラティマーさんは、絵は決してうまくないようですが、イラストレーターでもなければ画家でもないですから、これは致し方のないところでしょう。要は通じればいいわけですから。
ダンクレオステウスなどの甲冑魚を彷彿させるいかつい頭部、そしてハイギョ (特にオーストラリアハイギョ) を思わせる腕のようなヒレは、シーラカンスの特徴をうまく表現しているといえます。
~ 第2のシーラカンス ~
このあと、スミス博士はシーラカンスに取り憑かれ、2匹目のシーラカンスを100ポンドの懸賞金付きで大々的に探しました。
(懸賞金付きで捕獲を求むパンフレット)
しかし、思ったように事は運びませんでした。第2のシーラカンス捕獲の知らせは待てど暮らせどいっこうに入ってこないのです。
最初のシーラカンスは、たまたま南アフリカ近海に流されてきたのではないか、スミス氏はそう考え、海流を考慮し、そこから3000キロも離れたコモール諸島付近にシーラカンスが棲息していると確信しました。
そこで、コモール諸島で貿易商をしている友人のエリック・ハントさんに懸賞金付きパンフレットを渡し、再度捕獲の知らせを待つことにしたのです。
スミスさんの勘は当たっていました。シーラカンス捕獲の知らせが舞い込んだのです。それは初めのシーラカンスが捕獲されてから14年後の1952年、クリスマスイブのことだったといいます。(※注)
※ 注:捕獲自体は1952年12月20日
(参考文献) メトセラの軌跡 (ピーター・D・ウォード著)
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シーラカンスは水っぽくて
不味いそうです
不味いと狙われないので、不味くて良かったかも。
ちなみに、マンボウは2回食べましたが、水っぽくて個人的にはあんまり美味しくなかったデス、、、
シーラカンスの肉質はよく分かりませんので自信はありませんが。
ラティマーさんの画力の素晴らしさにウットリです(* ´Д`*)
ムーミンかなんかのファンタジーな物語に出てきそうなあの顔立ち・・・・。
スミスさんが言ったあの「爆弾が頭の中で炸裂した」
という言葉の意味が
「下手すぎてびっくり」なのか
「こ・・これはゴッホもびっくり」なのか
聞いてみたいものです。
(どっちでもない気もしないでもないけどね)
海洋学者か誰かが
食べて不味かったと言っていた
と書いてありましたw
多分、不味いんでしょうね
チムニー近くは硫化水素たっぷりで
それを吸収してないとも限りませんし
食べ物ではないですね
じゃー新鮮ならウマイ、、、可能性がある、と。肝とあえるとうまいのは確かなようですけどね。
ちなみにスミス氏は、ラティマーさんのスケッチをしばらく見た後「こ、これはっシーラカンス!」みたいな爆弾が炸裂したんですね。よくあの絵だけで断定したものだと、ほんとうに凄いです。
そういやドラえもんにネッシーとかも出てきますもんね。
狙って獲れるものじゃないと思いますが、美味しいと密漁とか、いろいろ問題出てきますからね。これで良かったんじゃないかと。
本当に生きているんだと思った。
これが図鑑でしか見ることのできない状態で、2000年以降に発見されたら、すごい衝撃だっただろうなー、って思ってます。もう生まれた頃にはとっくに発見されているので、そういう体験ができなくて残念。
油が多くて、食べた人はほとんど下痢状態
になった、と書かれていたように記憶して
います。
しかし、ラティマーさんの絵は。。。
下手うまってやつでしょうか(藁)
お腹壊すなんて話のレベルじゃないですよね。
先週夏休みをとってインドネシアはメナド(インドネシアでシーラカンスが見つかった場所)に行って来ました。
日本人専門家がシーラカンスの大切さを説き、「シーラカンスで村おこしを」とやっていたらしいのですが、見事なまでに街にも島にも何もなかったですね(美術館はネシアの祝日のため行っていませんが)。
島の宿の人に訊いたら「そんなの数年に一匹とれるかどうかだ、それよりマグロ釣りにいかないか」と誘われ。でもダイビングインストラクターの人の話では昨年、漁師さんがカンスを捕まえて普通に市場に持っていってしまったそうです。たまたま気がついた人が新聞社に連絡してニュースになったそうですが。
まあそれだけ「貴重だから市場に売らずに学術機関に連絡してね」という周知が徹底されていないのでしょうね。
綺麗な海で素朴な島でしたよ。
へ~ぶらっと海外に行かれるなんてすごいですね、うらやましいです。当方、お金も暇も、、、ブツブツ
シーラカンスの話は、つまりシーラカンスで一儲けしよう、などと考えていないことを意味しているんですかね、実際、狙って捕まえられるものではないかもしれませんが。
そういった素朴で無垢な環境もシーラカンスが生き残っていた要因の一つかもしれませんね、日本人も見習いたいものです。
関連する記事があるときは参照させて頂きますね。
水圧の急激な変化に破裂したんでしょうね。
よく深海魚を日の届くところで撮影できましたね。
シーラカンスが発見されるときは内臓が破裂してたりして原型を止めてることが珍しいんです。
よく撮影できましたね
スミスさんすごい