■ミロドン (グロッソテリウム) は生きている?■
■Mylodon (Glossotherium)■
(オオナマケモノ メガテリウム)
~ ナマケモノ ~
16世紀のヨーロッパの文献にはすでにナマケモノの記載があったといわれますが、そのあまりに奇妙な生態のため、その存在を知られてからしばらくの間、ヨーロッパの人々に真のナマケモノのを知られることはありませんでした。
(かつては「人の顔を持つ動物」とも言われていました)
睡眠は1日18時間以上、エサを取るといっても手の届く範囲の木の葉をむしる程度で一日中ほとんど動くことがありません。
夜行性ということもあり、しぶとく観察しないとエサを食べている姿をお目にかかることもできません。そんなわけで、ナマケモノは、食べ物を摂取しない生物に違いないと考えられました。
ナマケモノは、ただ木にぶら下がり、風の吹く方に顔を向け、その風から栄養を得ていると信じられていたのです。
実際はそんなことはなく、前述の通り、木の葉を食べているのですが、ナマケモノは省エネに特化した哺乳類であることは確かで、同じ体重のほかの哺乳類に比べエネルギーの消費量は1/2といわれています。
省エネなのでエサも少なくすみ、食べている姿もあまり見かけない、というわけです。
さてこのナマケモノ、現世種は、ミツユビナマケモノ (ミユビナマケモノ) とフタユビナマケモノに大きく分けることができます。
昔からノロマだのバカだのいわれているナマケモノですが、多くの生物が絶滅する中で、究極の省エネに特化することで生き残ってきたこの動物は、生物進化の大成功のひとつといえます。人類による森林伐採をはじめとする環境破壊さえなければ、今後の未来も明るかったに違いありません。
さて、現世のナマケモノは体長は1メートルにも届きませんが、ほんのわずか前まではオオナマケモノという地上性のゾウやサイほどもある巨大なナマケモノのグループが存在していました。
そして、その仲間は未だに生き残っているとの噂があります。その噂の真意を見ていきましょう。
~ 超巨大ナマケモノ ~
(後肢で立ち上がり木を揺するメガテリウム)
巨大ナマケモノの代名詞といえるのが、体長6~8メートルもあった、メガテリウムです。
後肢でクマのように立ち上がることができたと考えられ、立ち上がったときの身長は、3階建てのビルに匹敵します。
これぞ巨大生物、しかもナマケモノの仲間というのですから驚きます。が、今回の主役はメガテリウムよりちょっと小柄な(といってもかなり大きいのですが)、ミロドン (グロッソテリウム) です。
ミロドンとは約1万年ほど前まで南米に棲息していた巨大なナマケモノで、全長は4メートルほどもありました。
このとっくに絶滅していると考えられるミロドンが生きているのではないか?といった噂があります。
これは、19世紀末、アルゼンチンの地理学者であり冒険家、そして元内務大臣でもあるラモン・リスタ (Ramon Lista) が、アルゼンチンの南パタゴニアで、このミロドンらしき生物に遭遇、発砲した、という狩猟記録が残っているからです。
リスタによれば、その生物はアルマジロのような体型で長く赤い毛で全身が覆われていたといいます。
とはいっても、リスタのこの狩猟記録、当初は一笑に付され、ほら吹きの烙印を押されていました。
しかし、同じアルゼンチン人、古生物学者にして人類学者のフロレンティーノ・アメギーノはこの狩猟記録に着目しました。(アメギーノについては「アメギーノの南米人類起源説」をご参照ください)
アルマジロのような体型、というのがちょっと気がかりなのですが、アメギーノはリスタの見た巨大な生物を「オオナマケモノ」の生き残りではないか、と考えたのです。
南米には巨大なアルマジロ、グリプトドン生存説もあることから、リスタの見た生物は、体型的にはオオナマケモノというよりグリプトドンを彷彿させます。しかし、全身に毛があったという目撃を信じれば、グリプトドンではないでしょう。
(巨大アルマジロ、グリプトドン)
さてリスタの狩猟記録を信じたアメギーノは、さっそく「オオナマケモノ調査隊」なるものを組織し、パタゴニアのジャングルへと向かいました。
アメギーノの隊は、オオナマケモノの目撃はおろか、毛皮も毛1本も、そして足跡さえも見つけることができず、悲観に暮れて舞い戻ってきました。
アメギーノの古生物に対する情熱は素晴らしいのですが、若干、夢追人的な一面があり、そこが彼の長所でもあり魅力でもあり、そして短所でもありました。
フロレンティーノ・アメギーノは、自分の信念に加えミロドンとの遭遇を記録したラモン・リスタの名誉挽回に一肌脱いだともいわれています。
残念ながら、現時点ではリスタ、そしてアメギーノの名誉を挽回するような新事実は出てきていません。
しかし、かれらのUMAを追い求める純粋な姿は、ミロドン以上に魅力的であった、ともいえるでしょう。
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