■アノマロカリス■
■Anomalocaris■
(DVD BBC ウォーキング with モンスター ~前恐竜時代 巨大生物の誕生 より)
~ スカイフィッシュとアノマロカリス ~
謎の飛行系UMA、スカイフィッシュ (flying rods) の正体は「進化したアノマロカリス」ではないか、と、一時期騒がれたことにより、アノマロカリスの名はUMAファンにも一気にメジャーな存在となりました。
ただし、アノマロカリスとスカイフィッシュは、その姿が似ていること以外、なんの根拠もなく、スカイフィッシュの正体としてはあまりに突拍子もない説です。
しかし、このカンブリア紀のもっとも魅力的な生物のひとつ、アノマロカリスを世間に広めるのに一役買いました。
~ 奇妙なエビ ~
アノマロカリスは、スティーヴン・ジェイ・グールドの名著、「ワンダフル・ライフ」で一般的にも浸透したバージェス動物群のひとつです。
奇妙な生物がてんこ盛りのバージェース動物群の中でも、ハルキゲニアやオパビニアと並んで、もっとも奇妙な姿をした生物のひとつに数えられます。
(ハルキゲニア
カンブリア紀の海を表現したCG
短いですが綺麗ですので是非ご覧ください
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
アノマロカリスは、恐竜の誕生もまだまだ先の、今から5億年前の海を泳いでいた、カンブリア紀最大・最強と考えられている生物です。
さて、このアノマロカリス (Anomalocaris) という覚えにくい名前、これは「奇妙なエビ (= anomalous shrimp)」という意味です。
その復元されたアノマロカリスの姿は、確かに現世のエビやシャコといったものを彷彿させるものもあり、なるほど~、と思わせる名前です。
しかし、この「アノマロカリス=奇妙なエビ」という名前は、まったく「偶然の賜物」であり、現在復元されているアノマロカリスの姿から命名されたものではありません。
アノマロカリスとは頭部から伸びる1対の捕食肢 (ほしょくし) に付けられた名前です。
~ バラバラ ~
(アノマロカリスの捕食肢部分の化石
「アノマロカリス」という学名は、実はこの部分を生物の全体像と
誤解されて命名されたものです)
捕食肢に名前が付けられるとは、それこそ奇妙ですが、これは当初、アノマロカリスの捕食肢のみ発見されたからです。
しかもその捕食肢が体の一部とは考えられず、それ自体が生物全体の姿と勘違いされ、学名、アノマロカリスが付けられてしまいます。
これには理由があります。バージェス動物群の中でもとりわけ巨体を誇るアノマロカリスですが、そのような巨大な生物がこの時代に存在するとは思ってもみなかったため、捕食肢がまさか体の一部とは考えられなかったのです。
(カンブリア紀の海を表現したもう一つのCG動画
ウィワクシアを襲うアノマロカリス
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
捕食肢のみで10センチ前後もあり、これはバージェス動物群の標準的な大きさでした。
しかも、捕食肢にはエビの腹部を彷彿させる節、足を彷彿させるトゲがあり、なるほど、頭部が取れてしまったエビのように見えます。
これは、アノマロカリスは巨体ゆえ、化石化するとバラバラになっていることが多く、見事に捕食肢のみが単体で見つかっていたのです。
しかし、アノマロカリスの悲劇はこれで終わりではありません。悲劇はまだまだ始まったばかりだったのです。
体の一部に命名されたのは捕食肢だけではありませんでした。
バラバラになった体は、各部分がすべて独立した生物として、次々に学名が付けられていくことになります。
アノマロカリス Part II に続く
<参考文献>
● ワンダフル・ライフ (スティーヴン・ジェイ・グールド 著)
● 進化の大爆発 (大森昌衛 著)
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