■タニストロフェウス■
■Tanystropheus■
~チャンプの正体?~
アメリカでもっとも有名な巨大水生UMAのひとつ、シャンプレーン湖のチャンプの正体として、タニストロフェウスが挙がったことがあるといいます。
とはいえ、日本のチャンプ捜索番組で一度きり提唱された説で、現在では、外国はもちろんのこと日本でもその説を推す声は聞くことがありません。
タニストロフェウスですが、今でこそ大抵の図鑑に載っていますし、フィギュア化されたりと知名度が上がってきましたが、当時としては珍しい古生物としておもしろ半分に取り上げられたものだと思います(ちなみに化石が発見されたのは1855年)。
さてタニストロフェウスはチャンプの正体ではないにしても、十分魅力的な生物です。
プロラケルタ類は首の長いものが多くいますが、その中でもとんでもない首の長さを持つのがタニストロフェウスです。
体長は3メートルから最大で6メートルぐらい、首の長さが尋常ではなく、尾を含めた体の長さよりも長く成長しました。首の長さは全長の半分~3/4を占め、この首と体の比率は生物の限界ともいわれています。
(タニストロフェウスの巨大な椎骨)
トカゲの体にヘビをくっつけたような姿をしていますが、現世のトカゲさながらに、敵に襲われると尻尾を切って (いわゆる自切) 逃げたといわれます。
体長が大きくなるほど首の占める割合が高くなっていき、首だけで3メートル以上にもなりました。
タニストロフェウスは、首は長いもののプレシオサウルスなどの海生爬虫類の仲間ではありません(恐竜でもなく爬虫類です)。海の近くの岩の上で化石が発見されることが多いことから、浅瀬や水際で多くの時間を過ごし、魚や頭足類(アンモナイト)などを捕って食べていたと考えられています。
これだけ長い首を持っていたにもかかわらず、首の骨(椎骨[ついこつ])が僅か10個しかありません。人間など、ほ乳類の首の骨は7つですが、それよりも僅かに3つ多いだけです。椎骨の1つ1つが非常に長く成長したことが分かります。
キリンも1つ1つの骨が長いだけで、やはり人間と同じ7つしか椎骨がありません。キリンを見ても分かるとおり、首が長くても椎骨が少ないとヘビのような柔軟な動きは実現できません。このことからタニストロフェウスはそれほど柔軟に首を動かせなかったと考えられています。
(キリンも首の骨は人間と同じ7つ)
最近撮影された伝説のUMA、ナウエリト(ナウエリート)の写真のような首の動きは間違っても出来なかったでしょう。
首長竜のエラスモサウルスの椎骨は72個もあり、タニストロフェウスとは反対に非常に柔軟に首を動かせたと考えられています。水生UMAの正体に首長竜が登場するのは、この辺の理由もあります。
ところで、タニストロフェウスの椎骨はひとつひとつが30センチ以上にも成長しましたが、太さは僅か1.5センチメートルほどしかなく、到底大きな魚を丸飲みすることは出来ませんでした。
浅瀬で捕らえた魚を陸上に持って帰り、ちぎって少しずつ食べたのかもしれません。ひ弱そうに見えるのですが、横取りなどされなかったのでしょうか?
タニストロフェウスは泳ぐことは出来ても、それほ早く泳げなかったといわれており、またその長い首のために陸上での動作も緩慢だったと考えられています。仮に遊泳がうまいとしても、首長竜のように首が柔軟に動かせないことから、動き回る魚をうまく捕まえることは出来なかったかもしれません。
やはり、浅瀬や岩の上から、長い首を水面に伸ばし上から魚を捕まえるのに適した体、といえると思います。また、細長い首を利用して、岩の隅や穴に潜った甲殻類なども捕まえて食べることが出来たのでは?とも思っています。
チャンプの正体がタニストロフェウスというのは無理がありますが、生き残っていたら是非とも見てみたい生物の一つです。
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