■毒鳥ピトフーイ■
■Hooded Pitohui (Pitohui dichrous)■
~人も死んじゃう毒鳥ピトフーイ~
「毒鳥ピトフーイ」。いかにもUMA (未確認生物) 的な響きを持ち、またオカルト系フィギュアシリーズ「大神秘博物館」でフィギュア化されるなど、架空の鳥類を彷彿させますが、正真正銘、実在する鳥です。
鳥系のUMAというと ロック鳥、サンダーバード、ピアサ・バード、また、鳥ではないですが翼竜やオオコウモリ系など、飛行系UMAは大型のものが目立ちます。
ピトフーイも大きいのか、というと、そんなことはなく手に乗るほどの小柄な鳥です。
ピトフーイは頭部と羽根が黒、その他の部分がオレンジ色となかなか派手な色をしたかわいい鳥ですが、なんといっても鳥類でありながら毒、しかも猛毒 (神経毒) を持っているという点が最大の特徴です。
この毒は、猛毒で知られるヤドクガエル、その中でも最強とうたわれる モウドクフキヤガエル の毒成分、バトラコトキシンに非常に似ているホモバトラコトキシンです。
この猛毒を持つ奇妙な鳥、ピトフーイを見ていきましょう。
(毒成分が近い毒を持つモウドクフキヤガエル)
~ 毒鳥ピトフーイ ~
「ピトフーイ (Pitohui)」とはニューギニアにのみ生息するモリモズの学名 (属名) で、現在6種類ほど確認されています。
「モリモズ」と呼ぶより「ピトフーイ」と呼んだ方がミステリアスな雰囲気を楽しめますから、ここではピトフーイと呼ぶことにします。
さて、ピトフーイ、この名は属名ですからその6種類はすべてピトフーイということになりますが、そのすべてが毒を持っているわけではなく、また毒の強弱も異なります。
一般的に「毒鳥ピトフーイ」と呼ばれるのは、その中でももっとも毒性の強い、英名フーディド・ピトフーイ (Hooded Pitohui)、和名ズグロモリモズのピトフーイ・ディクロウス (Pitohui dichrous) のことです。
毒を持つ鳥の存在は以前より報告されていましたが、UMAの世界を抜け出し、公式にピトフーイの存在が確認されたのはついつい最近のことです。
実はピトフーイ以外にも、同じくニューギニアに生息するズアオチメドリ (Ifrita kowaldi, イフリタ・コワルディ) の羽根と皮にも神経毒が含まれているといわれています。
世界広しといえど、現在確認されている鳥類の中で毒を持つものは、ニューギニアのピトフーイの仲間とズアオチメドリだけということになります。
UMAファンには、南米で捕獲された頭部が毒蛇のような ファングド・バード (牙鳥) なんかも毒があるのでは?と考える人もいるかもしれません。
いかにも牙に毒腺を隠し持っていそうな姿をしており、毒を持っていても決して不思議ではありませんが、残念ながらファングド・バードはフェイクであることが判明しています。
(牙鳥 - 秘密組織に奪われたとか、、、)
~ 毒の使い道 ~
さて、ピトフーイに話を戻しましょう。この鳥は毒をどのように有効利用しているのでしょう?
クチバシの先端や足の爪などに毒腺があり、それで獲物を仕留めるのでしょうか?ピトフーイの毒性は成人男性も殺せるほど強いものですから、足下は毒蛇、頭上からはピトフーイ、怖くてニューギニアの森を歩けるものではありません。
しかし、ご安心を。ピトフーイには相手に自分の毒を注入するような能力はありません。ピトフーイを見かけたからといって物陰に隠れたり、走って逃げたりする必要はありません。
ピトフーイの毒は羽根や皮膚の部分に含まれており、体を触れたり食べない限りまったく害はありません。
ピトフーイは毒を持っていることにより、捕食者のターゲットから外されているのです。フグやスベスベマンジュウガニ、モウドクフキヤガエルなどと同じで、あくまで護身のためです。
運悪くニューギニアの森で遭難し、お腹が空いたとしても、決して寝癖のような頭のオレンジと黒の派手な鳥にだけは手を出さない方が良さそうです。
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