■ヘクトコチルス・オクトポディス (百疣虫)■
■Hectocotylus Octopodis■
~タコブネに潜むイボイボのUMA?~
(海中を漂う百疣虫[ひゃくいぼむし])
タコブネ を紹介したときに一緒に書いても良かったのですが長くなるので別にしました。
あの、平和の国からやってきた生物、タコブネですが、船の主であるメスのタコの体からイモムシというか、なんというかとにかく変な生物(寄生虫)が寄生していると考えられていました。
~ 迷走 ~
(ファンタジー系生物 タコブネ)
タコブネ自体、不思議な生き物ですが、メスの体の中にゴカイとかイソメみたいなミミズチックな変な生き物がよく見つかります。さすがタコに寄生するだけあって、タコの腕のように吸盤らしきものが体全体についています。
これを見た大御所キュビエさんは、この生物にヘクトコチルス・オクトポディスと命名しました。日本語にすると「百疣虫(ヒャクイボムシ)」といった意味になります。
キュビエさんは、ヘクトコチルス・オクトポディスがなにか寄生虫の一部ではないか?と考えました。この時点ではUMA (未確認生物) ということになります。
その後、この百疣虫を調べたスイスの解剖学者ルドルフ・アルベルト・フォン・ケリカー(or アルベルト・キャリカー、アルバート・ケリカー) (Rudolph Albert von Kölliker ) さんは、百疣虫は寄生虫の一部ではなく、これ自体が生物の完全な姿であると発表しました。
彼は当時まだ発見されていなかったタコブネのオスに着目し、ヘクトコチルス・オクトポディスが「オスのタコブネの完全な姿」であると発表してしまいました。
そこでやめていれば彼の傷も浅かったのですが、やめればいいのに、このイモムシみたいなヘクトコチルス・オクトポディスの解剖図を描き、内臓もすべて描き込んでで世間に発表したといわれています。
~ オスが見つかる ~
それから十数年後、本当のタコブネのオスが発見されました。
その姿はメスと比べ極端に小さいものの、ちゃんとタコの姿をしており、決してヘクトコチルス・オクトポディスがタコブネのオスの完全な姿でないことが分かりました。
ヘクトコチルス・オクトポディスは、キュビエさんがいった寄生虫でもなく、ケリカーさんのいったタコブネのオスの完全な姿でもなく、「タコブネのオスの交接腕」だったのです。つまりオスの体の一部だったわけです。
ということはつまり、ケリカーさんはタコの腕に内臓を描き込んでしまうという、かなり凄いことをしていたのです。
ルドルフ・ケリカーさんはかなりいい線までいっていたのですが、タコブネのオスの体の一部ではなく、全体像と信じ込んでしまったのが敗因だったのです。内臓を描き込まれたという絵はいったいどんなものだったのでしょうか?とても気になります。
ルドルフ・ケリカーさんの名誉のために一応書いておきますが、彼の功績はタコブネの交接腕をオスと勘違いしことだけではありません。 つーか、これは全然功績になっていませんが。
彼は、偉大な科学業績を残した人に送られるコプリ・メダル(Copley Medal)を授与されるほどの素晴らしい博士ということを付け加えておきます。
(ムラサキダコ - タコブネやアオイガイのように殻をつくるタコではありませんが、浮遊性のタコでメスのみが大きくなります。メスは50センチを超しますが、オスは3センチ程度)
ところでタコブネを含む浮遊性のタコのオスは、自分の交接腕を切り離しメスの体に置き去りにしますが、もう一つおもしろい説があります。この交接腕はメスと出会ったときに切り離すのではなく、「交接腕自体が泳いでメスを探しに行く」というものです。
つまり、メスを見つけてから交接椀を切るのではなく、適当な場所で腕を切って、あとは腕が勝手に泳いでメスを探しに行く、ということです。
この説はほとんどあり得ないとは思いますが、もし、交接腕が泳いでメスにたどり着く姿を見たら、ケリカーさんのようにヘクトコチルス・オクトポディスはタコブネのオスの姿(全体像)である、と勘違いしても、決して誰も責めることはないでしょう。
↓気に入って頂いた方はクリックして頂けると嬉しいです
人気 blog ランキング でオカルト・ホラーサイトを探す
>> FC2 ブログランキング (オカルト・ホラー)
>> 面白サイトランキング
(関連)
■ 珍獣・不思議な生物
■ タコブネ
■ 卵を抱いて4年半、究極の母性愛 ~ ホクヨウイボダコ
■ ダイオウイカの深海で泳ぐ姿の動画撮影に成功
■ オクトパス・マヤ
■ コウモリダコ
■ サメハダホウズキイカ
■ 半タコ半イカ 深海頭足類 "オクトスクイッド"
■ 6本腕のタコ ~ ヘクサパス
■ 淡水湖の水難事故の原因か? "オクラホマ・オクトパス"
■ 淡水湖の大ダコ "スクーカム"
■ ルスカ (バハマの巨大ダコ)
■ メドゥーサ・ワーム (スパゲッティ・ワーム
■ 海賊!アオミノウミウシ
■ ジャンピング・カタツムリ
■ 巨大イカ (生きているダイオウイカの撮影に成功)
■ 巨大イカ (ダイオウイカよりでかいイカ!?)
■ 巨大イカ (未確認の巨大イカ)
■ 巨大ナメクジ
■ 巨大二枚貝 (オオジャコガイ)
■ 巨大巻貝
■ 足のある鮫が捕獲される
■ アンドリュー・クロスの不思議なダニ
■ レウコクロリディウム (スーパーグロ注意)
■ 人間を食べる ヒトヒフバエ (グロ注意)
■ クリオネの新種 ~ ヒョウタンハダカカメガイ
UMA一覧へ
トップページへ