■巨大クリオネ Part II■
■Giant Clione Part II■
~流氷の悪魔、巨大クリオネを求めて~
(巨大なアンモナイトも一飲みか!?)
巨大クリオネPart IIです。まったく話はつながっていませんが、お時間のある方は巨大クリオネ Part Iもご覧ください。
クジラとか例外はありますが、同じ種で比較した場合、古生物の方が大抵大きいです。例えばワニを取ってみても、絶滅種のディノスクスやプルスサウルスが20メートル近くまで大きくなったことを考えると、現世最大のイリエワニといえど大きさ的には全く歯が立ちません。
そういう風に見ていきますと、現世ではなく、やはり巨大なクリオネを古生物に見いだすのが正しい姿勢ではないか?そう考えた次第であります。
Part Iで紹介したとおり、貝殻は退化してしまったものの、クリオネは貝の仲間です。絶滅種の貝には、例えばシカマイヤという殻の幅が1メートルにもなる巨大な二枚貝が存在します。
シカマイヤは、保存状態の良い化石があまり見つかっていないため、いまだにはっきりした姿さえ分かっていません。
二枚貝に限って言えば原生のオオジャコガイの方が大きいです。最大サイズで1.5メートル、300キロともいわれるオオジャコガイですから、少なくとも現在見つかっている化石から判断すればシカマイヤでも太刀打ちできません。
オウムガイの仲間、直角貝(チョッカクガイ)なんかは現在の巻貝では考えられないほど大きい(長い)ものが存在しました。オウムガイはカタツムリのような渦を巻いたような殻をしていますが、直角貝の殻は渦を巻かずまっすぐに伸びていきました。
特にオルドビス紀からシルル紀に栄えた直角貝の仲間、エンドセラス(Endoceras)は非常に大きな個体も見つかっており、最大サイズでで3~5メートルぐらいになりました。
オウムガイの脚は300近くあり、あまりイカやタコの仲間といった感じがしませんが、エンドセラスはイカと同じく脚が10本であり、また、殻もまっすぐ棒状に伸びていることから、それほど大きなものでなければかなりイカに似た姿をしていたようです。
またアンモナイトも最大のもので殻の直径が2メートルという信じがたい大きさのものも見つかっています。
長々とクリオネとは関係ない古生物の話をしてしまいましたが、軟体動物の世界も、やはり古生物の中に現世では考えられないほど大きくなるものがいた、ということが分かって頂ければそれで結構です。
ではクリオネさんはどうなのか?クリオネは殻の退化してしまった巻貝で、間違いなく軟体動物です。上記の通り、軟体動物も過去にはかなりビッグなやつがいたことは説明しました。
それではまずこの画像を見て頂きたいと思います。
(巨大クリオネの化石、、、?)
約1メートルのクリオネの化石です。太古の海、巨大なクリオネたちが優雅に泳ぎ回っている姿が想像できますね、、、
って、よく見ると骨あるじゃん!!
かつてクリオネには骨があったのでしょうか。太古の海、骨のある巨大なクリオネたちが優雅に泳ぎ回る姿が、、、ないないない。残念ながら、完璧にあり得ない話です。クリオネは巻貝ですからね。
この化石を持参し「巨大クリオネの化石を発見しました。骨格も完璧です」と学会で発表するのは自由ですが、完璧にシカトされることでしょう。
残念ながら、これはカスザメ(の仲間)の化石です。カスザメはサメとエイの中間的な姿をしたサメで、化石になるとクリオネ風に残ることがあります。
巨大クリオネに話を戻しますが、決してカスザメの化石を見せたくて、長々とここまで説明していたわけではありません。
前述した絶滅種の巨大二枚貝、シカマイヤにしても化石として完璧に残っていません。貝殻があるにも関わらず、です。
クリオネは成熟すると貝殻をほぼ完璧に失います。殻なしの貝です。軟体部分オンリーの裸になってしまう貝です。
そんなクリオネが化石になるのは難しいでしょう。太古の海、巨大なクリオネが泳ぎ回っていたとしても、化石として残っていないのは決して不自然なことではありません。
いつの日か巨大なクリオネの化石が見つかることを期待したとしても、決して誰も責めないはずです。いえ、責めないでください。
巨大なクリオネがいたかもしれない、いや、いたけど化石が現時点で見つかっていないだけだ、いや、今でも生き残っているかもしれない、そう思うだけで楽しいではありませんか。
流氷の悪魔、巨大クリオネ。
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