■Lemming■
~ 死の行進は本当か? ~

(レミング)
今日はレミング (タビネズミ) です。体長10センチ強のこの齧歯類は、スカンディナビア半島北方をはじめかなり寒冷の地域に棲息します。
ずんぐり太った体とは対照的に尾は2~3センチほどととても短く、全体として丸っこく非常にかわいらしい姿をしています。
このレミングは数年に一度の割合で、大繁殖することで知られています。
~ 集団自殺? ~
増えすぎた個体数を調節するため、崖から海へ入水自殺することで有名なレミングですが、種の保存のために自殺するとは奇妙な話です。 「利己的な遺伝子」で有名な、リチャード・ドーキンスを好きな人にとっては特に解せない行動にうつるのではないでしょうか?
そもそも自殺するネズミの群れはどうやって選ばれる (自覚する) のでしょう。
群れが増えすぎたときに、遺伝子の中の自殺誘因スイッチがオンになるとすれば、下手すると種の存続どころかみながみな先を争って入水自殺してしまい、その一帯の群れが滅びかねません。

(水に浮くレミングの遺骸)
アフリカで大発生する、バッタの大群は、みなさんどこかで見たことがあると思います。
トビバッタの仲間でも特に有名なアフリカのサバクトビバッタは、個体数が増えると通常のバッタ (孤独相) よりも体が小さくなり、逆に羽が大きくなることによって飛翔するのに好都合な体に成長します (群生相)。
飛翔するのに都合が良い、つまり長距離移動に適した体になることによって、食物を求め、大群で大移動を開始します。
このバッタの大群を飛蝗 (ひこう) といいますが、今までに1120億匹 (112,000,000,000匹) という、まさに天文学的数字に膨れあがった記録もあるそうです。
彼らはむやみやたらに「行進」することによって、自殺に似た個体調整を行っているのでしょうか?はっきりはしていませんが、彼らは生息域の拡大を図って群れで大移動していると考えられており、自殺などする気は全くありません。

(サバクトビバッタの飛蝗)
レミングはどうでしょう?レミングは、和名のタビネズミからも想像されるとおり、群れを成して比較的長距離を移動することを得意とします。
長距離移動がお得意のはずのレミングが、サバクトビバッタのように食物を求めて移動をせず、個体調整のために自殺を選ぶとなると、これは大変奇妙なことです。
~ 死の行進 ~
実はこの入水自殺、このタビネズミの特徴である長距離移動とレミングがネズミの中では非常に泳ぎが達者であることが関連してつくられた一種の都市伝説と考えられています。
サバクトビバッタ同様、増えすぎたレミングたちは新しいエサ場を求め、群れで大移動を始めますが、途中で川や湖に行く手を遮られても、得意の泳ぎで強行突破しようとする場合があるようです。
しかし、運が悪いと暴風や高波などにさらわれ、上陸できずにそのまま水死してしまいます。
その死体たるや群れで行進していることからも想像できるとおり、夥 (おびただ) しい数であり、数年に一度の割合で目撃されるといわれています。
つまり、数年に一度起こる「レミングの大量繁殖」と「レミングの大量水死」に因果関係はあっても、レミングの集団自殺「死の行進」とは無関係ということです。
~ 集団自殺× → 自殺強要○? ~

(「白い荒野」
※ 画像をクリックするとYouTubeに飛びます)
レミングの集団自殺を一躍有名にしたのは、ディズニーのドキュメンタリー、「白い荒野 (White Wilderness)」だといわれています。
このドキュメント・フィルムの中でレミングたちが崖から海に「入水自殺」する姿が捉えられています。これはレミングが新しいエサ場を求め海に飛び込んでいる映像ということになるのでしょうか?
レミングはあくまで対岸に渡るために入水することを考えると、崖から海に飛び込むのは不自然この上ない映像に見えます。実際、これはドキュメント・フィルムではなく、フェイク・フィルムといわれています。
つまり、フィルムの中のレミングたちは崖からスタッフたちによって突き落とされたり、投げ込まれたりしているというのです。

(「The Most Extreme」のレミング編
「白い荒野」のやらせ撮影風景を再現
スタッフに追われ、レミングが崖に向かって逃げる風景)
こういった話自体、逆にデマや都市伝説だったりすることもありますから、ディズニーのやらせ映像、と決めつけることは出来ないでしょう。
しかし、入水時のカメラアングルが極端に限定的で、また集団で飛び込む様子はディズニー以外、一度も撮影に成功していないといわれています。
人気テレビ番組、アニマルプラネット内の "The Most Extreme" では、ディズニーのフィルムをフェイクと言い切り、CGで当時の撮影の様子を再現しています。
(参考サイト、参考文献)
「懐疑論者の祈り」さん
「動物たちの生き残り戦略」(NHKブックス)
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自殺説を疑ってみると危険が迫ってきたら高いところから水に逃げ込む→ツメバケイ・オラウータンみたいな行動ととったほうが他の動物もやっているわけですししっくりきますね。
PSPのレミングスやって自殺するネズミが実存するとしっかり騙されていましたw
人間は面白おかしくする為には残虐なこと
平気でしますからねー
そうそう自殺行為といえば
昨日TVで「フェインティングゴート(Fainting Goat)」ってのやってて
大きな音や追っかけられたりすると筋肉が硬直して死んだふりみたいな状態になるんだって。
理由が野犬に群れが襲われたときおとり
で食べられる役割になるって・・・。
カワイソスです・・・。
でもポテッって倒れる姿は癒し系でした^^
昔それに似た話で海を渡ろうとするねずみのはなしを聞いたことがあります。
それだとねずみが向かっている先にわ元々島があり
そこへ向かう習性が今だにのこっており
その島こそあの失われた文明ムー大陸だ~
なんて話です。。;
なんでもそのねずみ以外にもそこへ向かう動物がいるとかで~
♂がミニスカに目がいってしまうように
動物わ性(さが)に逆らえないようにできているのでしょうかノД`
いやぁヒドい話ですよ、まったく。昔見た記憶だと、もっと大群を成して海に飛び込んでいた映像と記憶していましたが、大した数じゃないですよね。
あの数を見てもとても大繁殖したレミングの自殺とは思えません。
>フェインティングゴート
動画見て笑っちゃいましたよ。
群れで1頭倒れればいいはずですが、コテン、コテンと複数倒れる場合がうけますね。2匹目以降は倒れなくて良いのでは、と(笑)
いやぁ凄いなぁ、本物の自殺ですよね。しかも食われ役って、、、
ただ、ムー大陸じゃなくて、アトランティス大陸です。レミングは大群で海に飛び込み、海に沈んだアトランティスを目指す、って伝説 (都市伝説) が昔あったみたいですから。
ただ、タビネズミは泳げるので死なないかと。海が荒れれば別ですが。
重要なテーマだったが。