■レウコクロリディウム■
■Leucochloridium paradoxum■
~ カタツムリに寄生するスーパー寄生虫 ~
(まだ寄生されていないオカモノアラガイ)
この記事に出てくるレウコクロリディウムとカタツムリの織りなすコラボレーションは、想像を絶するほどグロいですので、ご注意ください。
寄生虫が大好きな人、もしくはグロいのが大好きな人だけ続きをお読みください。
(海外で実際に売られている
レウコクロリディウムのマグカップ $14.99
売れるはずねーだろっ!)
~ レウコクロリディウム ~
(グロ スーパー注意
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
レウコクロリディウム (Leucochloridium paradoxum) はウジのような姿をした寄生虫です。最終地点 (終宿主) は鳥となりますが、幼生期は中間宿主のオカモノアラガイ (Amber snail) という陸棲巻貝 (カタツムリ) に寄生しています。
このオカモノアラガイに寄生しているときがおそろしくグロいのですが、レウコクロリディウムの生活史を簡単に見ていくために、スタート地点である鳥のお腹から見ていきましょう。
鳥のお腹にいるレウコクロリディウムの成体は、鳥の体内で卵を産みます。卵は糞に混じって鳥の体外へと放たれます。
この卵入りの糞を、カタツムリに食べてもらわなければいけません。しかもどのカタツムリでもいいというわけではなく、先に挙げたオカモノアラガイでなければいけません。
鳥が糞をする場所はまったくのランダムですから、カタツムリが棲息していないような場所に排出されればそれにてジ・エンドです。
カタツムリが棲息する場所に排出されても、誰も気付かず干からびてしまえばやはりそれで終わりとなります。
運良くカタツムリに食べてもらったとしても、そのカタツムリがオカモノアラガイ以外であれば卵から孵化することが出来ません。
ただし、オカモノアラガイ以外の生物がレウコクロリディウムの卵入りの糞を食べた場合、卵はそのまま糞に混じって再度体外へ排出されるため、幾度かチャンスはあるようです。
(レウコクロリディウムの卵入りの糞を食べるオカモノアラガイ)
~ カタツムリ時代 ~
おびただしい数の卵を産むレウコクロリディウムですが、上記のように完全な運任せであるためオカモノアラガイに辿り着ける卵はほんの一握りでしょう。寄生虫に多い、質より量の生き残り戦略です。
とにかく、運良くオカモノアラガイに食べられた卵は、ここでやっと孵化することが出来ます。
孵化した子供たちは細いウジのような姿をしており、オカモノアラガイの体内ですくすくと育っていきます。
成長していくとだんだん体格が良くなり、太ったウジ状の姿になります。とはいえ、オカモノアラガイの体内ではここが限界、成体になることは決してありません。
成体になって子孫を残すためには、どうしても鳥の体内に入り込む必要があります。
数ミリしかないウジ状のレウコクロリディウムが、オカモノアラガイの体外に出て、鳥を探し回るなどというのは現実的ではありません。
一番手っ取り早いのが、レウコクロリディウム入りのオカモノアラガイごと鳥に食べられてしまうことです。
しかし、カタツムリだってそんなに簡単に食べられてなるものかと鳥の活動時間である日中は、草陰などに隠れており、そううまくはいきません。
レウコクロリディウムは困りました。
(レウコクロリディウムに寄生されたオカモノアラガイ
もう一つの動画
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
~ 本領発揮 ~
さて、ここからがレウコクロリディウムの腕の見せ所です。
レウコクロリディウムが困るのは、オカモノアラガイが日中、草陰などに隠れてしまって、なかなか鳥に食べられないことです。さらにいえば、オカモノアラガイ自体、鳥にはもともと魅力的な獲物ではありません。
