■ツメバケイ■
■Hoatzin (Hoactzin)■
(羽毛恐竜や始祖鳥を彷彿とさせる頭部)
~ まるで始祖鳥 ~
ツメバケイは、現存する鳥でありながら始祖鳥 (アーケオプテリクス) や羽毛恐竜を彷彿とさせる、ユニークな姿をしています。
ツメバケイが生息するのはアマゾン川とオリノコ川流域です。小さな頭部に対し非常に大きな目をしており、また頭部のみ羽毛に覆われておらず皮膚が見えます。頭部だけ見るとシノサウロプテリクスなど、復元された羽毛恐竜のそれにそっくりです。
(シノサウロプテリクス)
また、長い尾羽を持っており、もちろん始祖鳥のように尾に骨は入っていませんが、全体的なイメージは始祖鳥に酷似しています。
始祖鳥は決して飛ぶのが得意ではなかったと考えられていますが、なんとツメバケイも飛ぶことを苦手としている鳥なのです。飛べないわけではありませんが、あまり長い距離を飛ぶことは出来ません。
~ なぜ飛ぶのが苦手なのか? ~
ツメバケイは大きな翼を持っており、一見するとふつうの鳥と見た目に大差はないのですが、よくみると体がずんぐりとしているのが分かります。実はこれには理由があります。ツメバケイは木の葉を主食としているからです。
話はちょっとそれて、竜脚類の話をします。スーパーサウルスやアルゼンチノサウルス、最近ではスイスでトゥリアサウルスの化石が見つかりましたが、それらの例をあげるまでもなく、竜脚類は恐竜の中でも特に巨大でした。
この "巨大さ" は、消化の悪い植物を主食としていたことに深く関係しています。植物には繊維質が多く、消化をするのが難しいため、大きな消化器官を必要とします。大きな消化器官を体に収めるためには、大きな体を必要とします。
さらに当時の植物は現在よりも栄養価が低かったため、大量に摂取する必要があり体がどんどん大きくなっていったといわれています。巨大化には他にも理由があったと思われますし、竜脚類は極端な例ですが、とにかく消化の悪い植物食は体を大きくする原因のひとつとなり得ます。
(スーパーサウルス)
このことは、もちろんツメバケイにも当てはまります。昆虫などを探し回る必要もないため、苦もなく食事にありつける代償に、ツメバケイも大きな消化器官を必要とします。
ツメバケイの場合、消化器官のひとつである「そ嚢 (そのう)」 が他の鳥よりも非常に大きく、本来、胸骨が占める部分にそ嚢が居座っているため、胸骨は自然と体に対し小さいものとなっています。
胸骨は飛翔するための筋肉がつく部分ですから、胸骨が小さいということは飛ぶことも自ずと不利となります。そんなわけでツメバケイは飛ぶのが苦手なのです。
始祖鳥も飛ぶのがあまり得意ではなかったと考えられているのは、この胸骨があまり発達していなかったからです。
(ツメバケイ)
~ ツメバケイ - 爪羽鶏 ~
見た目も興味深いツメバケイですが、一番興味深いのはなんといってもヒナの時期といえます。
ツメバケイは漢字で書くと「爪羽鶏」となります。これはヒナの時期にのみ、羽になる前肢に2つの爪を持っていることに由来します。
大人になるとなくなってしまうこの爪ですが、子供時代には大変役に立ちます。
捕食者が近づいてくると、ヨチヨチ歩きであるにも関わらず、ヒナは自力で巣から飛び出し、川へダイビングするのです。捕食者がいなくなると、川を巧みに泳ぎ爪を木に引っかけて巣に戻ってくるのです。そのため、ツメバケイは水辺にのみ巣を作ります。
川の中や、また巣に戻る (そもそもどれぐらい高い確率で自分の巣に戻って来ることが出来るのでしょう?) までも危険がいっぱいだと思うのですが、この方法で絶滅せずにやってきたことを考えると、無謀にも思えるこの方法は大成功だったようです。
(シノサウロプテリクス)
~ 始祖鳥との関係は? ~
見た目が似ているだけではなく、飛ぶのも不得意、ヒナの時代には恐竜時代の名残を感じさせる爪、となると、ツメバケイと始祖鳥はなにか深い関係があるのでは?と考えてしまいます。
始祖鳥そっくり、と思っていたので、ツメバケイと始祖鳥にただならぬ関係を抱いていたのですが、DNAを調べた結果、ツメバケイはカッコウに近縁なんだそうです。
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ハト科・クイナ科・エボシドリ科・カッコウ科などが近縁とする説があって、近年のDNA分析によるとネッタイチョウ科・フラミンゴ科・カイツブリ科に近い(wikiより)ってもうめちゃくちゃですね。
それと外敵がきたら木から落ちて泳いで逃げるってナマケモノもそうですよね。ピラニアやワニのいる川を泳ぐってすごいなぁ。
そうそう、水に落ちたときの方がよけい危なく見えるんですけど、それで食べられないということは、比較的そういう捕食者が少ない水辺を選んでいるのかな?とも思っています。
あと、たくさんある木から、よく間違えないで自分の巣のある木に戻ってくるなー、って感心しましたよ~
そこで考えました。発掘によれば古代の鳥の多くは脚にも風切り羽根がありました。前脚由来の羽と合わせて4本の羽をどのように動かして空を飛んだのか、想像がつきませんでした。
ツメバケイの飛び方を見て思いつきました。前脚由来の羽を羽ばたいて浮力を生じ、後足由来の羽を前後に動かして空気を蹴って推力を生じるような、いわば「分業方式」だったのではないでしょうか。
以上、思いつきでした。