■未来のダイオウイカ Part II レインボースクイド■
■Rainbow squid■
(繁殖期に色鮮やかに体色を変化させるレインボースクイド
『フューチャー・イズ・ワイルド』より)
~ もうひとつのダイオウイカ ~
未来の陸生ダイオウイカ「メガスクイド」に続いて、今回はもうひとつの未来のダイオウイカ、「レインボースクイド」のほうを見ていきたいと思います。ダイオウイカが進化したわけではないので、単に「未来の巨大イカ」、といったほうが正しいかもしれません。
レインボースクイドもメガスクイドと同様、「the FUTURE is WILD」で紹介されている人類滅亡後の地球上でシミュレートされた「進化したイカ」の姿です。
メガスクイドは陸に上がった巨大イカであり、その姿に現世のイカの面影はほとんど残っていませんが、レインボースクイドは、現世のイカの面影を多分に残しています。
しかし形は似ているものの、大きさは現世最大のダイオウイカを軽く凌ぎます。
(巨大で扁平な腕もレインボースクイドの特徴です)
~ 未来のクラーケン ~
レインボースクイドは外套長 (胴体の長さ) が20メートル、触腕を含む「腕の長さも体長と同じぐらい」と書かれていることから、腕を含めた全長はおよそ40メートル前後ということになります。
現世のイカの最大サイズはダイオウイカの18メートルというのがありますが、そのほとんどはダイオウイカの特徴である2本の触腕で稼いでいるもので、外套長の最大サイズは6メートル程です。
通常サイズのダイオウイカであれば外套長は2~2.5メートル前後ですから、レインボースクイドの外套長20メートルというのはおよそ8~10倍に当たります。
昔、北欧の船乗りたちが恐れた海の魔物「クラーケン」は巨大なイカやタコがその正体だったのではないか、と考えられていますが、レインボースクイドの大きさは間違いなくクラーケンとして通用するでしょう。「未来のダイオウイカ」であると共に、まさに「未来のクラーケン」ともいえるでしょう。
(「古代のダイオウイカ」として紹介した巨大直角貝)
~ 驚異的なカムフラージュ能力 ~
大きさもさることながら、レインボースクイドの最も顕著な特徴はカムフラージュの能力に長けていることです。
原生では、ミミック・オクトパスがもっとも優れたカムフラージュ能力を持っている頭足類のひとつといえるかもしれません。タコでありながらヒラメやウミヘビの姿に擬態する能力はまさに芸術的です。
レインボースクイドも頭足類のカムフラージュ能力を究極的に進化させました。しかしその方法はミミック・オクトパスのような体の形を変化させるものではなく、現世のイカと同様、体色の変化のみを追求しました。
陸上のダイオウイカ、メガスクイドの寿命は特に本には記載されていませんでしたが、8トンにもなる体格から考えて決して短いものではないことは想像に難くありません。頭足類の宿命、1~2年という短命を克服したのは間違いありませんが、こちらレインボースクイドに関しては寿命も推測されています。なんと100年です。
短命なこと自体、種の存続・繁栄を考えた場合、決して悪いことではありません。短期間で繁殖可能な個体に成長しますから、高い繁殖率を維持することが出来ますし、何らかのアクシデントで数が減ってしまったときでも、あっという間に数を元に戻すことも可能です。
ただし、短命であることは脳の発達を促す上で不利である、というのも確かです。「長命=高い知性」ということは必ずしも成り立つわけではありませんが、少なくとも、「長命=知性を発達させるチャンスが広がる」ということはいえると思います。
そしてそのチャンスをまんまとうまく利用して究極的進化を遂げたのがレインボースクイドというわけです。
(発達した脳により高度の体色変化を可能にしました
『フューチャー・イズ・ワイルド』より)
この格段に発達した脳により、これだけ大きな体をしているにもかかわらず、現世の頭足類でも真似の出来ない強力な体色変化能力を獲得しました。
魚の群れが泳いでいるように体色を変化させたり、捕食者から身を守るため水に同化したように見せたりすることも出来ます。
~ は? ~
さて、「未来のダイオウイカ」として紹介してきたレインボースクイドですが、実はその姿を見る限り、およそダイオウイカ (ツツイカ類) らしくない形をしています。外套全体にヒレ (エンペラ) があり、ダイオウイカやコロッサル・スキッドなどのツツイカ類というよりは、むしろコウイカ類にその姿は似ています。
ツツイカ類でもアオリイカのような外套全体にヒレが広がってついたものもいますが、やはりツツイカの仲間としては例外といえます。ではレインボースクイドはコウイカ類が進化したものでしょうか?
コウイカ類にもコブシメなど大きいものがいますが、成長と共に外套内の船型の甲も成長させる必要があるため、寿命の短い頭足類にとって、ツツイカ類ほど簡単に大きくなることは出来ません。とはいえ、レインボースクイドの寿命が100年ということを考えると、コウイカ類を祖先に持つとしても、十分大きくなれる可能性はありますが。
(コウイカ類の外見的な特徴はなんといっても外套全体を覆うヒレ『エンペラ』です)
しかし腕を含めた全体的なイメージですと、やはりレインボースクイドはツツイカ類を に持つような気がします。
レインボースクイドは平均的なダイオウイカの10倍程の外套長を有します。これほどの巨体で海を悠然と泳いで回るには、外套の先端部分にあるヒレ (イカのミミと呼ばれている部分) だけでは不十分だったのではないでしょうか?そのため、コウイカ類のように外套全体にヒレが広がっていったのかもしれません。
レインボースクイドが体色の変化一本に絞りカムフラージュ能力を究極的に進化させたことを考えると、この時代、体型の変化による擬態能力を究極的に変化させた頭足類 (おそらくタコ) もいるかもしれませんね。
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確か天敵は群れで行動するサメの子孫だったはず。
フューチャー・イズ・ワイルドはなぜかイカを押しまくりですよね。
紹介された以外にも木の上で群れで生活し知能も高いイカもいたりしてビックリしました。
ひとつ疑問に思ったんですが動物が陸上で生活するために骨はミネラルを蓄積・放出するために必要っていうのを聞いたことがあるのでで、どうやってメガスクイドなんかはミネラル補給しているのかなということです。
蓄積できないなら頻繁に摂取しないとならないしどういう設定なのか謎だ~
返信したと思っていましたが、返信していませんでしたー、すみません。
いやー、フューチャー・イズ・ワイルドはイカ、タコの頭足類を推しまくっていますが、このブログ自体が頭足類+貝の軟体系を推しまくっておりますのであのDVD(&本)は楽しいですー
木の上に住んでるイカは確かスクイボンですよね。昔の火星人みたいです。
で、巨大無脊椎動物のミネラル補給ですか。そんなことは微塵も考えませんでした。
昆虫みたいに食べて補給するしかないんじゃないですかね?(笑)
分かりません。