しかし、鳥に興味があろうとなかろうと、オカモノアラガイが鳥と遭遇しなければ話になりません。まずは鳥の活動期間である昼間にオカモノアラガイを日向ぼっこさせる必要があります。
信じがたいことに、成長したレウコクロリディウムに寄生されたオカモノアラガイは、カンカン照りの真っ昼間に、のこのこと出て行きます。
乾燥に弱い巻き貝ですから、この時点でカタツムリの人生はすでに終わったようなものです。しかし、レウコクロリディウムは、なにもカタツムリを乾燥自殺させたいわけではありません。そんなことになれば、自分たちも巻き添えを食うだけです。
前述したように、カタツムリ (オカモノアラガイ) 自体、鳥にとってそれほど魅力的な獲物ではありません。見つけたとしても食べてくれる保証はありません。
そこで考えただしたのが擬態です。カタツムリの目のあるほうの柄 (触覚部分) の中に、レウコクロリディウムたちは大挙して押し寄せます。当然、柄の部分はレウコクロリディウムでいっぱいになり、パンパンに膨れあがります。
柄の中に入り込んだレウコクロリディウムたちはからだを激しく脈動させて、ネオンライトさながらに派手に明滅しているように見えます。
これこそ最高にグロく写るシーンなのですが、それは人間の価値基準。鳥にしてみればさっきまでの魅力のないカタツムリではありません。大好物の大きなイモムシに見えるのです。
見事に鳥についばまれるレウコクロリディウム入りオカモノアラガイ。
オカモノアラガイの人生はここにて終了し、レウコクロリディウムの新しい人生がスタートします。
(見事に鳥についばまれるレウコクロリディウム入りオカモノアラガイ)
鳥の体内に潜り込むことに成功したレウコクロリディウム、晴れて成体へと成長することが出来ます。
成長したレウコクロリディウムは、鳥の体内で無数の卵を産み、糞に混じって地上に放たれます。
奇跡の連続のような人生のスタートです。
見た目は気持ちが悪いかも知れませんが、進化の不思議を感じさせる生物の一つです。
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小さい頃見た覚えがあります。日本にもいますよね?
人間の体内にも入る事があって、下手したら死ぬとか テレビ番組でやってました。
これ、日本にいるんですか?
別に害はないと思いますが、これを小さいときに見たら、カタツムリすべてにトラウマとなってしまいそうです。
でも人間に寄生?うーん、そしたら思いっきり害がありますよね。脊椎動物にも寄生できるとしたら、恐ろしすぎです。
小学生低学年の時
素で引きましたよ。
ほとんど覚えてないんだけど、テレビ番組では、カタツムリを通して人体に入って脳に向かって登ってって 頭に激痛が走る。
あの時の異常な程の頭痛はこれが原因だったのか!と納得しました。
寄生虫が人間をコントロール!?みたいな見出しで 死亡例もある。そこら辺は曖昧ですがとにかくかなり危険なやつで
それ知ってからは、カタツムリ避けて生活してました。
今ざっと調べてみたんですけど
まず、日本にはいないとされていた所1991年、北海道で発見されたの事
自分の出身は正反対の暖い地方ですので、全国に出現する可能性はありそう
人体への寄生は まずないみたいです。ただ、間違って寄生される場合もあって、死亡例もあると。
記憶が正しければ、手洗いなんかで簡単に予防出来たはずです。
それにしたって充分おそろしい奴です。
漫画の「寄生獣」思い出す一品ですね
「俺はここだー、食べてクレー」って感じが
とてもワイルダー(意味不明)でステキです(!!)
衆鋪尉搜・ さん、ものすごい頭痛って、寄生されたんですか!?ご無事で何よりです(笑)
あの姿を見ると、カタツムリがカワイソすぎますが、レウコ君にしてみれば、これしか生きるすべがないですし、ま、仕方ないんですけど、想像を絶する光景ですよねー
もともと南米の寄生虫ですから、北海道で繁殖できるなら、日本全国どこでも行けそうですよね。
外来種はいろいろと問題になっていますが、レウコ君は特に簡便だなー
素で見たらトラウマ決定のすごい光景ですよね。衆鋪尉搜・ さんはカタツムリ、今では平気ですか?
