■セントヘレナオオハサミムシ■
■St. Helena giant earwig (Labidura herculeana)■
~ 耳の中に棲む虫 ~
(ハサミムシ)
~ ハサミムシ ~
大きな石をひっくり返したりすると、ダンゴムシなんかと一緒にハサミムシが出てきたりします。
あわててどこかに隠れようとする姿はけっこうかわいかったりしますが、あのお尻のハサミに挟まれると結構痛いものです。
この「ハサミムシ」という名前はシンプルですが、この昆虫の特徴を的確に表現しており、名前とイメージがぴったり来ます。
英語ではなんというんでしょう?直訳して、フォーセプス・バグ (forceps bug) とか シザーズ・バグ (scissors bug) なんて思い浮かべる人もいるかもしれません。
意外なことに、ハサミムシの英名には「ハサミ」を表す単語は入っていません。イアウィッグ (earwig) といいます。
~ 耳のムシ ~
ハサミムシの英名はイアウィッグのイア (イアー) は、あの「耳」のearです。つまり「耳の昆虫」という意味です。
あの目立つハサミに言及せずに、「耳の昆虫」と名付けるとはセンスがあります。
どうしてこんな名前が付いたんでしょう?形でしょうか?そういえばよく見ると人間の耳の形に似ている、、、わけないです。
実はこのイアウィッグという名前の由来には2つの説があります。
1つはハサミムシの鞘翅が短く、その「鞘翅が人間の耳の形に似ているから」というものと、もう1つが「(人間の) 耳の中に棲む虫だから」というものです。
(体に対して小さな鞘翅)
おもしろい後者をピックアップします。
~ 耳の中に住む ~
犬や猫など飼っている人は「耳ダニ」をご存じでしょう。その名の通り、耳の中に住み着いているダニです。
顕微鏡サイズのダニであれば、侵入されても気付かないというのは納得できますが、ハサミムシです。
思いっきり肉眼で見えますし、だいたいあんなでっかいものが耳の中に入って来て気付かない人はどうかしているに違いありません。
そもそも足下からはい上がり、首、顔面と通過していくどこかで、まともな人なら気付くはずです。とてもあり得そうにありません。
そうです、起きている人に侵入するわけではありません。
ハサミムシのイアウィッグという名前は「眠っている人間の耳の中に入ってくる」ことから名付けられたといいます。これならなんとかなりそうです。
ですが、寝ているときに侵入したにせよ、目が覚めたらなんぼなんでも気付くでしょう。
そのまま気付かず学校に行ったり、会社に行ったりする人がいるとは思えません。耳からハサミムシが顔を出している状態で歩いている人に出会ったことももちろんありません。
しかし、ハサミムシに侵入された人間は、学校に行くことも会社に行くこともないのです。
ハサミムシは耳から侵入し、穴を開け脳に達し、そして脳をむさぼり食べるからです。
あんな平和そうな昆虫が人間を死に至らしめるとは、、、実はこれは結構有名な都市伝説で、そんな事実はもちろんありません。ご安心を。
~ セントヘレナの巨大ハサミムシ ~
(セントヘレナ島)
巨大ハサミムシの写真
失脚したナポレオン・ボナパルトの流刑地として有名なセントヘレナ島ですが、この島には幻の巨大ハサミムシ、セントヘレナオオハサミムシ (Labidura herculeana) が棲息しています。
このハサミムシの体長は8センチを優に超えるといわれており、トレードマークのお尻のハサミもクワガタムシの大顎を思わせるほど長く巨大です。
島が発見された16世紀以降、人類と共にネズミをはじめとする外来生物の流入、土地開発の影響により、この巨大ハサミムシはみるみる数を減らしていきました。
元々数が少ない上、夜行性で昼間は土中深く潜っているということもあり、研究者が血眼 (ちまなこ) になって探して、やっとこ1匹2匹を見つける程度までになっていきます。
しかし、そんな状況になってもこのハサミムシを気にかける人は誰もいませんでした。
そんな状況が続けば当然の結果が待っています。とうとう、この巨大ハサミムシを見かける人は誰もいなくなってしまいました。20世紀を前にして絶滅してしまったのです。
~ 再発見? ~
ところが意外なことが起こります。絶滅したと思われていたセントヘレナオオハサミムシですが、1967年に再度個体が確認されました。
最近になって、やっとこ地球規模での環境保護に対する気運が高まっています。
セントヘレナ島のハサミムシも例外ではなく、彼らを絶滅から守ろう、という人々も出てきました。
しかしセントヘレナオオハサミムシが最後に見かけられてから約40年、幾度も調査隊が派遣されましたがかれらを見つけることはできません。
おそらく絶滅してしまったか、絶滅していないにしても極めて危険な状況にあることは間違いありません。
手をさしのべるのが遅すぎたようです。
<この記事のURL>
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-642.html
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ありふれた虫ですが、改めて考えるとお尻の先端にハサミがあるなんて不思議な虫です。
どういう進化をしてきたんでしょうね。
それはそうとコメント欄復活ですね。
三周年とあわせておめでとうございます。
尾角がクワガタのはさみぐらい頑丈に進化してるなんて面白いですよね。
ところで、平日はさっぱりブログの管理ができないので、しばらくコメント欄を不可にしていましたが、とりあえず書き込みだけは復活してみました。
返信は遅くなるかもしれませんがよろしくお願いいたします。
なぜそう呼ばれているのかまでは知りませんが
アレにアレを挟まれるのかと思うと心配でなりません。
ある意味、アメリカよりもすごい都市伝説かも。
虫・・・写真や動画で見るのは大好きだけど
実物見たらショック死します・・・・。
カマドウマとかこの世のものとは思えないです・・・。
うちの旦那と喧嘩したら切ってもらいたいので
是非セントヘレナオオハサミムシ見つけてほしいものです・・・
あっ、その辺のハサミムシでも事足りるかも(爆)
>うちの旦那と喧嘩したら切ってもらいたいので 是非セントヘレナオオハサミムシ見つけてほしいものです・・・
旦那さんをセントヘレナに送るというのはどうでしょう?