■Scythian lamb■

UMA番外編、UMP(Unidentifed Mysterious Plants)シリーズです。
今回は「スキタイの羊(スキタイの子羊)」です。UMPシリーズはどれもB級ホラー映画さながらの、食虫植物強化版みたいに怖いものばっかりですが、スキタイの羊はそういった怖い未確認植物ではなく、ほのぼの系UMPです。
スキタイというのは中央アジアから黒海北岸の地域を指しますが、もともとスキタイとは紀元前に栄えていた謎の遊牧民族、スキタイ人のことです。
「スキタイの羊」とは植物であり、かつ動物でもある非常にユニークな生物です。ただし、根をはる植物の実から羊が誕生することから、あくまでも羊は「植物の実」であるため、植物として扱われます。
ということで、UMAではなくUMPとしての扱いとなります。
さてこのスキタイの羊ですが、植物の実から生まれるものと、植物の茎から直接生えてくるものと2種類あります。これはマンドラゴラの根が人の形に似ている、というのとは異なり、動物の羊そのものが植物から生まれてくるといわれています。
そのため、スキタイの羊は血や肉、骨といったものも通常のヒツジ同様に備えています。
茎から直接生えてくるタイプの子羊は、ちょうど赤ちゃんがへその緒で母親とつながっているように、茎が子羊のへその緒とつながっています。
子羊はその茎でつながっているものの自由に動くことが出来るため、届く範囲に生えている草を食べて生きていくことが出来るといわれています。鎖につながれているのと同じような感じです。茎がへその緒とつながっているため、そこから栄養分を摂取しているように見えますが、それだけでは栄養が十分ではないようです。
それでは茎は自由を妨げる邪魔な鎖か?というとそうではなく、茎からもぎ取られるとこの子羊は死んでしまうといわれています。子羊は生きている限り、その届く範囲にある草を食べます。しかし食べる草がなくなってしまうと子羊は死に、その草も枯れてしまうといわれています。

もう一つのタイプは植物の実から生まれるタイプで、こちらの場合、この植物はメロンのような大きな実をいくつも茎からぶら下げます。熟すとこの実は割れ、子羊が生まれて来るというわけです。
羊の肉と同じぐらい重宝されるのが羊毛ですが、このスキタイの羊も小さいながらやはり動物の羊と同じですので羊毛が取れます。スキタイの羊の羊毛や毛皮は輸出されていたともいわれています。
さて、これが本当の話なら何とも楽しいのですが、ふつうに考えて、こんな植物が実在するとは到底思えません。羊の形に似た実をつける植物が元になって生まれた話ではないのか?と考えるのが常識的なところかと思います。
実際、このスキタイの羊の話はシダのことではないか、といわれています。このスキタイの羊 (Scythian lamb)、Planta Tartarica Borometz (タタールの植物子羊) とも呼ばれます。バロメッツ/ボロメッツ (Borometz) は「子羊」という意味だそうですが、中国に自生するシダの名前でもあるそうです。
シダの葉には綿毛が生えます。シダの綿毛が羊の羊毛と重なり、「スキタイの羊」の伝説がうまれたのではないか?といわれています。シダの綿毛は中国に限らず日本でもかつては織物の原料として使われてきました。
このシダの説もあくまで推測に過ぎません。遠く離れた見知らぬ地に、羊が生えてくる植物があるそうだ、と信じていた時代も夢があって楽しかったかもしれませんね。
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