レウコクロリディウムなんて、超マイナーな生き物じゃないですか、そもそも寄生虫だし。
それのマグカップ売っても、フツーの人、なんじゃこりゃ?ってしか思わないでしょう。それを商品化し、「うむ、売れる、儲かる」と考えた製造会社、アホじゃないかと(笑)
ただ、知っている人には是非ともプレゼントしたいですね。「こんなんあるのかよっ!」ってビックリすること請け合いです(笑)
多分乗っ取られました
あの頃カタツムリには色々と悪戯してたので、宿主になにするんだ、と 寄生されても仕方ないです。
今も少し怖いです
目玉グリングリンさせてる姿が、脳裏に焼き付いています。
衆鋪尉搜�さんて、なんて読むんですか?(笑) 教えてください。
>あの頃カタツムリには色々と悪戯してたので、
ちびっ子はいろいろやっちゃいますよね~ ぼくも子供の頃のことを考えると悲しくなります。
日本でも結構繁殖してきているのですかね?カタツムリ自体が少なくなってきているので、絶滅しちゃいそうです。
日本にレウコさんは いるにはいてもほんの少しなんでしょうね。
鳥のフン食べなくてもブロック壁ありますし。
この前知人にこのページのオンライト動画を見せたら、奇声をあげて目を背けましたよ。
おもしろそうですね~
あーたぶん、ぼくのPCで表示できないんでしょうね。おそらく文字化けなんですね、ぼくの見ている文字は。
しゅうほいそう・・・・・って読んでました(笑)
「しゅうほいそうさん」ってなんだっ!?って
レウコ君の動画、心臓の弱い人には見せない方がいいですヨ(笑)
「いつかあの目玉(触覚)が破裂するのでは・・・」
と思ってたのでかなりビクビクしながら見てました(笑
それにしても、あのネオンは反則ですよ(笑

たまたま訪問させていただきましたが
興味深いブログですね。。
カタツムリはかわいいと思ってましたが
コレを見ると・・・
興味深いブログなのでひそやかに覗いています。
元はアメーバモドキから始まった生命の進化の多様性を実感しました。
‘衆鋪尉搜(スーパーモルモット)’さんと同様、最南県に4年前から在住です。
最初にコイツを目撃したのは、2年前の梅雨時、わが家(5F)のベランダ…
しかも片眼ドッキュンドッキュンの奴、両眼ドッキュンドッキュンの奴、背中までドッキュンドッキュンの奴…
うじゃうじゃ…
あまりのショックにしばらく固まってましたが、
(ウジに生体寄生されたのか?)
と思い、楊枝でぱんぱんの眼を、そっと突いてみました…
「モロモロモロッ」
…さらに小さなウジみたいなのがモロモロモロッと融け出て、中間宿主の身体は崩れてお終い。
(→これは孵化した幼生だったんですね…)
もう、叫びだしたいキモチをこらえて、今度はシママース(沖縄の塩です)をオカモノアラガイくんにてんこ盛りに盛りました。
「ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ~ぅ」
…もう、あとはどうなったか知りません。
ベランダは愛犬のシマなので、殺虫剤を大量散布するわけにもいかず、寸胴鍋にぐらぐら湧かした大量の熱湯を、まんべんなくベランダに撒きました。
…
あれから2年。
ドキュンドキュンかたつむりの正体も知り、「国内の観察記録って少ないなぁ~」と思ってた矢先。
「ドキュンドキュンドキュンドキュン」
ぐわっ。
今年も発生か。
ちょっと落ち着いて、ピンセットでタッパに捕獲しました。
今年の夏は、ベランダ栽培のナーベーラー(ヘチマ)の腐葉がたくさん散って、オカモノアラガイが大量発生したことが遠因なんでしょう。
あと、わが家が最上階のため、けっこうチュンチュンがよく来ること。
さてっ、このドキュンドキュンかたつむり。
どこの研究機関に持ち込もう。
(目黒の寄生虫館は休館日だった。縁がないに違いない)
県の環境衛生研究所は、「同定できてるモノは扱いません」だって。(アホめ)
グロマニアに売ったら、いくらでさばけるかなぁ?
