■Lsst "Passenger pigeon" Martha (Ectopistes migratorius)■

~ リョコウバト ~
ヨーロッパの移民たちがアメリカ大陸に渡った当時、もっともありふれた鳥のひとつだったリョコウバト。 (リョコウバトの詳細についてはリョコウバトの記事をどうぞ)
当時、アメリカ大陸に生息していたリョコウバトの数は50億羽ともいわれています。
名前の通り、渡りをする鳩で、渡りの時期にもなると空はリョコウバトで埋め尽くされ、何日間も真っ暗な状態が続いたといわれています。
きれいな羽を持つリョコウバトですが、あまりにありふれた鳥のため、人々の関心はその美しさに向くことはありませんでした。
家禽のように手間もかけずとも容易に手に入る鶏肉、それがリョコウバトの位置づけだったようです。

リョコウバトは移民たちに徹底的に虐殺され続け、無限とも思われたリョコウバトはあっけなく絶滅に追い込まれました。
結果的に最後になってしまったのは "マーサ" というすてきな名前をもつメスのリョコウバトでした。
マーサはシンシナティ動物園で生まれ、同動物園で飼育されていたため、一度も空を羽ばたくことはありませんでした。
ちなみに彼女の名は、アメリカの初代大統領、ジョージ・ワシントンのファースト・レディ、マーサ・ワシントンに由来します。
~ マーサ ~

(マーサの死を伝える新聞記事)
少し前まではそのリョコウバトの美しさに見向きもしなかった移民たちですが、それがなんであれ、「希少」となれば話が違ってきます。
それはリョコウバトも同じでした。
地球上に残った最後のリョコウバト、マーサは人気者になったのです。
動物園に来る人々の目的はみなマーサでした。
しかし1914年でマーサは29歳 (1885年生まれ)、かなりの高齢でした。彼女の生命力はゆっくりとゆっくりと失われていきました。
マーサの飼育員は、彼女が簡単に止まり木に乗れるよう鳥かごの床からわずか数インチのところに付け替えてあげたほどです。
止まり木に乗るのも大変なぐらいです、マーサは高齢のためあまり動かなくなってきました。
これを不満に思う観客の中には、マーサの動いているところを見ようと彼女に砂を投げつけるものすらいました。
観客の多い日曜日にはそんな輩からマーサを守るため、鳥かごの周りにはロープを張り巡らしたといいます。
マーサの年齢や健康状態を考慮すると、おそらくは展示させるべき状態ではなかったと思いますが、シンシナティ動物園のドル箱なので展示をやめられなかったのでしょう。
マーサは大切に大切に飼育されていましたが、それでもそのときは遅かれ早かれやってきます。
リョコウバトが地球上から姿を消す日です。
それは今から100年ほど前の1914年9月1日、午後1時だったといわれています。
マーサは止まり木からぽとりと落ちると、二度と止まり木に乗ることはありませんでした。

(マーサ)
<参考文献・参照サイト>
●失われた動物たち
●世界動物発見史
●Harvard Business School
<この記事のURL>
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-1000.html
気に入って頂いた方はクリックして頂けると嬉しいです
人気 blog ランキング でオカルト・ホラーサイトを探す
>> FC2 ブログランキング (オカルト・ホラー)
>> 面白サイトランキング
(関連)
■ 誤認・絶滅動物リスト
■ 時事ネタ・雑談・UFO等
■ 50億羽が絶滅 ~ リョコウバト
■ 最後のタスマニアタイガー ~ ベンジャミン
■ タスマニアタイガー (フクロオオカミ)
■ タスマニアタイガー Part II (絶滅していない証拠?ビデオ)
■ 飛べない巨漢オウム ~ カカポ (フクロウオウム)
■ 殺人ゾウ、赤ちゃんの泣き声に我に返る
■ 竜巻で廃墟と化した納屋から仔猫が救出される
■ 世界最高齢の猫、ポピー亡くなる
■ 30年ぶりに太陽を浴びたチンパンジーたち
■ 30年間行方不明だった亀、物置部屋から発見される
■ 誰も知らないアンデスオオカミ
■ ティラコレオか?クイーンズランドタイガー
■ ニュージーランドライオン!?撮影される
■ ヨウスコウカワイルカ、ついに絶滅する
■ 発見から27年で絶滅 悲劇のステラーカイギュウ
■ 食べ尽くされた巨大鳩 ~ ドードー
■ ジャイアント・モア
■ モアを狩った巨大ワシ ~ ハースト・イーグル
UMA一覧へ
トップページへ