というか、目黒の寄生虫館に行ったってことは関東に住んでおられるんですか?関東にもレウコが繁殖しているんだー
レウコクロリディウムの写真や動画はあまり種類を見たことがないのですが、なちゅきさんは撮影済みですかな?テレビ局用にたくさん撮影してみたら?って刺激が強すぎてテレビでは放映できないかな(笑)
僕はグロいの実は弱いんですけど、写真があったら日本にいるレウコの写真も見てみたいですねー
イエイエ、那覇在住です。
寄生虫モノの質問は、目黒にTELするのがデフォでしょ。
で、昨日はめでたく繋がりました。
やっぱり国内での確認記録は、10年前の天売島が1件のみみたい。
鳥の腸内からは検出されるらしいのですが、
“今まさにドキュドキュしてるオカモノアラガイ”
ってのは、なかなか見つからないらしいんです。
学芸員サソ興奮気味で、
「すぐクール宅急便か何かでお送りいただけないでしょうかっ!?」
って。
「マニアに売ったら何罪かで引っかかりますか?」
と下衆根性丸出しで訊いたら、
「人には寄生しないので、特に…」
と、とても残念そうでした。
…と言いつつ。
台風一過のベランダ、ヘチマの腐葉がたくさん落ちてたし、雨でびしょびしょしていたので、懐中電灯を片手にちょっと探索してみました。
いるわいるわ。オカモノアラガイやヒダリマキマイマイ。
気をつけてないと、毎歩踏みそうです。
…いきなり居るし(笑)
眩しい光にたいていのレウコが眼を引っ込める中で、どっきゅんどっきゅんしてるコイツだけは、真っすぐ光に向かって来ましたよ(汗)
もちろん確保。
ひょっとして、珍しくも何ともナイのかな?
あの大量のオカモノアラガイの中にも、まだ“発症”してないだけですでに卵を摂り込んだ気の毒なやつはいるでしょう。
今後の学術研究のために…、生体標本はやっぱりメグロに寄贈しよっかな。
動画はmixiにうpしてありますよ。
同じハンドルnameです。
一円玉を横に置いたから、大きさも判るでしょう。
(何より、間違いなく国産レウコだ(笑))

いろんな寄生虫知ってますが、これは初めて知りました。
不思議な生物は好きです!ぎゃーとか、わ~!とか言いながら、ついつい見ちゃいますww
はは、確かにすごく気持ち悪いですけど、レウコクロリディウム自身はそこらへんのウジムシと大して姿は変わらないので、むしろ寄生されているカタツムリが気持ち悪くさせられている、って感じですね。
ぼくはグロ系が弱いので、なるべく動画を見ないで記事を書いたんですけど、さすがにもう慣れちゃいました(笑)
ところでブログはじめたんですね、URL貼っておきますね。
*+mana+*さんのブログ↓
http://damedamedarlin.blog100.fc2.com/
生物のすばらしさを感じました
自分はまったくグロイとも思いませんでしたけど
>これ、動画で観ると3年間は鬱になります。
見ちゃった・・・・(゚ロ゚)ンマ!
こいつは相当強烈ですね・・・・!!
気になってたやつの生態を知る事が出来ました。
>鳥になりたぁぁあい
なりたくないわい!
アフリカマイマイ等の巻貝を中間宿主とし人間の脳に寄生することもあり、最悪の場合死に至るというもので日本でも死亡例があるようです。
俺もだから
マジ恋からきた気の毒な仲間たちは
他にいるかな・・・?
俺もだ・・・。
モロの野郎・・・!orz
俺もだwモロめ。
でも実は黒鷺死体宅配便ってので存在は知ってた。
だがここまでキモい奴だったとは・・・
人間に取り付いて
「鳥になりた~い」
って
写メっちゃったww
自然化で見れるとはびっくりしますね。気持ち悪いですが、見てみたいですよ。
あれマジでキモ……うぉぶぉうぇぁぁ
神経?まで寄生されてんの?
生き残るためにいろんな生物いるんだなぁ
人間に寄生するのはロイコクロリディウムではありません。
広東住血線虫という別の寄生虫です。
ロイコクロリディウムは人間には寄生しません。
かたつむりは夜行性だけど、視覚によって昼夜を判断してるのなら、生物ってよくできてるなぁ
> かたつむりは夜行性だけど、視覚によって昼夜を判断してるのなら、生物ってよくできてるなぁ
その可能性高いですよね。
単純ですが、視覚を、というか明るさを遮断するというシンプルな方法ですが、その遮断する場所を突き止める当たりがすごいですよね。